口の端から唾液が溢れても気にせず、とろけたように呆けた静ちゃんのズボンを脱がした。あ、と少しの抵抗を見せるが、さっきまでの愛撫でたいした抵抗にはならなかった。そして下着を脱がすと、そこには完全に起っている静ちゃん自身があった。それに軽く触れると、静ちゃんは大袈裟に体を揺らした。

「ひぁっ、んっぁあっ、あ、あ」

「静ちゃんさあ、自慰とかしないでしょ。だからいきなり他人に触られて無駄に感じちゃうんだよね」

まあ薬のせいもあるだろうけどね、と言いながら静ちゃん自身を緩く扱く。軽く触っているのに静ちゃんは大きな反応をする。楽しくて仕方がない。びくびく揺れる静ちゃんを眼下に笑いを浮かべる。

「い、ざや…っんっあ、ん、ひぁっ」

「なに、静ちゃん?もっとちゃんとしてほしい?」

あえて意地悪なことを耳に息を吹きこみながら言う。それにも静ちゃんは大きく反応して生理的な涙を溢す。静ちゃん的にはもっと触ってほしいんだろうけどね。

そろそろかな、と頭の中で思い、静ちゃん自身から溢れ出ている透明の液体を後ろの穴に塗り込む。そのままゆっくり指を埋めた。

「な、にし、て…んぁっあっ」

「男同士はここ使うんだ。知ってた?」

「知らな、んっ、なん、か変っ、やぁっ」

「や、じゃなくていいんだろ?初めてなのにすごいね。ちゃんと気持ちいいの拾ってるんだ。あ、ほら静ちゃん、とろとろ」

「ひっう、ん、ぁっああっ」

さらにローションをかけ、滑りをよくして指で中を広げるように進めてゆく。静ちゃんのいいところはどこかな、なんて考えながらぐにぐに中を掻き混ぜていると、静ちゃんがびくんと背中を反らした。

「っんあっ!?」

「あ、ここ?」

「やだっなんかそこ変にな、るっ、んああっ!!」

涙を流しながらいやいやと頭を振って、快感をやり過ごしといるのだろう。静ちゃんのいいところを見つけた俺はそこを執拗に攻め立てる。

「や、ぁあっん、んっああっ」

静ちゃん自身は反るぐらい起っていてそろそろ限界であることを訴えていた。

「静ちゃん」

「ふあっ、なに、い、ざやっぁあっ」

「正直もう限界じゃない?」

俺の問いにこくこくと頭を振る静ちゃんがいとおしくて思わず口元が緩む。じゃあさ、と思いっきり笑いたいのをこらえて言う。

「静ちゃんが誘ってみてよ。足自分で上げてさ、いれてください、って言ったらいれてあげるよ」

俺は静ちゃんの腕を縛っていた縄をほどいてやる。静ちゃんは最初俺の言った言葉の意味が分からなかったようできょとんとしていたが、意味が理解出来るととたんに涙を流した。

「や、無理…無理ぃっ…そ、んな、」

「大丈夫、静ちゃんならできるよ」

何の根拠もないことを言って静ちゃんの涙をぬぐう。そして囁いてやった。

「それにさ、静ちゃんもこのままじゃ辛いでしょ?」

そう言って静ちゃんの反りたったそれをピンと弾いてやる。静ちゃんは甲高く啼いてまた体を震わす。今静ちゃんは最後の理性と快楽が戦っているようだった。まあ俺にはどちらが勝つのかなんて分かっていたけど。

しばらく静ちゃんは黙っていたけど、ぎゅっと何かを決心したように目をつぶりながら、ゆっくり足を持ち上げる。

「…、れて、くださ、」

「聞こえない」

「っ…い、れてください、」

よくできました、と顔を真っ赤にして泣いている静ちゃんに囁く。そう囁いて静ちゃんを貫いた。丁寧に慣らしたおかげでスムーズに動け、何度も腰を打ちつける。

「ふあっあっああっんんっぁ、あっ」

「気持ちいい?」

「んっ気持ちい、気持ちいいっんっああぁっ」

その言葉に、完璧に堕ちた、そう思った。そう思うと、今まで堪えてた笑いが流れ出すように出てくる。

「ふ、くっくっくっ…あははははははは!!」

薬ごときで!あの静ちゃんが!俺を死ぬほど嫌ってる静ちゃんが!快楽に負けて俺に足を開くなんて!

笑いが止まらない。薬なんかにもう別人みたいじゃないか。池袋の快楽人形の出来上がりってね! 俺はね、個人的に人間の三大欲求のなかでは一番性欲が強いと思うんだ。俺はその性欲でわけも分からず境界線を越えてしまう静ちゃんが見たかった、とでも言っておこうか。

やはり人間は快楽に弱い。快楽を得るために理性を壊して、頭の中の常識を崩してしまって、そして越えるはずないと思っていた境界線を簡単に越えてしまう。

「いざ、や…っ早く…!」

「おねだりばっかりだね。静ちゃんは。でもいいよ、あげる」

「ふっんぁっ、ぁあああああっ」






ほうら、境界線を踏み越えてしまった。





borderline (境界線)














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