小説 | ナノ
若葉が日差しに照りつけられ眩しい初夏の候、跡部ッキンガムもとい跡部邸宅に一通のエアメールが届いた。
これは青春を駆け抜ける元気娘と、その娘の少し変わった兄+αをえがいた物語…。
パラダイス
「絶対許さねェ!」
「なんでよ!」
「俺はお前が『俺と居たい』と言うから帰国を許したんだ。青学になんざ絶対行かせねェからな」
「はあ?私がいつお兄ちゃんと居たいなんて言ったのよ!ちゃんと手紙見たの!?」
「見たに決まってんだろ!これだ!」
(バーン)
「ちょ、なに手紙を額縁に入れてんの!」
「大事だからだ!お前からの手紙は貴重だからな!」
(兄から額を奪い取る)
イギリスのご飯はいやだから日本に行きます
あと氷帝には絶ッ対行かないから
「これのどこにお兄ちゃんと居たいなんて書いてんだー!どういう目してんの!馬鹿なの!」
「日本に行きたい=日本の家に帰りたい=俺と居たい、だろう」
「自信満々に言うなー!」
「あぁっ、手紙を投げるな!」
「(少しはマシになってると思ってたのに…)」
「青学は認めねェ。俺の目の届く場所、つまり氷帝以外は絶対許さねェからな!」
そう、跡部景吾は生粋のシスコンなのでした。
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