小説 | ナノ
（夜）
景吾「明後日から全国だ。どんな形であれ、行くなら勝つ。それだけだ」
鳳「そう、ですね」
宍戸「当たり前だな！」
芥川「頑張ろ〜」
向日「やれることやるだけだぜ！」
樺地「…ウス」
忍足「打倒青学、やな」
日吉「……次は勝つ」
なまえ「ってことで花火しよっか！」
忍足「…なまえちゃん、いまの雰囲気で言う？」
なまえ「だって合宿最後の日だし、パーっと花火して気分盛り上げて、万全の体制で全国行ったら勝てると思うよ！」
忍足「自分がしたいだけやろ？」
なまえ「うん！」
忍足「即答かい」
宍戸「てめ、ジロー振り回すな！危ないだろ！」
芥川「たのＣ〜！」
忍足「ってもうやっとるし…」
なまえ「ほら、忍足先輩もやりましょ！」
忍足「自分らと居てたらホンマ緊張せえへんわ〜…」
（みんなで花火）
なまえ「楽しすぎて涙出そう」
鳳「みんなでやると楽しいよね」
日吉「本当、呑気なもんだ」
なまえ「線香花火は、ちっちゃくてかわいいね」
鳳「子供のころ、火種が落ちるときすごく悲しかったのを覚えてる」
なまえ「儚いもんね…」
日吉「だが、儚いからこそ、そこに美がある」
なまえ「若が哲学者みたい」
日吉「事実を言ったまでだ」
なまえ「私たちも、線香花火みたいだよね。ちっちゃいかもしれないけど、ちゃんと光ってる」
鳳「うん、そうだね」
なまえ「…私、全国が終われば一度イギリスに戻ろうと思ってる」
鳳「え、そうなの？」
日吉「……」
なまえ「急いで日本に来たから、ちゃんとした手続きとかしてなくて」
鳳「そっかぁ」
なまえ「……私、忘れないよ。若や鳳くんや、先輩たちと過ごした毎日。あっという間に過ごしてきた。全国も、きっとあっという間に終わっちゃうんだろうけど、それまでよろしくね」
鳳「ん、もちろん」
日吉「…急な奴だな、最後まで」
なまえ「若は最後まで減らず口だよね」
鳳「はは、２人ともお互い様だよ」
なまえ「…全国、頑張ろうね。私、めっちゃ応援するから」
鳳「ありがとう」
なまえ「ほい、じゃあ手出して」
鳳「？ うん」
なまえ「ほら、若も！（グイッ）」
日吉「なんだよ」
（手をかさねて）
なまえ「打倒青学ー！」
鳳「おーっ！」
なまえ「……（ジロリ）」
日吉「…………おー」
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