「かじゅまー」

「なぁに?小愛ちゃん」

しばらくみんな遊んでいた小愛は急にきょろきょろと辺りを見回しながら数馬に話しかけた。

「あのねー」

「うん?どうしたの?」



「さもんとさんのすけがいないよー?」



「「「「!?」」」」


確かに周りをみると左門と三之助の姿がなかった。
残された4人はまたか。といったようにため息をついた。


「あぁぁぁ!もうあいつら!!!!」

「ふぇっ…」

「あっ…」

作兵衛が大声をだすと小愛はびくっとして藤内の後ろに隠れた。

「もーっ作兵衛急におっきい声だしちゃだめでしょ…小愛ちゃんびっくりしちゃったじゃない…」

「ごっ…ごめん…」

「そんなことより三之助と左門さがさなくていいのかい?」

「そ…そうだな…!」

「とーないこよりもいくっ!」

「えっ!小愛ちゃん!?」

「藤内よろしくたのむ!」

「先輩に頼まれたのに1人にするわけにはいかないからねー」

「任せた。」

「えええっ…」

「わーいっ」

こうして迷子捜索がスタートした。



______

藤内は小愛の手を引いてなるべく歩幅を小さくして歩いていた。


「さもーん!!三之助ぇー!」

「さもー!さんのしゅけぇえー!!」

「いないね」

「いないねぇー」

「外にでた形跡はないし出門表にサインもない…」

「とーないとーないっ!さもんとさんのすけまいご?」

「あいつらいつも迷子になるんだ。」

「あえーったいへんー」

「でしょ?僕らはまだいいけど作兵衛が一番大変かなぁ?」

「さくちゃ?」

小愛は首を傾げながら聞いた。

「うん。あのふたりと同じクラスだからね?」

「おなじくらすーっ」

「そう。同じクラス。俺と数馬と孫兵はちがうんだけど。まあ忙しくないときはこうやって一緒に探してるんだよ。」

「とーないも?」

「そうだよ。作兵衛だけじゃ大変だからね?」

そういうと小愛は目をキラキラさせた。

「こよりもまいごさがす!」

「えぇ!?ありがとう。気持ちだけもらっとくね?」

「あう…」

「いっぱい危険なとこがあるから…善法寺先輩におこられたらいやでしょ?」

「う…いや…」

「ふふっ…小愛ちゃんが大きくなったらまたてつだってね?」

「うんっ!」

そうして2人はまた迷子を探し始めた。




((「あーさもんとさんのすけみーつけた!!!」「あ?藤内と小愛」「こんなとこでなにやってるんだ?」「お前らがな…」))



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