小説 | ナノ


なまえ「ん……」
香山「あ、先輩が起きた…」
横谷「あぁっ、なまえ?わかる?あすみやで!」
なまえ「よこたん…?」
夏川「全く、倒れるまで無理をする奴があるか」
篠森「大丈夫?あ、動かないで。安静にしてなきゃ」
なまえ「私…どうしちゃったんですか?あ、試合、っ」
日吉「動くなと言っているだろ」
なまえ「わ、若」
横谷「大丈夫、応援なら任せとき」
香山「先輩の分まで、がんばるよ…」
夏川「そういうことだ。日吉、あとは任せる」
日吉「はい」
篠森「本当はね、一番心配してたの、涼子なのよ」
なまえ「え…」
夏川「……何をコソコソ、話をしているの?」
篠森「ふふ、なんでもないでーす。それじゃ日吉くん、あとがんばってね」
日吉「頑張る?」
篠森「こういうときこそ、支えてあげなきゃ。ね?」
日吉「はあ…」

(そして2人っきり)
なまえ「…若」
日吉「なんだ?」
なまえ「試合、戻らなくていいの?」
日吉「俺は跡部さんからお前を任された。だからここにいる」
なまえ「あ、ありがとう」
日吉「礼ならさっきのマネージャーたちに言うべきだ。お前の不調を聞きつけて、応援を中断して医務室でずっとお前が目覚めるのを待っていたからな」
なまえ「そうなんだ…なんか申し訳ないことしちゃったな」
日吉「随分と弱腰だな」
なまえ「む。私だって悪いことしてしまったら落ち込むわよ」
日吉「じゃあ、もう無理をするな」
なまえ「え?」
日吉「無理をしたらまた迷惑をかける。1人でできないことは、誰かを頼れ。そのための迷惑なら、引き受ける」
なまえ「な、なんか…」
日吉「なんだよ」
なまえ「随分とキザだね」
日吉「なっ…!俺はお前のためにだな、」
なまえ「うん、わかってる。ふへへ、ありがとう」
日吉「……だらしない笑顔だな」
なまえ「じゃあさっそく、若を頼らせてもらおうかな」
日吉「いきなりか」
なまえ「私を、コートに連れていって」
日吉「それは、だめだな」
なまえ「えー!言ってること矛盾してる!」
日吉「また倒れられると困る」
なまえ「でも、私、お兄ちゃんの試合応援したい!」
日吉「……」
なまえ「行かなきゃ、一生の後悔になる」
日吉「……」
なまえ「お願い」
日吉「……ハァ、わかったよ」
なまえ「やった!!ありがとう若っ!」
日吉「!? 抱きつくな!」
なまえ「若ならそう言ってくれりゅとおもっら」
日吉「あまりはしゃぐな。仮にも熱出てる身なんだぞ。後半舌回ってないし」
なまえ「うん、安静にだね」
日吉「(元々こいつは今日の日のために日本に来て、部活にも入ったわけだ。俺が居ようが居まいが関係などない。当たり前だ。…この感情はなんだ?下らない自惚れか?)」
なまえ「若?どしたの?眉間にシワよってる」
日吉「……いや、なんでもない。行くぞ。跡部さんの試合もすでに始まっている頃だ」
なまえ「うん!」

(ガチャ)
景吾「なまえ、どこ行くんだ?」
なまえ「えぇっ、お兄ちゃん!?」


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