そして、三か月ーーー 数々の依頼をこなし、勇敢さのソウルに磨きをかけたアルシャインは、着実に成長していった。 「おじさん、これ、依頼のものだよ」 「おお、アルシャインじゃないか。どれどれ?……確かに依頼のものだ。お疲れさん。これが報酬だ」 ギルドに依頼の品を渡しにいったアルシャインを、入り口でセラが待っていた。 「あ、セラ」 「報酬は受け取ったか」 「うん」 そういって、アルシャインは軽くギア袋を持ち上げてみせる。 「いくつか依頼をこなして、お前も大分力がついてきたようだな。そろそろルーンファイターのソウルが宿せるはずだ」 「ルーンファイター?」 アルシャインは探求のソウル以外には無知であったため、おうむ返しに尋ねた。 「ルーンファイターとは、勇敢さと探求の両方のソウルを鍛えたものが宿すことのできる魔法剣士のソウルだ。武器に魔力をのせた攻撃が可能となる。今のお前にはふさわしいソウルだろう」 「やってみろ」とセラが促す。 アルシャインは天のシスティーナに祈った。すると、アルシャインの心に一筋の光が降りてきて、新たなソウルの形をとった。 「これが…………ルーンファイターのソウル…………」 体中に満ちてくる新しい力に、アルシャインはしばし感慨に耽り、パッと顔を上げて、セラに感謝した。 「ありがとう、セラ!これで僕はもう、足手まといじゃないよね!」 「馬鹿者!調子に乗るな!お前なぞ、まだまだだ!」 いつものようにセラは恫喝し、月光のさやで頭をしばく。 「ふむ………しかしまあ、お前も強くなった。では次のステップに進むとするか……」 「次のステップ?セラが今宿しているソウル?」 するとセラは真剣な顔をして、アルシャインに向き合った。 「セ○シーコマ○ドーだ!!」 「まだあきらめてなかったのーーーー!!??」 「あきらめるだと?次に貴様に必要なのはこの戦術だというのだ!!まずは走り込みだ!ゆくぞ!!」 「いやだーーーーー!!!」 夕暮れの巨大な太陽に吸い込まれるように、二人は走り出した。 END. [*前] | [次#] 戻る |