……ザバァ…………!!


水面に浮かび上がる魚影………

…………それは………………


「どうした、君たち?」
「あん……ったねぇ!!紛らわしい頭しないでよ!!」

鮫かと思われた魚影は、頭の形を鮫のヒレのように変型させた帝国宰相ベルゼーヴァ・ベルラインであった。

「心外だな。この形が一番水泳に適しているのだ。君たちも、水泳時はこのように髪を纏めてみればいい」
「あんた以外無理だわよ!」

鋭く突っ込むカルラ。
一同はカルラがいてよかったと心の底から彼女に感謝した。
突っ込みたくても彼には突っ込めない雰囲気があるからだ。

「あんたのせいであたし達鮫が来たと思って焦ったんだから!」
「それは失礼した。ならば、戻そう」

そう言うと、ベルゼーヴァの髪がわさわさとうごめきだし、シャキーンと元のトンガリ頭に戻った。水に濡れた髪は太陽光を受けて、天辺でキラリと光った。

「………あ!アイリーン!」

すっかりベルゼーヴァに唖然とさせられて忘れてしまったが、アイリーンが意識を失って危険な状態である。
一同は岸辺へと急いだ。

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