「ちょっと、いきなり呼び出すから何かと思ったら何これ。荷物持ちかよ」
「困ってんだよ、朝から女子が何個も押し付けてくるからよ……断るわけにもいかねえし……」
「モテるのかあんた。ていうか笠松の場合断るわけにもいかないっていうか断れないだけじゃん」
「い、一緒だろ、うるせえよ。てことで、持て」
「同じ女子とは思えない扱いの差」
「しょうがねーだろ」
「何がしょうがないの……」
「まともに話せる女子おまえくらいしかいねーんだよ、察しろ」
「そこだけ聞くときゅんと来たりするのかもしんないけど、それ私女子と思われてないってことだよね」
「幼なじみだから仕方ないだろ。っつうか、きゅんってなんだよ……」
「何照れてんの」
「呆れてんだよ！ シバくぞ！」
「あーはいはい。ていうか、これならチョコレート要らなさそうね」
「は？」
「どうせこれ全部妹さんにあげちゃうんでしょ？」
「……まあ、そうだな。甘いもん苦手だし」
「一応笠松に持って来たんだけど、これ以上貰っても困るでしょ」
「……る、」
「ん？」
「いる、から、くれ、っつってんだよ」
「え？ だって、……かさまつ、かおまっかなんだけど」
「う、るせえよ！」
「笠松のほうがうるさいよ！」
「……あー、だから、その、だな」
「な、なんなのさっきから」
「別に、おまえのこと、女子として見てねえわけじゃ、ねえから……」
「へ、笠松、ほんとどうしたの」
「……察しろよ、お願いだから」
「そのままだと私都合良く解釈しちゃうよ？」
「……いい、それで」
「……」
「……顔赤い」
「うるさい、あんたのせいじゃん」