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  空条氏の日課


※生存院(昏睡状態)と未婚太郎



 某大学の教授である空条氏は、毎日必ず5時までに自身の研究室を後にする。多忙であるにも関わらず、それが覆されたことは一度としてない。陽が傾いてきた頃、デスクに散らばった書類をかき集め、静かに席を立つ。大学の駐車場に停めてある、独り身の若い男が乗るには高級すぎる車に乗り込み、颯爽と通りへ出てあっという間に見えなくなるのだ。
 それから、空条氏はどこに向かっているのか。
 ここ最近、学生たちの間ではもっぱらの噂になっていた。ただ早く家に帰りたいだけだとか、恋人に会いに行っているだとか、果てには、危ない仕事ややばい取引に出向いているだとか、馬鹿らしい話も少なくない。
 目立つ容姿をしている上に自分のことを話したがらない寡黙な性格。そんな性分が災いして面倒な噂が湧いてくるのだろうが、それを空条氏が特に気にした様子はなかった。
 話を戻そう。
 空条氏は何故、早く帰るのか。
 ───いや、実を言うとこの場合、『帰る』という表現は正しくない。空条氏が大学を早々と去るのは、大学から車を走らせて40分ほどの大きな病院に向かう為だからだ。





「来たぜ」

 病棟の少し奥まった場所にあるVIP用の大きな病室に、空条氏は慣れた様子で足を踏み入れた。空条氏のよく響く低い声に、返事はない。代わりに部屋には、ピッ…ピッ…という電子音が機械的なリズムで鳴り続けている。
 空条氏は荷物を適当な場所に置いて、静かにベッドに近づいた。ベッドの手すりに手を掛け、そっとこの病室の住人の顔を覗き込む。ベッドには、数えるのが嫌になるくらいの管や機械に繋がれた一人の男がひどく静かに眠っていた。

「花京院」

 心地よいバリトンが囁くように名を呼んだ。男の名前を呼ぶ空条氏の声は、普段からは想像できないくらい甘く、緩んでいる。空条氏は男の珊瑚朱色の髪を優しく梳いて、ふ、とその口元に薄く弧を描いた。
 空条氏の友人であり、戦友であり、何よりも大切な人であるこの男は、もう9年も眠ったままだという。
 まだ高校生だった頃、空条氏は母の命を救うために旅に出たことがある。彼はその旅に同行していた仲間の一人だった。幾多の苦難を乗り越えたおよそ50日の短い旅の終わり。旅の目的地カイロにて彼は壮絶な戦いを繰り広げ、その体に大きな怪我を負った。そして生死の境をさまよった末になんとか一命を取り留め、今に至る。
 彼がこの9年の間に意識を取り戻したことは一度もない。ただ、昏々と眠り続ける。
 腹に穴を開けられたのにも関わらず、こうして生きて帰って来られたのは奇跡だと誰もが口を揃えて言ったが、空条氏にとっては彼が目覚めなければ死んでいるのと同じようなものだった。また彼が、今は瞼に隠れている菫色の綺麗な瞳に空条氏を写し、その涼やかで上品な声で「承太郎」と名前を呼んでくれなければ、意味がないのだ。
 だから、空条氏は9年もの間、彼が目覚めるのを待っている。20代前半何かと多忙であった空条氏だが、彼がこうなってから7年が過ぎた頃、ようやく身を落ち着けるようになった。それまで出来うる限りであったものが、日課となるには大した時間はかからなかった。
 空条氏はただひたすら、こうして毎日会いに来て、ひとりで話をして、彼を待っている。

「今日の昼、久々にポルナレフから連絡があったぜ」

 あの過酷な旅を共にした懐かしい戦友の名前を、空条氏は気持ちいつもよりも楽しげなトーンで彼に話す。その顔はひどく穏やかで、表情の裏の空条氏の胸の内を推し量ることはできない。

「元気にやってるらしい。電話越しだってのに相変わらず喧しい奴だった」

 くつくつと低く喉の奥で笑い、空条氏はその電話のやりとりを彼に話す。返事はないが、空条氏はまるで彼がそこで会話になるよう言葉を返しているかのような、そんなテンポで話を続けた。病室を痛いほどの静寂と、低く優しげな声が交互に包む。ゆるやかに、時間は過ぎてゆく。

 ───どれくらいそんな時間を過ごしただろうか。空条氏がふと窓の外を見ると、来たときにはオレンジ色をしていた空がもうすっかり闇色に染まっていた。時計を確認すると、ここを訪れてからもうすぐ2時間半になる時間だった。

「もうこんな時間か。明日は講義もあるしな、今日は帰るぜ」

 荷物を持ち、もう一度ベッドで眠る彼の顔を覗き込む。空条氏は目を細めて、彼の額をそっと撫で、病室を後にした。
 空条氏の日課は、今日もこうして無事に過ぎゆく。





「よう、花京院」

 今日もまた、空条氏は彼の病室を訪ねる。
 いつも着ている白いコートを脇に抱えた空条氏はやれやれだぜ、と小さく呟いてコートと揃いの白色をした帽子を気だるげに取った。水を含んだそれらは重く、ぽつりぽつりと端からしずくが滴る。
 朝は綺麗な青色をしていたはずの空は、今はどんよりと暗く重い色をしている。外は久々の豪雨だった。朝、ろくに天気予報も見ずに家を出た空条氏は傘を持っていなかった為、駐車場から病院までのたった数十メートルの間にびしょ濡れになったというわけである。空条氏は男らしくぐい、と腕で顔を伝う水滴を拭った。彼が濡れないよう、ある程度の雨を拭ったところでやっとベッドの側に寄る。

「今日はひでぇ雨だ。おかげでコートも帽子もびしょびしょになっちまった」

 話し掛けながら少し不機嫌そうに空条氏は眉を寄せた。ベッドの脇に置いてある椅子に腰掛け、雨のせいで少し崩れた髪を後ろへ撫でつけながら話を続ける。

「さっきまで晴れてたのにこれだ。突然降るのは勘弁してほしいぜ」

 空条氏はそう言いながら、彼は「君が天気予報を見ないのが悪いんだろう」と笑いながら応えるだろうと予想をつけていた。彼のその『返事』に対して空条氏は言葉を続ける。

「今朝は忙しかったんだ。水槽のイトマキヒトデの様子が少しおかしくてな」

 「またヒトデかい?」そんな彼の声が空条氏には聞こえてくるようで、笑いながらうるせぇ、と短く返す。人工呼吸器と、心拍数を知らせる電子音が響く病室で空条氏と彼の『会話』は続く。

「お前は雨が好きだと言っていたな、花京院」

 昔の会話を思い出すように瞳を閉じて、空条氏は言葉を紡ぐ。旅の最中、砂漠は雨なんか降らないから少し雨が恋しいね、と言ったのは彼だった。雨音を聞くと、何故だか波立った気持ちが落ち着くのだと、そう言っていた。

「お前はああ言っていたが、やっぱりおれは雨を好きになれそうにない」

 苦い笑みを口元に浮かべ、空条氏は少し悲しげに眉間に皺を刻んだ。脳裏でちらつく思い出したくもない光景と水音に、空条氏の目には陰が宿る。あの日から、それまで気にも留めていなかった雨の日が苦手になってしまったのは、空条氏の秘密の一つだ。ぐっと力が込められた拳は怯えを表しているようで、思わず自分自身を嘲笑った。

 少し雨が弱まったのか、気が付けば先程までの叩きつけるような音ではなくサアサアというやさしい音が窓越しに聞こえてくる。耳に届くその音を聞きながら、空条氏は点滴に繋がれた彼の腕を手の甲でそっと撫でた。確かに感じられる体温に、安心する。
 感情をあまり顔に出さない空条氏だが、愛おしげに彼を見つめるその瞳は口をよりも雄弁にものを語る。だがしかし、溢れるようなその想いは彼に届くことはない。

「じゃあな、花京院。また明日」

 また、彼の額を撫で、空条氏は病室をあとにする。
 空条氏の日課が変わることはない。





「花京院」

 空条氏はその病室を訪れることをやめない。
 いつもは陽が傾きかけた頃にやってくる空条氏だが、今日はまだ空が青い時間帯に病室にやってきた。珍しいこの事態に、空条氏自身が説明の言葉を口にする。

「今日は学祭で講義がなかったから、早めに来たぜ」

 つまり、空条氏は学祭に参加せずに余った時間をたっぷりと研究にあて、早めに彼に会いに来たと、そういうことらしかった。元々そういった行事には参加をしない空条氏はまったく気にした様子がないが、周りの人間は放っておかないだろう。
 彼の『声』が聞こえたのかは定かではないが、空条氏はそういえば、と何かを思い出したような顔した。

「学祭に参加してくれと頼まれたんだが、気が乗らなくてな」

 案の定だと言うべきか。あまりにも堂々と言い放った不参加の理由に、彼の苦笑が聞こえてくるようだった。
 毎年断っているから知っているだろうになかなか諦めがつかないのか、今年も学生たちから先生も是非、と沢山のお誘いを受けた空条氏だったが、人の集まる賑やかな場所に単身で行くとどうなるかはこれまでの経験上よくわかっていたのできっぱりと断った。一応、空条氏なりの筋が通った理由があったというわけである。
 その場から動けなくなって無駄に時間を食いつぶすより有意義な時間を過ごした、と空条氏は悪戯っぽく笑う。
 そして、それにな、と言葉を付け足し。

「てめーと、こうしている方がたのしい」

 そう言って、空条氏は眩しげに目を眇める。
 空条氏にとって彼とのこの時間は、忙しい日々の中の唯一の癒しだ。それを他人との必要ない関わりで削るのは勿体なさすぎる。

「そういえばな、花京院」

 彼の長めに伸ばされた特徴的な前髪を指先でいじりながら空条氏は彼に話しかける。柔らかく、指通りのいいそれは、空条氏の長く逞しい指をすり抜けていく。その感触を楽しみながら『会話』をする。

「ジジイがこの間、頻繁にこっちにくる訳でもねえのに別荘を買いやがって」

 「買った」と唐突に、しかも事後報告をされた時はさすがに溜め息をついたと空条氏は語る。自分も大概だと自覚しているが、祖父は更に金銭感覚がおかしい、と苦笑する空条氏は、それでもどこか楽しそうだ。

「海沿いの、まあ、いいところなんだが。一緒に行くような奴がいねえんだ」

 ここから少しかかるが、青々とした海が一望できると聞かされ、年甲斐もなく胸が踊った。しかしまだ、空条氏はそこを訪れてはいない。家族と、あるいはひとりで行こうとは少しも思わなかったのだ。

「今度、一緒に行こう。……今の時期は海には入れねえが」

 祖父から送られてきた写真を見た空条氏は、その綺麗な海を彼と一緒に見たいと思った。それを彼に直接伝える。
 ─────その別荘が空条氏の為に買われたものだと、知らずに。
 眠り続ける彼から離れようとしない空条氏を見かねた祖父のその思いは、悲しいことに伝わって欲しかったその人には伝わらなかった。

「約束だぜ」

 つい、と力の入っていない彼の小指を自分のそれに絡め、子どものように指切りげんまんをする。一体その約束はいつ果たされるのかと、空条氏に尋ねる者はこの場にはいない。約束は、二人の間で秘めやかに行われた。

「じゃあ、花京院、また来るぜ」

 目にかかりそうな前髪を払うように彼の額を撫で、空条氏は病室を出る。
 今日も変わらず、空条氏の日課は静かに終わる。





 穏やかに日は過ぎ去り、年が明けた。そんなある日のことだ。
 空条氏の日課が、彼の病室に行くことが、できなくなった。
 理由は簡単だ。少し遠いところへ研究成果の論文発表の為行かなければならなくなったのだ。些か急に決まったこの学会は、国内だけでなく国外からも学者や博士、その業界の著名人が参加する運びとなっていた。そんな学会をまさか大した理由もなしに蹴ることなどできるはずもなく、やむなく空条氏の参加は決まった。
 会場は国内だが、もちろん、車で移動してどうこうなるような距離ではない。たった3日であったが、されど3日である。空条氏はひどく不満げだったが、こればかりはどうしようもないことだった。





「……花京院」

 久しぶりに、空条氏が彼の病室を訪れた。
 疲れを滲ませたその声に、気づいて声を掛ける者は当然いない。空条氏は鞄を床に乱雑に落とし、少しばかり覚束ない足取りでベッドの脇にある椅子にどかりと座り込んだ。

「少し、疲れた。すまん、今日はここで休ませてくれ」

 空条氏は彼の邪魔にならないように、ベッドの端にぼすんと頭を沈ませた。はぁ、と深い溜め息をつき、その端正な顔を歪める。
 空条氏の疲れの原因は件の学会だ。研究の発表自体はうまくいった、問題はその後だった。
 すでにいくつかの論文を発表し、評価を得ている空条氏は、若い上に容姿も美しいと、その業界では有名人であった。空条氏は、初対面の人、数回挨拶をしたことがある人、そんなほぼ知らない人間同然の人々に呼び止められ、逃げ出すことも許されず人の牢屋に捕まった。何度スタープラチナを使って出ていってやろうと思ったかわからない。
 元来、人とべらべらと話すことを好まない気質である空条氏は、らしくもなく疲弊した。話の内容だって、最初は研究についてのものだったのに、段々とプライベートを探るようなものになっていったのだ。挙げ句の果てには、恋人は?結婚は?などと言った話をしてきたのだから、たまったものではない。
 空条氏はうんざりしていた。海洋学は好きであるし、教授という立場は何かと便利だが、こういう人間と話さなければならないのは苦痛だった。
 全員が全員このような下品な人間な訳ではないが、不躾な視線を向けてくる輩も少なくないのは事実だ。妬み、空条氏を貶めようとする者、媚びへつらい付け入ろうとする者。好意的とは言い難い視線の数々に、空条氏は煩わしさを感じていた。
 しかし、立場上蔑ろにはできないことの方が多い。大人の世界というものはなんと面倒なのだろうか。
 空条氏は色んな人に囲まれ息苦しさを感じながら、ぼんやりと彼に会いたい、と思った。
 こんな人間たちと話すくらいなら、彼と『話』がしたかった。いくら綺麗な女の写真を見せられても心はぴくりとも動きはしない。お見合い?結婚?冗談じゃない。自分には決めた人がいるのだ。あの病室で眠り続ける彼こそが、自分にとって何よりも大切でかけがえのない人なのだ。
 空条氏にとって地獄とも言える3日間がようやく終わった今日、空条氏は自宅へ帰ることもなくこの病室に足を向けた。彼の顔を見て、知らず知らずの内に詰めていた息を吐き出す。ちょっとやそっとではへこたれない精神力を持つ空条氏にしては珍しく、ストレスと疲労がじわじわと体を蝕んでいるのを感じた。
 空条氏は頭を横たえたまま、ちらりと彼の顔の方へ視線を向けた。静かに眠ったまま動くことのない彼の、少し長めの睫毛が頬に影を作る様を、ただ、見つめる。

「……いつになったら、起きてくれる」

 疲れがそうさせたのか、今までずっと飲み込んできた言葉がぽろりと空条氏の口からこぼれた。
 言ってはいけないと漠然とした意志の元、蓋をしていた思いは一度堰を切ったら止まらない。あとからあとから、溢れる。

「花京院、もうすぐ、10年だ」

 のろりと布団から顔を上げ、空条氏は呟いた。
 彼が体に風穴を開けられたあの日から、あと数日で10年が経とうとしていた。10年という年月はとてつもなく長く、彼が眠っている間に自分も、周りも、沢山のものが変わってしまった。空条氏が時を止めることができるのはせいぜい数秒で、こればかりはどうしようもできない。時の流れというのは残酷で、無情で、容赦がなかった。

「おれは、お前に話したいことが、伝えたいことが、たくさんある」

 さらに言葉を続けようとして、空条氏はぐっと言葉を詰まらせた。
 17の時に経験した、日常から逸脱した奇妙な出来事ばかりだった旅が頭の中を駆け巡る。決して穏やかなものではなかったが、彼と過ごした50日は空条氏にとって大切なものだった。
 沢山の言葉を交わした、触れ合った。でも、あの短すぎる時間では伝えきれなかったことが山ほどある。それに、あの旅の顛末や、この10年の間に起こったこと、降り積もった想い、彼に話したいことは尽きない。

「花京院……」

 言いたかったはずの言葉は喉に引っかかったまま出て来なくて、結局掠れた声で彼の名前を呼ぶだけに終わる。悲痛な響きを滲ませた声は、届くことなく静寂に溶けた。
 細く白い彼の手を取り、強く握る。いくら強く握ってもピクリとも動かない彼の腕は、この長い年月の中でひどく細くなった。痩せたその姿は、昔以上に儚い印象を彼に持たせる。

「おれは随分、長いこと待ったぜ」

 声が勝手に震える。それに気づいて情けないとは思うものの、どうしていいのかわからなかった。
 空条氏は横たわったまま動かない彼の手の甲に、神に懇願するかのように額を押しつける。昔、彼に綺麗だと褒められた翡翠の瞳をゆらゆらと揺らめかせた後、きつくその目を閉じた。
 ────医者は、彼がいつ目覚めるのかわからないと言う。もう諦めろ、と言われたのは数年前の記憶だ。時間が経つにつれ、空条氏にそんな言葉をかけようとする者はいなくなった。
 空条氏は頑なだった。彼が目覚めると信じてやまず、待つことをやめない空条氏の姿は、第三者の目には悲しいものに映ったに違いない。
 医者は『わからない』と言った。目覚めないのではない、わからないのである。それはもしかしたら明日かもしれないし、5日後かもしれない。3ヶ月後かもしれないし、7年後かもしれない。希望はあるのだと、空条氏は思い続けた。
 実際のところは、希望はあると信じたかっただけなのかもしれない。都合のいいことばかり自分に言い聞かせて、考えられる最悪の現実からは目を背けた。
 彼は、もしかしたら一生、目覚めないかもしれない。
 そう考えると怖くて堪らなかったのだ。そんなのは認めない、嫌だ、絶対に、嫌だ────否応なく想像してしまう最悪を、子どもが駄々をこねるみたいに心が否定する。
 しかしシャットアウトしたはずの考えは、決まって彼がこうなった日が近づくとなかなか頭から離れてくれない。10年という悲しい節目のせいか、今回は殊更質が悪かった。
 彼の声が、聞きたくて堪らない。
 呼んで欲しかった。あの声で、自分の名を。
 そして、それから。

「花京院」

 たくさん愛を囁いて。
 抱きしめて、彼の腕が背中に回ったらキスをして。

「かきょういん、」

 お前がいないとおれのこころは死んでしまうのだと伝えたら、彼は何と言うだろう。

「もう、眠るのは十分だろう?」

 だから、なぁ、花京院。



















「─────じょ…う、たろ……?」

 その時、自らの腕に絡まるエメラルドを見た気がした。




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