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「こんにちは」

「こんにちは、どうされました?」

「シリウス・ブラックはいらっしゃるかしら?」


にこりと美しく微笑む綺麗な赤毛の女性が言った言葉に呆れ返った。またか。


「少し、御待ちください」


女性はリリー・ポッターというらしい。どうせダイアゴン横丁あたりで先輩が引っ掛けてきたのか、はたまたあの女性が勘違いしてるのか。よくあることだし。


「先輩、お客様ですよ」

「ん、誰?」

「女性です、赤毛で綺麗な」

「……名前は?」

「リリー・ポッターさん」

「リリーか、通してくれ」


なんでそんな反応するの!?今までは大抵"知らないな、帰してくれ"だったのに!頭が回る、あの女性は誰?もしかして…彼女!?そうだったらどうしよう、あたし、そんなのやだよ!


「どうぞ」

「あら、ありがとう」


余所いきの笑顔を貼り付けて紅茶を差し出す。綺麗、すごく綺麗な女性。それに、先輩と同い年っぽい。それにスタイル抜群。先輩によく似合う女性。あたしなんか先輩と7つも違うし、子供だし、胸だってお尻だって大きくない。本当にあたしって子供なんだなあ。……悲しい。現実を突き付けられた気分だよ。ちらりと陰から覗くと、リリーさんが先輩に何かを囁いた。すると先輩が途端に顔を真っ赤にする。え、何今の表情?見たことないよ。今度は先輩が顔を真っ赤にしながらリリーさんに反論したらしい、リリーさんが杖を取り出した。するとすごい勢いで謝っている。見たことない、誰?あの人。あたしが知ってる先輩じゃない。

むかつくよりも虚しくなってくる。視界が潤む。頭がぐるぐるする。あたしなんかが先輩を好きだなんておこがましいよね、先輩にはリリーさんみたいなもっと綺麗な大人の女性が似合うのに。





大人になりたい
(子供なんかやだよ)