さむいなぁもー、と文句をこぼしたつなはなんだか嬉しそうだった。



*どうかどうか



2008年が終わる20分くらい前。
オレん家のコタツでうとうととしていたツナをわりとむりやり起こして、近くの神社へ向かうことにした。

さすが冬というだけあって、外は寒い。
オレもツナもたくさん着込んだものの、冬の風は容赦なかった。


「さむい」
「うん」
「初詣なんて日がのぼってからで良かったじゃんか」
「えー」


年が変わったすぐあとに神社行ったほうが初詣って感じじゃん?となだめるように言ったら、ただ寒いだけだよ。とツナは文句をこぼした。



ツナの事が、好きだった。
友情だったそれはいつの間にかレンアイと言うものに変わっていて。
おさえきれずにある日の放課後、唐突に告白した。

急だったもんだからやっぱりびっくりされて(当たり前だ)(ずっと一緒にいた友達から、)(そんな、)(『好きだ』、なんて)

もちろんフラれるつもりでの告白だった。
つなにごめんねって言われて、オレが友達のまんまでいてくれるか?って言って(そうしてツナは当たり前だよって、ふにゃっと笑って)、



その予定だったんだ。

(そんで今までどーり)


その予定、だったのに。





「や、やまもと、…も?山本も俺の事、好きな の?」


俺も山本のこと、好きなんだ、けど。なんて。は?何言ってんのつな。違うだろ、ここでつながごめんってそんでオレが笑ってこれからも友達なって言って、そんで、そんで、は?え、…は?



つなも、おれのこと?


すきっていった?





「───もと?」
「え、あぁわりー。何?」
「いや、急に黙るから」
「んー、今年を振り返ってたのなー」
「えー?そんな振り返るほどの1年だった?」


あ、つなヒデェのな。
オレとのことは何でもねえって?

ちょっとムカついたからつなの手袋を取り上げた。
寒いじゃんか返せよ!と手をのばしてくるけれど、オレはそれを阻止して。
オレのほうが身長高いんだぜ?そんなジャンプしたってツナにはとれねえよ。

かえせかえせとのばす手を、オレは捕まえて。



「ちょ、と。やまもと」
「誰もいないから。ちょっとだけ」
「……もー」



そう言いながらも握り返して
さむいなぁもー、と文句をこぼしたつなはなんだか嬉しそうだった(オレの自惚れ?)



耳をすませば1年の終わりを告げる鐘の音


「あ、年明けた。」


1秒でもそこを越えればそれは1年の始まりを告げるものになって



「あけましておめでとう」
「おめでとー」
「今年もよろしくな?」
「うん。」


冷えきったつなの手がだんだん可哀想になって手袋を返すと、
つなはいそいそと手袋をはめた。

あーあ、もーちょい繋いでたかったのになー。


「!」
「……。」
「つな?」
「人いないから、もーちょっと」


手袋をはさんで手を繋いで、
つなはちいさく来年も夜に行こっかと言った。

それは1年後も一緒、てゆー約束で。



(あぁ、やっぱ好きだなぁ)(だいすきだ)




今年のお参りのお願い、きーめた。



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どうかどうかこの手が



あけましておめでとうございます!!
遅くなってしまってすいません…!
今年もまったり更新していきますのでよろしくお願いします(^^)
それではどうか、今年が皆さまにとって素敵な1年になりますように(^^)

ハイオク




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