!来神時代の静臨


キーンコーンカーンコーン

「あ、授業始まった」

図書室に響いたチャイムの音にさして悪びれた様子もなく臨也は呟いた。サボることが当たり前かのように臨也はふーっと息をついてどっかりと長椅子に座り込む。そして横に無言で立っている静雄に振り向いた。

「静ちゃんもサボるの?」

「静ちゃんもサボるの?じゃねえ」

静雄は額に青筋を浮かべて心底いらついているかのように言った。

「お前がくだらねえことで俺を怒らしやがったからこんなとこまで来ちまったじゃねえか」

「はは、俺のせい?まあけど次体育だからもう完璧にサボりだけどね」

臨也の言葉に、今から着替えて授業に出ても意味がないと思ったのか静雄も深いため息をついて、臨也の横にどさっと腰かけた。

しばらくシーンと沈黙が辺りをつつむ。静雄はその空気を気まずそうにチッと舌打ちをするが、臨也はニコニコと謎の笑みを浮かべている。そしてその笑みのまま言う。

「あー暇だなあ」

「あ?」

「暇じゃない?」

まあなと短く答えて、その場の空気に耐えられなくなったのか静雄は立ち上がる。しかしそれは臨也の手によって阻まれる。

静雄が立ち上がろうとすると、臨也は勢いよく静雄のブレザーを引っ張って椅子に座り直させ、そして―――

「!?」

椅子に押し倒される。肩を手で押さえつけられ、臨也は静雄にまたがり静雄を見下ろす。

「静ちゃん。抱いてよ」

目を細め薄く笑う臨也。静雄は普通は逆だろ、と内心思う。けれど臨也とこんなことをするのは初めてではないので、静雄は諦めたようにため息をついて言った。

「…誘ったのはお前だからな」

「うん」

心底嬉しそうに笑う臨也のブレザーを脱がしにかかる。カッターシャツのボタンも手際よく外して前をはだけさせた。そして胸の飾りに吸い付く。

「んっ、ふぁ」

ピチャピチャと舐めていくとだんだんそれが赤く熟れている。しばらく舐めるとぷっくりと立ち上がったそれを今度は指でこねくりまわす。
「う、ひっ、ぁあ」

「臨也はここが好きだよな」
静雄は見下したように笑いながら言うと、臨也は涙目で小さく呟く。

「…静ちゃんは無自覚Sだからたちが悪いよ」

「あ?何か言ったか?」

そう言って静雄はゆるく反応をしめしている臨也のものをズボンの上からやわやわと触れた。少し触れただけなのに臨也はびく、と大げさに体を揺らす。

「んぁあ、あ、あ」

「胸舐めただけなのに立たせやがって変態が」

「変態は静ちゃん、だろ…っあ、っ」

静雄はズボンを脱がそうとはせずただ布越しにゆるく触れるだけで、臨也にはその刺激はただのもどかしい愛撫にしかならない。臨也はたまらず懇願する。

「し、ずちゃ、触、ってっ、んぁっ」

「…仕方ねえな。この淫乱」

静雄は臨也のズボンを下着ごと下にずり下ろす。そして立っている臨也のものをゆるく扱く。

「ふ、ぁっあ、んっやあ」

「気持ちいいか?」

「ん、で、も、もっと強く、」

「お前今何言っているか分かるか?」

「ひっあああっ」

臨也の言葉を受け、静雄は臨也のものを強く擦りだした。突然強い刺激に教われ、臨也は高い声で喘ぐ。

「ん、ぁあ、ひ、ぁっあ、」

「…」

「っ静、ちゃん…?」

突然手の動きを止めた静雄に驚く臨也。手を止めたままの静雄を不信がって臨也は先を促す。

「静ちゃん…?」

「シッ」

静雄は口に指を当てて図書室の入り口付近を覗きこんだ。すると数人かの足音と話し声が聞こえた。

「え、うそっ」

小さい声で臨也は言う。まだ授業中なはずだから授業の一貫として図書室に何か調べ物でもしにきたのだろうが、タイミングが悪すぎる。

「静ちゃん、どうしよ…」

「声出さなかったらバレないだろ」

あっさりとそんなことを言ってのける静雄を睨むと、静雄は臨也のものをキュッと握る。いきなり握られ思わず臨也は声が出そうになった。すんでのところで声をおさえる。

「あ、馬鹿っ静、ちゃんっ、」

「声出したらバレるぞ」

静雄はそう言って臨也と共に本棚の裏に隠れる。図書室にやってきた生徒達はどうやら入り口のあたりでたむろっているようで、あまり奥の方にこないようだ。だが逆にそれがいつ来るか分からず変な緊張が走る。なのに静雄は容赦なく臨也のものを弄り続ける。

「っん、ふっ馬鹿だろっ、や、」

「お前が声出さなきゃいい話だろ」

「や、む、りっんんっ」

臨也は口を押さえて必死に声を抑えようとするが、手の隙間から声が漏れる。小さい声だが、もしかしたら向こうには聞こえてるかもしれないという思いがよぎって余計羞恥心を煽った。

けれど静雄は事を進める。静雄はいきなり指を一本臨也の後ろにつぷりとつきさした。日頃から慣らしているせいか、そこはたいした抵抗をみせず、すんなりと静雄の指を受け入れる。

「っひっ、ばかじゃない、のっ」

「けっこう楽に入ったな。日頃からしてるおかげか?」

そんなことを言いながらぐちぐちと掻き回す静雄。臨也は声を噛み殺しながら、快楽に耐える。

「ぁ、あ、んっふ、んん!」

「お前いつもより感じてるだろ?誰かに見られそうって意識してよ」

「感じてな、んかっ、やぁっ」

「だってほらもうぐちゃぐちゃだぜ」

「ばかあっばかっあ、んぁあっ」

静雄は知り尽くした臨也のいいところを執拗に責め立てる。そろそろ理性の糸が切れそうな臨也。臨也はもう声を抑えることを忘れかかっているようだ。段々喘ぎ声を抑えることを忘れ、高い声を出す。

「おい、声出てるぞ」

「静ちゃ、声、も、無理っ」

そう涙目で臨也は懇願する。その言葉を聞いて静雄はぴたりと止まった。やっと止まってくれた、とほっと胸を撫で下ろす臨也。しかし静雄はにたりと笑ってこう言った。

「じゃあいけ」

「っっ!?っんぁああっああぁああっ」

臨也が声をあげる間もなく、静雄が臨也のいいところをグリッと抉る。臨也はいきなり襲った強い快感に一際甲高く鳴いて達した。













後片付けや後処理をしたあと二人は無人だった保健室に移動した。二人はベッドに寝転がり、二人の間には行為後特有の気だるげな空気が漂っていた。

「…静ちゃんの馬鹿変態鬼畜ドS」

「うるせえ」

「普通あの状況でやるかよ変態!」

「けどお前も楽しんでたじゃねえか。だいたい先に誘ったのはお前だろ」

顔を真っ赤にしながらぐっと言葉につまる臨也。いたたまれなくなったのか枕に顔を埋めた。そんな臨也を気にすることなく静雄はぼんやり言った。

「…午後の授業全部サボっちまったな」

「ん、だって腰痛いし。誰かさんのせいで」

「あー…」

スルーかよ、と臨也は心の中で思うが急激に眠気に襲われたので、意識がだんだんぼんやりしていく。

「眠い…」

「じゃあ寝るか」

静雄はそう言うととたん寝息を立てだした。

「静ちゃん寝るの早いし…」

そう呆れつつ、臨也も寝ようと思ってごろりと寝返りを打つ。

とにかく俺たちは学校の公共の場所を私用に使いすぎだな、と霞がかかる頭の中で思って臨也は夢の中に落ちた。



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