雨の降る日だった。


藤内は庭で雨の中立って何かをしている少女を見つけた。

「あれ…。あの子誰だろう…。」

鼻歌混じりに、アジサイをみているようだった。

「数馬ー。あの子誰だろう。」

「ん?どの子……ってあああ!小愛ちゃん!」

数馬は藤内がいままでみたことのないようなスピードで小愛にかけより抱きかかえて、ダッシュでこっちへもどってきた。

「藤内!タオルタオル!!」

「あーっかずまだー」

「「あーっ」じゃないよ小愛ちゃん何してるの!」

「あう?でんでん虫さんみてたーっ」

「だからって雨の中傘もささずでていっちゃいけません!」

「あのー…数馬タオルもってきたんだけど…」

「あっ藤内ありがとう。」

「この子…一体だれ?」

藤内は訳がわからない。といったように数馬を見た。

「あぁ。この子は学園長先生がお話しされていた子だよ。」

「あ!この子が小愛ちゃん?」

「そうそう。その子!」

数馬は小愛の頭を拭きながらいった。

「へぷちっ」

「あーっ!もうくしゃみしてるじゃないか!」

「うー…っごめんなさい…かずまと…えーと…おにいちゃんたちだれ?」

「「お兄ちゃんたち?」」

数馬と藤内は顔をみあわせ首をかしげた。なぜならここには数馬と藤内しかいないはずだからだ。

「うんっ!おにいちゃんたち!」

小愛は戸のほうをゆびさしながらいった。

「「「「ぎくっ」」」」

そこには襖を少し開け覗いている他の3年の面々がいた。

「なに?覗き?みんな趣味わるいね…」

「大声がきこえたからなにかと思って来ただけだよ。」

「作兵衛がまた迷子になりそうだったけどな!」

「全く作兵衛は…」

「お前ら…!それは俺の台詞だ…!」

「う?さくべ?」

小愛は首をかしげながらいった。

「あぁ!こいつは作兵衛というんだ!」

「なあ作兵衛この子だれだ?」

「あれじゃねえのか?学園長先生がいってた…」

「あぁ…。善法寺先輩の拾ってきた子供のことか?」

4人はおもいだしたように話しはじめた。

「なるほど。だから数馬が小愛ちゃんのことしってたんだね」

「そうなんだ。僕も一生懸命看病したから。」

「竹谷先輩も小動物みたいってにやにやしてたなぁ…」

「食満先輩もいってたなぁ…」

「そういえば立花先輩も言ってたかなぁ…」

「私も聞いたぞ!」

「七松先輩がこんど持ってくる!っていってたなぁ…」

「持ってくる!?」

「なにそれ怖い!!!」

外はもう雨が上がっていた。






((「結局みんなしってるんじゃないか」「先輩の影響だよね…」))




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