無題
2012/05/04 21:21
うーんうーんとうなされている立向居くんを見て具合が悪いのかしらと思い話しかけると彼はそんなことはないよ、と顔をしかめながら言った。また考え事か、彼はよく考え事に夢中になってしまうときがある。
「ちょっと今日は泊まらせてくれないかな」
「うん、いいけど・・・」
彼は私の家にいても特別なにもせずにただソファに座ってうんうんと唸りながら考え事ばかりをしていた。別に気にしないけどご飯も食べないで考え事をするのは体に毒だから少し心配しちゃう。
お風呂から上がっても立向居くんはただ考え事をしていた。一体、何を考えてるの、と聞いても彼は曖昧に言葉を濁すだけ。
(私の事もそれだけ想ってほしいよ)
私はは下唇に少し痕がつくくらい強く噛み締めた。でもその痕なんか立向居くんは気付いてくれないんだろうなぁ。私は立向居くんをじっと見つめて思った。
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