「いいんだ…ナッジ…大丈夫だから」

ナッジのサプキュアで動くようになった体を起こし、健気にサラマンダーに立ち向かうアルシャインを見て、ナッジとルルアンタは、ため息をついた。

「頑張るね……アルシャイン」

「でも、元気になってくれて、ルルアンタ、嬉しいな」

「……そうだね……やっと、元気になってくれたよね」

二人はほんの数日前までの、アルシャインの憔悴ぶりに心を痛めていた。
目はうつろ、食事は取らず、何を聞いても生返事……ほとんど半死人だった彼が、特に理由も語らず、剣の稽古を始めた。それから彼の瞳には生命力が宿った。

「やった、サラマンダー、倒した、ぞーーーー!!」

息を切らして、アルシャインが雄叫びをあげた。

「馬鹿者!ほとんど俺のダメージだっただろう!まだまだだ!」

そこをセラにたしなめられ、月光の峰で頭を小突かれる。
笑う一同。
アルシャインの笑顔に、いつしか曇りは無くなっていた。

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