「ねえ正臣くん。ヤろうよ」
臨也さんはいつも唐突だ。今だって。
「はい」
「素直な子は嫌いじゃないよ。けど今日は慣らすの面倒くさいから君が自分で慣らしてくれる?」
「分かりました」
俺は淡々と答える。臨也さんは俺が拒否するわけないと最初から決めつけたような口ぶりだ。けれど間違っていない。だって俺が拒否するわけがないのだから。
俺はズボンをずらす。その流れのままパンツもずらす。一切ためらわずに。臨也さんはその一連の流れを椅子に座って淡々と眺めている。口の端をつりあげながら。
俺は指を口に含んだ。自分でやるとはいえちゃんと濡らさなくてはさすがに痛いので、丁寧に舐める。
「ん…ふ、」
ピチャ、と水の音がした。俺はしっかり舐めると後ろの穴に指をあてがう。そしてゆっくりと挿入した。
「ひっ、っん、う…」
やわやわと指を動かす。そこは普段から使っているからかすぐに自分の指を受け入れる。最初は浅く動かして徐々に指を進めていく。さらに探るような指使いで自分のいいところを探した。ぐにぐに弄りながら探していると、ある一点に指がかすめる。
「ひっ、ふあっ、んんっ」
「いいところ見つかった?」
「んっ見つかりました…っぁあっ」
臨也に答えながら自分のいいところを責めていく。指を2本に増やして、さらにぐちゃぐちゃとかき混ぜる。
「ふぁっふぁあっ、ん、ん、」
いつの間に自身はすでに立ち上がっていて、限界を訴えていた。ふるっと震えて臨也を見つめた。
「臨也さん…も、来てくださ…っ」
そう涙目になりながら訴えると臨也さんはさっきにやついていた顔とは一転して、すごく嬉しそうな顔をして笑っていた。嫌な、予感がした。
「ね、正臣くん。ピザでもとろうか」
「っは…?」
「いや、お腹空いたなあと思って」
そう言って楽しそうに笑う臨也さん。ほんとにピザ屋に電話をかけ出す。俺は未だ冷めない熱をもて余す。今イくわけにもいかないし、呆然と臨也がピザを頼む姿を見ていた。
「ピザ頼んだから」
「あ、はい…」
「だからピザくるまでにそれどうにかしときなよ」
そう言って臨也さんはそりたった俺自身を顎で指す。はい、と答えて俺は自分で自身を擦ると呆気なく達した。それを無表情で見つめる臨也さん。自分で慣らせと言ったくせに、と頭の中で思う。けれど怒りは感じなかった。
「ああ、もうすぐしたらピザがくるね」
臨也さんはそう言ってにこりと笑った。
love end
―――これが愛の果てだというのなら。こうすることでしか臨也さんの関心を引くことしかできないのなら。一番じゃなくてもいい。ただそばにいれたらいい。これが俺の愛の果て。