一学期中間テスト
「宮地、おめでとう。学年2位だ」
 おおーっとクラスが湧いて、すぐに拍手が起こる。2位。新入生代表として入ってきた身としてはそこは気持ち良く首位の座を頂きたかったところだが、まあ高校生活最初のテストの結果としてはそこそこ幸先がいいんじゃないだろうか。教師受けする笑顔を浮かべながら個票を受け取って、ありがとうございますと礼を言う。一緒にバスケ部に入ったクラスメイトの木村が、個票を覗き込んですげえなおまえ! と叫びながら背中をバシバシ叩いてきた。いてえよ。
「次は1位狙えよ」
「いやー、ここまで来たら取りたいっすね」
「1位とかまじかよ宮地、やばくね?」
「は、余裕だろ」
 それなりの対策でここまで取れたんだから、必死にやれば……いや、ぶっちゃけそこまでやらなくても、授業内容をちゃんと全部理解できれば点数はまだ上がる余地はあると思う。今回はわからなかったところがあったし、それが何処かも自覚している。勉強不足だったのは目に見えていた。
「自分のクラスから優秀な生徒が出るのは先生も嬉しいよ! 期待してるぞ、宮地」
「ありがとうございます」
 次の目標は学年1位だな。調子付いた俺は、上機嫌に自分の中でそう目標を立てて、そのときはそれで満足していた。
 それがあまりに甘い考えだったなんて、まだ知る由もない。

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