「ならば話は早い…」 「嫌です!」 喜び勇むセラを、アルシャインは即拒否した。 「何故だ」 「僕はもっと普通に強くなりたいんです!」 「大体今は別の連載がされているのに、今さらセ○シーコマ○ドーなんて……セラは普通に強いんだから、普通の剣術を教えて下さい!」 予想だにしなかったアルシャインの拒絶に、セラの顔が曇った。 こう見えて、セラは『Kind』が8もある。 この提案は、彼なりの親切心だった。 「………わかった……ならば普通の剣術を教えるぞ。本当にいいんだな!?」 「おねがいします!」 その時、セラの目尻に光るものがあったことを、アルシャインは知る由もなかった。 * こうして二人の厳しい剣術の修行が始まった。 休憩中はもちろんだが、実際の戦闘でも、セラはアルシャインが魔法を使うことを禁じた。 これは、弱い魔物が寄り付かず、そこそこ強い魔物たちが襲ってくるようになった今の彼等にとっては厳しい戦闘となった。 アルシャインの筋力は並の町民に毛が生えたほどしかない。 ある日のサラマンダー討伐の依頼のこと。 「お前が問題のサラマンダーだな?!」 威勢よくサラマンダーに斬り掛かるアルシャイン。しかし。 24のダメージ!! 彼の剣はその硬いウロコに弾かれて、コイ〜〜ンと軽い音をたてて跳ね返される。 サラマンダーは小さな切り傷をぽりぽり掻くと、容赦なく炎のアゴで反撃した。 「馬鹿者ーーーーーーーー!!!!」 そこに、セラのゲイルラッシュの衝撃波が、アルシャイン諸共斬りかかった!! アルシャインはダメージの板挟みだ。 「そんな攻撃があるか!!真面目にやれ!!」 ゲイルラッシュの二撃目で、サラマンダーに致命傷を与えるセラ。 ナッジは見るに見兼ねて、アルシャインを介抱する。 「何もアルシャインごと斬らなくたって……」 [*前] | [次#] 戻る |