神も君には勝てません(三船長)



明日から始まる新生活、初めて離れる親元。ずっと一緒にいた友達は明日にはもう隣にいない。合格が決まったときはあんなに嬉しかったのにな。卒業式にみんなで撮った集合写真を見たら余計に色々込み上げてきた。夜は気持ちが弱くなるから駄目だな。あぁ…友達できるかな、ちゃんと自炊できるかな、黒くてかさかさ動くあれがでたらどうしよう、合コンとかみんな行くのかな、いやそれよりも着る服が…!


ピンポーン


「ごめんお母さん手が放せないからあんた出て!」
「え〜!?…あぁもう!」

今パジャマなんだけどな私。…それにしてもこんな時間に誰だろう。新聞屋さんかな?とにかく誰であろうと寒い夜に外で待たせるのは申し訳ないから二階からバタバタかけ降りた。


「すみません待たせちゃって…って、どしたのあんたら?」


急いで門の所へ行ったら見慣れた赤青黄。


「どしたのあんたら?じゃねーよ!お前おれたちに黙って行くつもりだったんだろ!」
「あ、あー…」
「明日の朝一で行くってボニーから今日聞いたぞ!」
「あのおしゃべり…!」
「…で、なんでおれらに黙ってたんだよ。」
「なんでって…」


当たり前のように4人一緒の所に行くつもりなあんたらに違うところ目指してるんだ、なんて言えるわけないじゃん。推薦でいいとこにほいほい行けるあんたらと違って私はいたって普通な女の子なんだよバカ!いやバカだから違うとこに行くんだけどね私。


「ククッ…やっぱお前バカだな。」
「な…!」
「おれらは別にお前が違うとこへ通おうが何も変わらねーよ。」
「ししっ、おめーみかけによらずバカだから小せぇことばっか気にしすぎなんだよ。」
「ルフィもバカでしょ。」
「どっちも変わらねーよ。」
「違いない。」
「ぶはっ、キラーかって!」



それからやんややんや騒いでお腹よじれるほど爆笑した。さっきまでのブルーな気分は気づいたらどこかに吹きとんでた。やっぱり私はバカだった。



「違う星に行くわけでもねーんだからなんかあったら飛んでってやるよ。」
「キモいぞユースタス屋。」
「あ゙?」
「確かに今のは寒イボ立った!」
「てめっ!」
「あはは、嘘だよごめんごめん!」
「まぁ無理はするなよ。お前バカだから、じゃーな。」
「あ、待てよロー!…元気なくなったら肉食えよ!」
「ならあっちでも頑張れよ。そんじゃーな。」



うるさいしバカだしおせっかいやきだけど…



神も君には勝てません



君…というか君らにはたぶんだれも敵わないね。







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