小説 | ナノ


(朝練中)
鳳「あ、跡部さん」
景吾「あん?なんだ」
鳳「なまえちゃんが、マネージャーになりたいって言ってましたよ」
景吾「ほう、マネージャーに?」
鳳「なんでも、跡部さんを近くで支えたいからだそうです」
景吾「なん…だと…?」
鳳「(あれ、怒ってる?)」
景吾「あいつ、そうか…しかもそれを言えないでいたんだな。ふん、素直じゃない奴だ」
鳳「(あ、鼻血出てる)」

(休み時間)
鳳「ってことで言っといたよ、マネージャーの話」
日吉「おいお前ら、俺の机を挟んで喋るな」
なまえ「まだなるか考えてたのに…」
鳳「善は急げだよ。どうして悩むの?」
日吉「聞け。テスト勉強に集中できないだろう」
なまえ「だってお兄ちゃんがずっと一緒ってことでしょ?ちょっと面倒かなって…てか若、テストってなんぞや」
日吉「なんぞやってお前…次の音楽、歌のテストするって先生が言っていただろうが」
なまえ「あ、あの変な先生?」
鳳「大丈夫だよ。プライドの高い跡部さんのことだから、部員が見てるまえでみっともない真似しないと思うよ。それからなまえちゃん、その変な先生が顧問だからね」
なまえ「そうかなあ…ってまじですか。全然見えない。普通に吹奏楽の顧問とかかと思ってた」
日吉「あれから僕たちは何かを信じてこれたかなあ」
なまえ「えっ若急にどうしたの?キモイ」
日吉「(キモイ……)」
鳳「歌のテストの課題曲、だよ」
日吉「オイ鳳、何笑いをこらえてんだ」
鳳「だって日吉、音痴で…」
日吉「チッ。歌うのは苦手なんだよ」
なまえ「私、カラオケ行ってみたいな」
日吉「お前、俺の話聞いてたか」
なまえ「カラオケは歌が上手いから行くものじゃないでしょ?音痴だって気にしなくていいのよ、若」
日吉「良いこと言ったみたいな顔してるが全く励ましになってないからな。さりげなく音痴と言うな。逆に傷付く」
鳳「傷付いてたんだ」
なまえ「ごめんね若、なでなで」
日吉「子供か俺は」

(昼休み、食堂)
景吾「なまえ」
なまえ「くそ、先回りされておったか!」
日吉「誰だよ」
なまえ「わからない」
日吉「わからないのかよ。キャラまとめて出直して来い」
鳳「跡部さん、マネージャーの件で話があるんですよね?」
景吾「流石察しがいいな、鳳。なまえ、今日から放課後、テニスコートに来い。手続きは済ませてある」
なまえ「今日!?私、体操服もなにも持ってきてないよ」
景吾「それなら問題は無い。氷帝ジャージを模した特注のウェアを作らせている。放課後には届いているだろう」
なまえ「そうなの?じゃあいっか」
日吉「(やりすぎという言葉は無いのか、この兄妹には)」

(ということで放課後)
なまえ「えっと、部室はここかなあ(ガチャ)」
忍足「ん?」
なまえ「あ、こんにちは」
忍足「ああどうも…って反応薄いな。戸開けたら男子が上半身裸やねんで?きゃあくらい言い」
なまえ「きゃあ」
忍足「遅いわ」
日吉「忍足さん、またここで着替えですか」
忍足「男ばっかりのとこに居たないんや」
なまえ「あ、若」
忍足「知り合いなん?つうか日吉、このオモロイ子誰なん?」
日吉「今日からマネージャーになる奴で」
なまえ「跡部なまえです」
忍足「跡部って「跡部さんの妹です」日吉台詞被っとる。最後まで言わせてや」
日吉「その反応は鳳で見ました」
(ガチャ)
景吾「テメェ忍足!俺のなまえにきたねぇものを見せるな!さっさと服を着やがれ」
忍足「人を汚物扱いかいな。ちゅーか跡部キャラちゃうやん」
日吉「シスコンなんです」
忍足「えぇー…ファンが聞いたら絶望やな」
景吾「なまえ、これがウェアだ」
なまえ「はーい」
景吾「ここで着替えろ」
なまえ「…なにこれ」
景吾「簡単に言えば衣料店の試着室だな」
なまえ「そこじゃないわよ。私が言ってるのはカーテンの柄」
景吾「等身大の俺様だ」
なまえ「なに普通に答えてんの。嫌よ恥ずかしい!」
景吾「俺が見守っているから安心して着替えられるだろう」
なまえ「気になって仕方ないんですけど」

(渋々着替える)
なまえ「じゃーん」
忍足「お、短パンか」
なまえ「良かったズボンで」
景吾「何が良かったんだ?」
なまえ「ミニスカはあはあ作成かと思って」
景吾「馬鹿やろう、ミニスカなんて履いたら下着が見えるだろう!制服のスカートでさえ本当は履かせたくねぇ程だ。絶対そんなことさせねぇ、誰にも見せねぇ。俺だって見たことがないのに」
忍足「今までの跡部と同一人物と思えん…」


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