03


星「近ぇよ、離れろ離れろ!ニノ以外奴に近寄る権利はねぇんだよ!」




ふいに近付いてきたフタバに驚いた星は思わず手でしっしっ!と払いのけた




『何だよ、別にアンタに近付いたんじゃありませんー、キノコに近付いたんですー』




少し怒ったように離れたフタバは吐き捨てるように"それ毒キノコだから"と呟けば立ち上がりすたすたと歩き出した




星「あ、ちょっ、お前どこ行くんだよ」




『P子のとこ。この時期は居るでしょ?』




歩き出すフタバを追うようにして駆け寄った星は隣を歩きながら伸びをした




『‥ニノ以外奴に近寄る権利はないんじゃなかったの?』




そっぽを向いたままのフタバはわざと離れるように歩いた




星「何だよお前、いじけてんのか?」




意地悪く笑う星を軽く睨み付け、P子の野菜畑に入った。‥が、いきなりツルンと滑ったかと思うと連続バナナの皮トラップに引っかかり壁に正面から激突した




『ぶっ!!』




星「ぶははははっ!!ダッセー!ダッセー!」




フタバは赤くなった額をおさえながらへなへなと立ち上がると爆笑している星を一発殴ろうと覚束無い足取りで近寄った




『て、めぇ‥っ!覚悟、しろ‥ぉ‥』




ふらふらと近寄るも頭を強く打ったのか突き出した拳は空振りしバランスを崩し倒れそうなところを星が抱き留めた




星「おっ‥と、」




『‥‥っ!』




星「けっ、ニノ以外を抱きかかえるなんて思ってもなかったぜ」




皮肉に言う星の声とほのかに香る煙草のニオイを感じながらフタバは意識を手放した























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