note

  光と謙也


財前視点で見る光謙の流れ

【一番最初】
「……なんすか」
「はあ……全っ然おもんないわ」
「先輩、きもいっすわ」

まだ入部したばかり。すべて真顔。
謙也先輩(もしくは忍足先輩)呼びの頃。
なんやねん、この金髪の先輩、うっざ。そのくらいの認識。


【それから半年後】
「……謙也さん。なんか用ですか」
「うっわ。なんやねんそれ、きっしょ」
「謙也さん、ほんまアホっすね」

夏を過ぎた頃にダブルス組み始めるのが理想。この頃には少し態度が柔らかくなっているものの、毒舌は相変わらず。一応謙也さん呼びに昇格。
あの人、うるさいだけやないねんな。なんちゅーか、うん、お人好し。


【二年になりました】
「謙也さん、一緒に帰りません?」
「相変わらずおもろないなぁ、アンタ」
「……今年、最後っすね。勝ちましょう、謙也さん」

だいぶダブルスとしてレベルアップしました。お互いの信頼関係とか、そのあたり色々築けてるといい。財前はそろそろ気持ちを自覚し始める。
柄やないけど、俺はこの人と一緒に戦って、勝って、この人の最高の笑顔が見たい。


【夏が終わって】
「引退したクセになんで部活におるんや、アンタ」
「……もう、ええから。勉強に集中したらどうです」

謙也さんが引退して、卒業まであと半年。ちょっと関係がギスギスし始める。苛立ち、焦りを感じる財前。
ほんま、アホや。謙也さんに当たってもどうしようもないんに。でも、どうしていいかわからへん。


【冬になって】
「……俺、焦ってたんすわ。謙也さんが、もう二度と手の届かないところに行く気がして」
「傷つけて、ごめんない」
「好きです、謙也さん」

年末が近くなった頃。ギスギスした関係のまま秋を越えて、決心した財前。当たって砕けろ、伝えないよりはマシだ、の精神で告白。
は?嘘やん。俺も好き、とか。なんやねん、それ。謙也さん、それって、両想いってことやん。


【いよいよ卒業】
「卒業おめでとうございます」
「なに泣いとるんですか。うわ、ブッサイク」
「……いつでも会えます。ちゅーか、会いに行きます。覚悟しときや」

晴れて付き合うこととなり、長い冬を越えて少し早い春。謙也さんには優しい顔を見せる財前。よく笑うようになった。
もう学校は一緒やないけど、家は近いんやから。会いましょう。せっかく、恋人同士なんやし。


その後なんやかんやあって。


【高二の秋】
「……東京の、大学」
「うん、わかっとります。大丈夫。中学の時みたいにはなりませんて」
「正直に言うと、寂しいですけど」

謙也さんの大学受験。進学先は都内の医大。
大阪からは、少し遠い。学生の財前が頻繁に会える距離じゃない。
めっちゃメールする。電話も毎日する。
正直言うと、寂しいけど。でも、もう大丈夫やんな、謙也さん。


【社会人になって】
「謙也さん、一緒に住みません?」
「なに慌ててんの、ちょっと」
「ええやん、同棲。ようやく俺ら落ち着いたんやし」
「これからはずっと一緒、やな?」

お互いに就職して、だいぶ仕事にも慣れた頃。
けじめもつけた。色々あったけれど、ようやく落ち着いて一緒に過ごせる時が来た。
答えははいかイエスです。拒否権はありません。
俺は実はしつこいって、謙也さん知っとるでしょ?
これからも、ずっと、ずぅっと好きやから。
よろしくな、謙也さん。




prev next

[back]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -