ゆうかい







イリア「リック!ちょ〜〜〜っと動かないでねぇ」

リッ「え、な、なに?…ちょっ!くすぐったい!」



数分後



イリア「はい鏡!」

リッ「えぇぇぇ…何で化粧されてるの…」

イリア「いやだリックったら女の子にしか見えなーい。じゃあ次はこれ着てね」

リッ「…スカート?」

イリア「リックなら似合うよー?だってーリックだもーん!」

リッ「(わざとらしすぎだよ…)じゃなくて、どうして女装なんて」

イリア「依頼なのよ」

リッ「依頼?」

イリア「詳しくはアンジュに聞いて」

リッ「だからってなんで女装…やめてイリア!服を脱がそうとしないで!わかった!わかったから!自分で着替えるから!」

イリア「やっぱりリックもルカやエミルと同じ素質がありそうね!ほい、じゃあこれ着たらホールに来てねー」



リッ「勢いで引き受けちゃった…どうしよう………」



‐‐‐‐‐‐‐‐‐



アンジュ「あ、リック。君遅かったね?同行者はカイル君よ。じゃあ早速だけど依頼内容を」

シェリア「きゃぁあああ!なにどうしたのリック可愛い!!」

リッ「恥ずかしいよ…この服……」


イリア「膝丈スカートで正解だったわね」

リアラ「そうね。ちなみにカイルはショートパンツにしたわ。髪はロングよ」

リッ「(何で説明口調なんだろ)」

リアラ「会話で成り立たせるには誰かが説明しないといけないの」

リッ「(心読まれた!?)」



カイル「…俺、もう英雄になんてなれないんだ…リアラに裸見られた…」

リアラ「カイル…英雄ならどんな事も乗り越えられるような、そんな力がないとダメだと思うの。
カイルは私の英雄なんだから裸を見られたくらいで落ち込んじゃ駄目よ!」

カイル「リアラ…。そっか…そうだね!これで困ってる人が救えるなら、俺、恥ずかしいけど頑張るよ!」

リアラ「それでこそカイルね」



リッ「で…アンジュ、こんな格好しなきゃいけない依頼って何?」←女装に慣れてきた

アンジュ「もう、私の話を遮るなんて、イリアには後でお説教ね」

リッ「…えっと、あんまり酷くしないでね?」

アンジュ「リック君。あとカイル君!ちょっとこっち来てくれる?」

カイル「はい!」


アンジュ「では依頼内容を説明します。

最近、街で女の子が誘拐される事件が多発してるらしいの。
今回の依頼の目的は、その誘拐犯を捕まえて女の子達を解放すること」



リッ「それと女装となんの関係が…」

イリア「狙われてるのが女の子だけだから」

リアラ「しかも私達くらいの年頃の子ばかり…」


イリア「そして依頼主からの条件は『囮は男の子』って事」

アンジュ「だから女装よ。わかってくれた?

それじゃ、わざと誘拐されて誘拐犯の拠点を突き止めてね」

カイル「えぇっと…。俺たちは誘拐されて、拠点を突き止めて、女の子達を解放して、誘拐犯を捕まえるってこと?」

リッ「二人だけで?」

アンジュ「もちろん二人じゃ危険だから、尾行班を付けます。準備ができたらすぐに出発してちょうだい。

それとこれは約束ね。危険だと感じたら必ず逃げること。無理はしないこと」

シェリア「二人共、気をつけてね?」

リアラ「ちゃんと、無事に帰ってきてね。依頼が終わったら記念に写真を撮りましょう」


カイル「うん!」

リッ「(写真はやだな…)」




‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐



依頼開始




カイル「尾行班のメンバー、どういう風に決めたんだろ」

リッ「うーん…」

ロニ『カイル!無事か!』

カイル「5分置きに連絡してこなくても大丈夫だよ」

ガイ『この小型無線機、便利だな。どういう構造になってるんだ…』

リヒター『…分解はこの依頼が終わってからにしろ』

とち『皆、リック達から目を離すなよ!!!!』



リッ「……わかんない」

カイル「ロニは予想つくけど、他はわかんないや」

リッ「(リヒターが来るとか何事だろう。俺がこの前リヒターのデザート食べちゃったのまだ怒ってるかなぁ?)」







ロニ「あいつら本当に男か?カイルの奴、かなり可愛いぞ…」

※無線切ってます


ガイ「確かにあの二人、女の子にしか見えないな」

リヒター「……犯人は、可愛らしい女を誘拐するんだったか」

とち「ああ。そう資料に書いてある」

リヒター「だったら、他にも居ただろう…」

ガイ「おっ、2人が心配なのか?」

リヒター「………」

ガイ「(絡みづらい…)」



‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐




カイル「誘拐犯、来ないね」

リッ「もうちょっとぶらぶらしてみようか」

カイル「あー、何か食べたい」

女の人「お、そこの可愛いい子達ー!アイス食べない?」

カイル「アイス!ね、リック買おう?」

リッ「えーうん」


女の人「わ、よく見ると超美少女じゃない!これサービスしちゃう!」

カイル「え、いいの?」

リッ「経営に差し支えない?」


女の人「だーいじょうぶ!いいのよ。貰って貰って!」

カイル「えへへ、ありがとう!」



リッ「なかなか美味しいね」

カイル「うん……」

リッ「あれ…力が入ら…」

カイル「ん…何か、眠くなってきた…」

リッ「………」バタッ

カイル「………」バタッ



???「ふふふ。美少女ゲーット」



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