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―――ついにオレはやった!



幼なじみでお節介でオレのことを弟のようにしか見てくれない彼女が今、壁を背にオレの前にいる。

町の路地を少し入ったところ、人通りは無きに等しい。万が一、誰かが来たとしても馬に蹴られないために回れ右をせざるえない雰囲気を醸し出す二人。


『アイリーン』


オレは彼女を挟み込むように片手を壁に付け、彼女の耳元でそう呟いた。


彼女はピクンと身体を反応させたが、いつものように腕力で拒むようなことはなく、ただ俯いて顔を微かに赤くしている。


彼女はとある人物の計らいでいつもの青い鎧ではなく、そしていつもの青い鎧のような色をしたワンピースに身を包む。


いつもと違う服装に新鮮さを覚えつつ、逆に彼女は居心地悪そうにしている。


そんな彼女を可愛く思いながら、オレはまた一歩前進する決意をする。


『アイリーン……』


オレの熱帯びた声に彼女はこちらの意を汲み取ったようで緊張した面持ちで目を瞑り、覚悟したかのように身じろぎもせず、オレのことを受け入れる。


いつのまにか抜かした彼女の背丈。


少し屈むようにして彼女の唇に―――――。

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