小説 | ナノ


(なまえが転校してきて数日経ったある日の昼休み、食堂にて)
鳳「あれ、またラーメン?」
なまえ「うん、ハマっちゃった。いただきまーす」
日吉「あえて指摘しなかったんだが、ラーメンはフォークで絡めとって食べるものではないんだぞ」
なまえ「えっ…」
日吉「やっぱり素でやってたのか。パスタじゃないんだぞ。箸で啜って食うんだよ」
なまえ「お行儀悪いよ」
鳳「なまえちゃんってさ、跡部さんほどセレブ感を全面に出してないよね。跡部さんは世界が違いすぎるけど、なまえちゃんは気飾らないというか」
なまえ「だって、人間の価値を決めるのは資産の量では無いもの。…こう?(ズズズ)」
日吉「ちょっとぎこちないがその調子で啜り慣れろ。…でも、やっぱ世間知らずなところは跡部さんと共通してるよな」
なまえ「それは自分じゃどうしようもないわ。イギリスで生活をしていたから、日本の常識とはまた違う価値観を持っているし」
日吉「そのわりには日本語ペラペラだよな」
なまえ「2カ国語くらいなら私でも使いこなせるわよ。幼いときからどちらも勉強してたの」
鳳「どうしていま、日本に帰国しようと思ったの?」
なまえ「……」
日吉「ん?言えない理由なのか」
なまえ「…お兄ちゃんが、全国大会に出るって言うから。その、近くで応援したいな、って」
日吉「ほう」
鳳「なんだかんだで、両思いだよね、跡部さんとなまえちゃん」
なまえ「鳳くんその表現は非常に誤解を生むから止めよう」
日吉「でも兄貴と同じ中学に通うのは、気が引けなかったか?ましてや兄貴があの跡部さんとなれば、並大抵の覚悟が無ければ無理だろう」
なまえ「うん。私最初、青学に行こうと思ってた」
日吉「青学か…」
鳳「どうして?」
なまえ「格好いい人が居たから」
日吉「不純な動機だな」
なまえ「ズズズ…いいじゃない、ズズズ」
鳳「でもよく青学のこと知ってたんだね」
なまえ「それは、初めて日本に来てお兄ちゃんの試合を応援しに行ったのが青学との試合だったから」
日吉「それって…まさか都大会か」
なまえ「そうだったと思う」
日吉「………」
鳳「ドンマイ」
日吉「煩い」
なまえ「?」
日吉「気にするな」
なまえ「気になるよ」
日吉「で、格好いい奴って誰なんだ」
なまえ「気にするな」
鳳「うまく返すね」
なまえ「それほどでも〜」
日吉「そろそろ昼休み終わるな」
なまえ「うそっ!(ズズズズズズ)」


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