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パシャッ!!!



「スクープでゴブ!
狂暴女がその金魚の糞との熱愛発覚でゴブ!!!」


フラッシュが光り、そんな声が聞こえる。



ゴブゴブ団の団長であるガントがマイクを持って「馴れ初めは何だゴブ?」「プロポーズはどちらからゴブ?」「初めてのキスの味はどうだったゴブか?」と畳み掛けるように質問をしてくる。


その後ろではマルーンが一生懸命メモを取ろうと頑張っている。


オルナットは馬鹿の一つ覚えのようにカメラのフラッシュを止めようとしない。


彼女の唇まであと3cm。



………彼女は恥ずかしさのあまり、もう腕の中にはいない。



(あと、もう少し……!!)



壁に付いた手が壁を砕く。
彼女に追い付くために手に入れた力。


「狂暴女が逃げたゴブ?! 追い掛けるでゴブよ!!」



『――――てめぇら、』



先程、熱っぽく彼女の名前を呼んでいたときの声とは思えない、地の底からドスの聞いた声。



『ブチ殺す!!!!!!!!』









「もう! 相変わらず寝相が悪いんだから!!
いい加減起きなさい!!!」



さっきまで頬を赤くしていた彼女がいつもの青い鎧で、いつもの顔つきで、いつもの口調で・・・・少し変なのは逆さまに映っていることくらいだけど、頭だけをベッドから落としているのでそれは仕方ない。


「ほら! 顔を洗ってちゃんとして。先に下に行っとくわね」


相変わらずの腕力でオレを軽く(少し粗暴に)起こし、顔拭き用の布を手渡しオレを洗面所に押し込む。


寝呆け眼なオレは彼女にされるがままで、まだ意識がハッキリとしない。


「早く用意しなさいよ!


――――今日こそはゴブゴブ団をとっ捕まえてやるんだからっ」


階段の下から聞こえる彼女の声に―――――歯ブラシ用のコップを握り潰す。


(ぜってー、ツブスっ!!!)


手から流れ落ちる血潮を見ながら、夢の中で果たせなかったことを誓いを立てるのであった。


Fin.


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