「はっちゃん…らいぞ…さぶろ…かんちゃ…へーすけ!!!」
「わあっ小愛ちゃんすごい!」
「すぐ覚えちゃったねぇー」
5年生はみんなろ組長屋に集まり、自己紹介が始まった。
小愛は一人一人の名前をすぐ覚えた。
「私は認めないぞ…ううぅ…」
「なんなの…三郎お前…」
「だっておかしいじゃないか…!!!」
「おかしいってなんだよ?」
「大体…」
「大体?」
「自分の両親が死んだのにあんなに明るくいられるのか?」
三郎の問いに雷蔵と八左ヱ門は思わずい組と遊んでいる小愛の方をみた。
「小愛。豆腐は好きか?」
「とーふ?とーふはおいしい…」
「小愛わかってるじゃないか!!!!!」
「兵助うるさいんだけど。それ以上豆腐言うな。」
「勘ちゃんひどい!!!」
「確かに明るいけど…」
「なにかあるようには見えないぞ?」
雷蔵はなにか考えこんで迷いながら小愛のほうへ向かいしゃがみこみ小愛へ話しかけた。
「ねえ小愛ちゃん?」
「なぁにーらいぞー?」
「お母さんとかいなくて寂しくない?」
その時一瞬小愛の瞳が揺らいだがすぐに真っ直ぐ雷蔵の目をみて答えた。
「…さみしい」
「でもなんで小愛ちゃんはさみしいっていわないの?」
「いつも…おとうさんとおかあさんがいってたの。」
小愛はにこっと笑いながらいった。
「いつも?なんて?」
「えっとね。」
《小愛。》
《なぁに?おかあさんっ》
《小愛はいつも笑顔ね。》
《うん!いっつもたのしいもん!!!》
《そうか。それはとてもいいことだぞ?小愛。》
《ほんとう?えへへ…》
《いい?小愛。どんなに悲しことがあっても笑いなさい!そうすれば幸せは近づいてくるわ。》
《うん!!わかった!》
《父さんや母さんは小愛の笑顔が一番の宝物だからな。》
それを聞いた雷蔵、竹谷は三郎を振り返り冷たい目線をおくった。
「なっ!!私!!!???」
「三郎さいてー」
「疑うなんてさいてー」
「なっ…!はっ…はは!!!ちびっこを疑うなんて私らしくないからな…!!!!あはは!冗談に決まってるだろ!!!」
「正直にあやまりなよ…」
雷蔵はねぇ?と小愛の頭をなでた。
((「くっ…!!!!!だからといって雷蔵のなでなでをもらうなど!!!雷蔵私もなでて!!!!」「えっ…やだ…」))