クリスマス赤黄
(02/17 20:47)


※年齢操作。

クリスマスの夜、夜景がきれいに見える高層マンションの最上階。グラスに注がれたシャンパンがきらきらとロマンティックに揺れる中、赤司はゆっくりと黄瀬の左手を持ち上げる。モデルという仕事をしているためか、黄瀬の指は綺麗だ。白く長い指の親指から数えて四本目、薬指へと、赤司はテーブルの上に広げてあった袋からスナック菓子(ポテコ)を一つ取り上げて、はめた。仕上げとばかりに、別の種類のスナック菓子(とんがりコーン)をポテコのはめられた指先へと被せる。そして、一仕事終えたとばかりに赤司はゆっくりと息を吐き出した。

「何スか、これ」

訝しげに口にする黄瀬に、何だ知らないのか、とどこか誇らしげな顔をして、赤司は言う。

「昨今は、クリスマスにこうするのが主流だそうじゃないか。金属ではなく食べ物であるからこその温かみが伝わって安心するし、お腹がすいたときに食べられるし、公園の鳩も寄って来るから、クリスマスプレゼントの定番は高価なアクセサリーではなくスナック菓子になったと」

「……それ、誰に聞いたんスか」

「大輝だ」

はぁ、と黄瀬は溜息を吐く。ポテコととんがりコーンのはめられた左手薬指が何だかむずむずする。赤司はいつからこんな、何でも信じるような人になってしまったのだろうか。あぁ、元からこんな人だった気もする。すっかり青峰のおもちゃになってしまっているではないか。

「そんなわけないでしょ。青峰っちにからかわれたんスよ」

「……それは、本当か」

「マジっス、ほんとっス。」

「僕は、大輝に騙されたのか」

赤司の眉間に一つ深い皺が刻まれる。明日あたり青峰は直々に呼び出され、制裁を受けるに違いない。

「まぁ、信じちゃう赤司っちも可愛いけどね。これ、外していいスか」

「僕は可愛くない」

赤司はそう言って、黄瀬の左手をぐいっと引き寄せる。形良い唇が開いて、かぷり、と指先にかぶせられていた菓子ごと赤司の口に含まれた。がじがじと黄瀬の指を食む赤司の耳は、青峰の戯言を真に受け実行に移した羞恥で赤く染まっている。




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