「あめ、ふっちゃったね。」


はぁとため息をついたつなは、とてもつまらなそうに空をみあげた。


「あれ?雨が降ったら織姫と彦星は会えないんだっけ?」
「さぁ?知んねーけどたぶんそーじゃね?」


知らないんじゃん、なんて言うつなのツッコミは置いといて
オレもつなの隣に座って空を見上げた。
あーあ。すんげー降ってやんの。
まぁ残念ながら今日じゃなくても天の川は見れるんだけどな。


「やまもとめ」
「何がだよ」
「ほら、雨の守護者だから」
「え、言い掛かりだろー」


いつからか、つなはこんな冗談を言うようになった。
前までは、オレとか獄寺に嫌われないようにかどっかしらおどおどしていたつなが。
これはものすごく嬉しいことで、
やわっこく笑うつながすきすぎてすきすぎて、いつの間にか抱きしめていた。


「やまもとー?」
「んー?」
「どうしたの?」
「うん」
「うんじゃなくて」


しっかりと背中に腕をまわすつながいとおしくて、


「織姫と彦星じゃなくて良かったなー、て」
「え、俺が織姫?」
「うん」
「やだよ毎日はたおるの」



そこかよ、なんて思ったけど、ちらりと顔をのぞけばなんだかうれしそうなつなの顔。
それがとびきりかわいくて、気づけばその顔にちゅ、ちゅと口唇をおとしていっていた。


「んー、」
「つな」
「ん?」
「うん」
「だから、うんて何だよ」


くすぐったそうに身をよじるつなを逃がさないと腕に力をこめた。

もし、もしもオレとつなが、一年にいっかいしか会えなかったらいやだ。
ぜってーたえらんないし、ぜってーやっと会ったその日につなを連れだしてどっか、誰もしらないところに逃げる。(つーか彦星だってそんくらいのことすりゃいいのに)



「オレ、彦星じゃないからな。」
「え、やまもとが織姫?」


ちがう、って否定しようかと思ったけど、まぁうん。
しびれをきらした織姫が彦星つれてカケオチ、なんてのもありじゃねーの?なんて。

さ、て。いつ七夕の話に続きが追加されるのか、いまから楽しみだ。


(とりあえず、今は目の前のつなをかわいがるのでせーいっぱいだけど)

------



七夕小説でした!



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -