「う〜〜み〜〜だ〜〜!!」

普段から露出の高いカルラは、あまり普段と変化がないような青いビキニで波打ち際に駆けていった。
やはりここでもカルラは素早い。

「か、カルラ様、待って!!」
彼女よりは幾分露出は減るが、アイリーンの明るい青い水着もなかなか負けてはいない。

そこへワンピースタイプのヒラヒラしたスカートが可愛いピンクの水着を着たルルアンタと、巫女服と同じ薄い草色のお揃いの水着を着たエアが波打ち際の彼女達の元へ駆けていった。

「わ〜い!海!海!ルルアンタも早速泳ごうっと☆」
「準備運動は念入りにするんじゃぞ♪」

一方砂浜では、麻で編まれたシートを敷いて、男性陣が休憩所や飲み物や食べ物の用意を進めていた。

「皆さん、まだ泳がないんですか?」
一応水着に着替えては来たものの、せっせと準備する大人達を放っておくわけには行かず、アルシャインは麻のシートを敷くアンギルダンとデルガドを手伝った。

「なあに、儂らはこうやって砂浜から女神達を拝みながら、一杯やるので十分じゃい」
「ははは、儂ももう、アキュリュース以来泳ぎはたくさんじゃ。のう、デルガド爺さんよ」

そこへ麻のシートの束を担いだイオンズも現れ、
「ここはわしらに任せて、泳いでくるといい」
と言ったので、アルシャインは言葉に甘えて、砂浜の若者達の元へと行こうとした。

すると、目の端に砂浜に座り込んで海を眺める、親友二人の姿を見つけた。ナッジとヴァンだ。

「どうしたんだよ、二人とも?泳がないの?」

二人の元へ歩み寄ると、ナッジの様子がどうもおかしい。心ここにあらずといった、恍惚とした表情で海を見つめている。

「……………癒された」

ぽつりと、ナッジが呟いた。

「……は?」
「なんだ、アルシャインは気付かなかったのか?こいつ、幼女が趣味なんだぜ?」

平然と衝撃的な真実を話すヴァン。
なるほど。年齢の割にナッジが落ち着いていたのは、その特異な性癖故だったのか。
ナッジのその目はルルアンタとエアの水着姿に釘付けだったのだ。

「あ、多分こいつ暫くここ動けねーから、アルシャインは先に泳いでいっていーぜ?俺、こいつといるから」

「………わかった……;」

ここでも仲間に追い返され、女だらけの波打ち際へ、アルシャインは気まずい思いで駆けていった。

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