!来神時代の臨静









日も大分落ち、残っている生徒は部活動に励んでいる生徒ばかりの放課後の学校。部活をしていない俺は滅多に放課後の学校にいないので、放課後の学校というのはこんな感じなのかと思いながら、廊下を歩いていた。なぜ滅多に放課後の学校にいない俺がいるのかというと、宿題のプリントを教室に忘れてしまい、それをとりにきたのだった。夕日が窓からさすせいで廊下はオレンジ色だか黄色だかに染められていて、なんだか新鮮だった。いる生徒は部活で残っている生徒ばかりだし、どの教室にも人はいない。廊下も俺以外歩いていないし、不思議な感じがした。

けど自分の教室の前まで来た俺は明らかに自分の教室が他の教室とは何か違うことに気づいた。というか声が聞こえる。

「んっふっ…、っ」

「うん、いいこいいこ」

「ひもひいいれすか…?」

「うん、気持ちいいよ」

…?なに?なにが教室で起こっている?俺はすぐに状況を理解出来なかった。そろりと教室の中を覗く。すると目に映ったのは見るのも胸くそ悪い折原臨也と多分1つ年下の男子生徒。問題はその二人が行っている行為だ。その1つ年下の男子生徒が臨也のモノをくわえ、フェラしていた。やっと状況を理解する。そして最悪な状況に自分は今あるということも理解する。

なんで教室でやってんだよ。誰か来るかも知れねえじゃねえな。いやそれがいいのか?知るかよそんなの。ああ胸くそ悪い胸くそ悪い。むかつくむかつくむかつく、

俺は教室の扉をバンッと開いた。同時に二人とも俺の方を見る。男子生徒の方は明らかに怯えている顔、臨也は一瞬めんくらったような顔をしたが、すぐさま余裕のある嫌味な笑みを浮かべた。

「平和島…静雄先輩…」

男子生徒は怯えきった目でこちらをみながらそう呟くと、さっと鞄を取ってだっと駆け出した。というより逃げた。

「はあ―あ」

一瞬気まずくなった教室の空気を裂くように臨也はためいきをついた。

「静ちゃんさあ、なんでそんな人の楽しみじゃまするかなあ」

「じゃまって…!ていうかテメーラこんな公共の場所であんなことすんじゃねえよ!」

「え―公共の場ってことは俺らも使っていいんでしょ?」

「たしかにそれはそうだけど」

「大体さ静ちゃんに俺の楽しみを妨害する権利なんてあるの?」

臨也にいろいろ言われてたしかにあそこで俺が教室に入ったのは多少軽率だったのかもしれないと、思い返して少し反省した。

「まああそこで入っていったのはたしかに悪かったような…」

「じゃあさ、続き静ちゃんがしてよ」

「は?」

臨也が言った言葉の意味がよく分からなかった。じゃあって何だよ?俺が?何を?

「だって静ちゃんが来るからあの子が逃げちゃったんだよ?俺まだ出してなくて辛いんだよね―」

さっき出ていった男子生徒を思い出すかのように臨也は教室の扉を見ながら言った。

「だからさ、静ちゃんがしてよ」

「はあ!?何で俺が!?」

「だって静ちゃんが来るからじゃん」

臨也はむくれるように顔をしかめてみせた。絶対、おかしい。何で俺が。俺が来たせいで行為が止められたから俺が続きをする?何でそうなるんだよ、意味が分からない。けど、なんか。

「うんうん、素直でいいね」

俺は臨也の前に座っていた。なぜか分からないけど素直に従っていた。体が催眠術にかかったみたいで。何でだ何でだ何で、

「ほらぼーっとしてないでさ、早くくわえてよ」

「…っ」

臨也は一度しまった自身を取りだし、俺の口元に近づける。俺はそれをくわえた。頭の中ではありえないありえないと連呼しているはずなのに、体が勝手に動く。とにかく初めてだから勝手が分からなくててきとうに舐めたり、吸ってみたりする。

「んっ…静ちゃん…」

「ふっ…ぐ…」

「静ちゃんさあ…フェラしたことないでしょ?」

「当たり前だ…っ」

「ははっだよね!だって下手だもん!」

「っ!じやあ他のやつにヤらせればいいじゃねえか!」

なんだか俺は無性に腹が立って臨也のモノから口を離した。何でこんなに腹が立つのだろう。俺は立ち上がった。

「あっちょっと静ちゃん!」

「触んな!」

臨也は去ろうとした俺の手を掴む。俺は手を振り払おうとして、臨也の掴む力の強さに驚いた。びっくりしてなんだか振り払えず、そのまま臨也のもう一度床に座らされた。

「静ちゃん、今日はずいぶん素直だねえ」

俺は座らしたのはお前だろうと睨む。

「まあまあ。そんな怖い顔しないでよ」

ニヤニヤしながら臨也はまた自分のモノを取り出した。そのニヤニヤ笑いが目につく。けれど。

「ほら。口開けなよ」

従うしかないような、そんな気がした。

「ん、いいよ静ちゃん」

「ふっ、ん、ん」

「あ、いいよ裏筋舐めて」

「ふぉうふぁ?」

「んっ、あ、しゃべられんのいいかも」

俺は臨也の指示通りに動いてしまう。なぜか分からない。頭では何で何でと思っているのに、体が勝手に動く。しばらくすると臨也が切なげな声を出した。

「あっんっ静ちゃん出すよっ」

「んっんっ、ふあ!」

臨也は俺の口に精液を吐き出す。すると口の中に苦い味が広がる。俺はそれを吐き出そうとして…

「だめ。飲んで」

「んっ!?んんーっ」

吐き出そうとしたのに臨也が口と鼻を押さえたことによって、飲む込むしかなく俺は半ば無理矢理飲み込む。飲み込めなかった分が口の端を伝う。


「ゴホッゴホッ 臨也テメエ…!」

「怒んないでよー。俺、自分の出したモノは飲ます主義なんだ。あ、顔にかけるのもありだけどね」

どんな主義だよ、と内心毒づきながら溢れた精液をぬぐう。そして臨也の顔を見上げて、思わず背筋がぞくりとした。臨也は俺を見下げるような目で笑っていた。支配されているような、そんな錯覚に陥るような目。自分は座っていて臨也は立っているのだから位置的にもそうなっているのだが、でもそれだけじゃない。なぜか俺はその目に何か別の感情を感じた。腰の辺りがぞくぞくしてとっさに腰を上げた。


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