小説 | ナノ


 暑い暑い暑い。暑いと言ったら余計暑くなると言えど、嘘でも「寒い」なんて言えない。しゃがみ込んだコンビニの前。地面がゆらゆらと揺れている。まるで自然サウナ。じっとしていたって汗が滲み出てくる。ウィーン、と自動ドアが開き、両手いっぱいに袋を提げたワカメくんが出てきた。


「ご苦労ワカメくん」
「誰がワカメくんだよ。おら、テメーも持て」


 差し出された袋を1つ、私は大人しく持った。するともう1つ何か渡された。


「なにこれ」
「見りゃわかんだろ」


 まあ、そうだけども。それはパピコだった。すでに片方は赤也がくわえている。優しさに甘えて一口食べた。口内に広がる粒々の氷と甘いカフェオレのハーモニー。この炎天下ではメシアに値する。


「最高〜!」
「感謝しろよな」
「たまには役に立つじゃん」
「なんなら俺のパピコもチューチューする?」


 笑顔で言ってきたので、私も笑顔で赤也のパピコを蹴り上げてやった。そんな馬鹿な放課後。



青い夏



買い出しデート
下ネタすいません
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