02

あたかも忍者のような華麗な身のこなしで上から降りてきたフタバを見た住人は笑顔を浮かべ駆け寄った。‥一人を除いて



ニ「フタバ!よく戻ってきたな!」


シ「今回は何処まで行ってきたんだ、長かったじゃないか」



『いやー、それがどこ歩いたか覚えてなくてさ。つい最近まで違う河川敷を此処だと勘違いして住んでたみたいなんだ』



リ「本当に抜けてる感じがするな‥、あ、初めましてフタバさん!ニノさんの恋人のリクルートです」



『ニノに恋人!?へぇ‥。あ、宜しくねリク。‥と言うことは‥、星は失恋したと』



フタバはみんなの輪から外れ、外で煙草を吹かしている星を見、にやぁ、と笑みを浮かべた



星「っせーな!俺の辞書に諦めるなんて言葉はねーんだよ!チッ、一生勘違いして違う河川敷に住み着いてりゃ良かったのによォ」



『あ?もう一度言ってみろや食用ヒトデ。ヒレもぎ取ってジャガイモにしてやろうか?あ゛?』



火花を飛ばし始めた二人を住人はやれやれと苦笑いを浮かべ、リクは何も分からないらしく額に汗を浮かべていた



リ「に、ニノさん。あれは一体‥」



ニ「ああ、アイツらはああ見えて実は仲がいいんだ」



シ「昔から顔を合わせる度やり合っているからな」



リ「へぇ、外見に合わず結構辛辣な物言いですね、フタバさん」



リクは子供のような言い合いをしている二人を苦笑いで見詰めれば関わらないようにしようと心に決め、住人と共にその場を離れた













『…ふぅ、』



星「お前のせいで俺の貴重な時間を費やしちまったじゃねえか」



『それはこっちの台詞、帰ってきて早々アンタの相手しなきゃなんないなんて思ってもいなかったわ』



言い合いを中断した二人は周りに居たはずの住人が姿を消していることに気付くと同時に溜め息を吐いた



『…お腹空いたなぁ、シスターに何か作って貰おうっと』



星「シスターならマリアのところに行くらしいから帰ってくるか分からねぇぞ」



『えぇー‥』



明らかに不機嫌そうに溜め息を吐くとその場にしゃがみ込み足元に生えていた草を観察し始めた



星「何してんだよ?」



『食べれる草、探してんの』



星「お前何時代の人間だよ‥ったく、」



星はぶつくさ言いながらもフタバの隣に座り込むとその辺に生えていたキノコを差し出した



星「ほらよ、」



『ん?‥なーんだ、ちょっとは優しいとこあるじゃん』



フタバは微笑みを零せば星の持っているキノコに近付きじーっと観察する



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