2作目は、プレイしたら七日目に死ぬゲームDS。知り合いの強力な推薦により始めたこのゲームは2008の夏に箱Eさんから発売されたホラーアドベンチャー。プレイ人数は一人、主人公視点で進行するこのゲームは、ちょっと頭を使うゲーム。ただこういったジャンルのゲームが得意な人で、追い掛けられたり時間制限に動揺しないのであれば比較的楽にクリア出来る類の物だと思う。

舞台は某大学から始まるんだけど、とある大学で流行しているゲームがある。配信されたそのゲームを一度でもプレイすると、クリアしなければ一週間で死ぬという都市伝説にありがちな内容。そんな話をしていると、同級生の女子学生が自分の彼氏もそのゲームに浸っていて最近じゃ学校にも現れなくなった事を話し出す。それで様子を見に行ってみようと主人公がその男子学生の部屋に入ると、男子学生はロフトの奥で丸まって死んでいた。不思議なメモや奇怪な現象を起こす部屋を残して。そしてそこで主人公は、自分にもゲームがその男から送られてきていた事に気付いて始めるんだけど、同じ学校のオカルト好きな教授の力を借りながら、そのゲームの核心に迫る…のが簡単なあらすじで、主人公はそのゲームの作られた経緯やクリア方法を探して色んな場所へ行ったりしながら情報を集めて行くのがメインストーリー。倒産した筈の会社なのに電話が通じたり、廃業した筈の病院で赤ん坊が泣いていたり。追い掛けて来る幽霊には何か理由がある、それが誰なのか、何故このゲームは作られ暴走してしまったのか。そんな真実を追うところに楽しみがある、んだと俺は思う。

このゲームの大きな特徴は、主人公視点でのプレイに加えて最大の要素「TS」を使い実際に配信されたゲームをプレイするという事にある。しかもこのゲームの内容は若干現実世界とリンクしているから、現実世界で立ち止まったらTSを開いてみると…という展開が結構あったような気がする。追加要素ではなくクリアに必須の条件の一つで、TSはこの世界の中で携帯電話代わりの役割をする。教授からの連絡やヒント、指示などは全てメール形式でこのTSに送られてくるんだけど、どこからどう見てもD…そんな感じ。

登場人物やその背景、ステージも沢山用意されていてやりごたえのあるゲームという印象を受ける一方、俺は…うーん…怖いというよりかは人間の裏側を見たような、そんな気分になった。このゲームを作るきっかけになった男は始めこそ家族の為にと懸命に働いていたが、家族はそんな男を待つばかりの中、男が当時全神経を掛けて作っていた「ゲーム」のせいで経営不振になった会社の社長に妻は殺されてしまう。何より一番可哀想なのが、この物語の中枢を担うこの男の一人娘で、幼い頃からずっと母と二人きり、父親を待っていた生活が一変、大好きだった母親は殺され父親は見るに耐えない姿になってしまったワケで、この少女はこの時全ての元凶である「ゲーム」の存在そのものを憎むようになった…というのが全貌で、最終的には廃人同然だった男が娘に向かって謝罪して、あの時諦めたゲームの続きを作る事を約束して、このゲームはエンドロールになる。男の情熱、待つばかりの家族、それを理解出来ない幼い少女の悲しみ、男を羨む社長の精神崩壊に、巻き込まれる社員を始めここでの犠牲者はあまりに不憫な死亡理由を抱えてる。それは主人公の周辺の初めに死んだ男と、その彼女だった女子学生もまた、然り。複雑な人間関係はどの世界にも…なんて思いながらこのゲームはここでおしまい。

今何を一番に考えなければならないのか、何を大切にしなくてはいけないのか、そんな事を考えさせられたゲームだった。それじゃあ、今回はこの辺りで。

有難う御座いました。



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