雪村が処理課を出る際、鼻歌を歌っていたことに気付いた柊は、珍しいこともあるもんだと首を傾げた。
「雪村さん、なんだか今日機嫌良い感じ?」
「長谷さんから処理頼まれたって言ってましたよ」
いつものことながら、処理課に居残っている新穂がそう言いながらため息をつく。
長谷の名前が出て柊は納得した。
しかし新穂は指名される雪村と自分を比べてぐだぐだする。
「いいよなぁ雪村さん。人気な上に長谷さんともイチャイチャしてるし…、俺も司さんから呼び出されないかなぁ」

今処理課に残っているのは柊と新穂の二人だけだった。
入れ替わりはありつつも、今日の出勤しているメンバーは皆指名の電話があり出払っている。
処理課で待機しているのに飽きた新穂は、自分のデスクの引き出しから棒付きの飴を出し、包装を乱暴に取って舐め始めた。
「イチャイチャって言えば…、最近間宮さんも営業部によく顔出しに行ってるね」
飴を舐める新穂を見ながら、柊は言った。
「あぁ、佐藤くんでしょ。俺同期なんッスよ。佐藤くんが最近告白したらしいッスよ。ほら、間宮さんが専務の担当になった時。あれで」
「え?付き合ってるの?」
「いや、それはまだみたいッス。でも正直佐藤くんを贔屓してるのは間違いないッスね」
「へーー。あの間宮さんが…、意外だね」
新穂は柊の顔をちらっと見た。
柊もそれに気付いて首を傾げる。
「なに?」
「柊さんは好きな人いないんスか?」
新穂は飴を舐めながら軽い気持ちで聞いた。
柊は突然の質問に顔を赤く染める。
「いっ、いないよ!」
「えー?その反応、なんか怪しいッスねー!顔真っ赤かだし!」
新穂がまじまじと見つめてくるので、柊はさらに顔を赤くした。
「もう、そんなに見ないでよ恥ずかしいから…っ!」
後輩にからかわれて柊は赤い顔を両手で隠す。
新穂は楽しくなって柊の好きな人を聞き出そうとした。
「ね、お願いッス!教えて、誰にも言わないから!」
「嘘だ絶対言うもん!」
「言わないッスよぉ!お願いお願い!お願いッス!誰ッスか?ねっ!ねっ!柊さぁん!」
「うぅ…っ」
主人に会えた時の犬のようなはしゃぎっぷりの新穂に押されて、柊は観念した。
「か、」
「か?」
「か……、上地さん………」

柊が好きな人の名前を呟いた瞬間に、処理課の扉がバーンッと開き、突然椎名とにやにや笑う佐倉が現れる。
「え?なになに?柊は上地さんが好きなの!?」
「初耳ですね」
「えーっ!!なんで聞いてるんですか!?」
柊が騒いでいると今度はシャワー室の扉がバーンッと開き、今度は真木と南が現れる。
「上地さんが好きなの?確かにかっこいいよね、上地さん!」
「ねぇ彼方、その上地ってどんな豚なの?」
「えーっ!!なんで二人でシャワー室いるんですか!?ていうかなんで皆聞いてるの!?恥ずかしいよぉっ!」
新穂だけに教えたつもりが一気に広まってしまったことに柊はパニックになった。
茹で蛸のように赤くなり、汗を掻き出す。
「大丈夫!誰にも言わないッス!」
「そうだよ言わないよ佐倉たちを信じてぇー」
新穂と佐倉がにやつきながら柊を励ます。
そんなところに用事を済ませた久遠が処理課に戻ってきた。
「おー、なんか楽しそうだな」
柊を他の処理課員たちが囲むようにして集まっているのを見ながら久遠は言った。
佐倉が嬉しそうに駆け寄っていく。
「課長聞いて!柊って上地さんが好きなんだってぇー!」
「早速!!言ってるじゃないですか!!」
柊はとてつもない羞恥心を抱きながら叫んだ。


マグカップに各々好きな飲み物を入れて、皆が柊を囲むように集まった。
今から“柊の恋が実るにはどうしたらいいか考える会”が開かれようとしている。
柊は恥ずかしさの境地に立たされていた。
「ではまず、上地さんのことが好きな理由を教えてください」
まるでインタビューのように椎名が柊に尋ねる。
柊は答えたくなかったが、全員がじっと視線を向けて待っているため、羞恥心に見舞われながら口を開いた。
「じ、実は…初めて処理したのが上地さんなんです……。指名じゃなかったんですけど、たまたま俺が当たって…。優しくしてくれたんで、それで…」
「なるほどねー。思い出の人って事かぁ」
皆が理由を聞いて頷く中、佐倉が疑問を持つ。
「ちなみに、上地さん担当の人っているの?」
皆が首を傾げながら互いを見た。
そんな中、新穂がすっと手を上げる。
え?お前が?という顔を向けられ新穂は慌てた。
「や、俺じゃなくって。雪村さんが処理してるの見たことあるッス」
雪村の名前が出て、皆が顔をしかめる。
「こりゃまたレベル高いとこきたね…」
「雪ちゃん本当人気だねー」
「長谷さんの存在があってもこの支持率とは、さすがですね」
皆が素直に発言するため、柊はさらに落ち込んでいく。
「雪村さんから奪うなんて俺なんかには無理だ……」
机に項垂れながら柊は弱音を吐いた。
「…上地は雪村だけってわけじゃねぇぞ、いつも処理の依頼はとくに指名はねぇから」
話を遠巻きに聞いていた久遠が、自分のデスクに長い脚を投げながら、柊たちに声をかけた。
それを聞いて皆の顔が一瞬にして明るくなる。
指名がないとなると、気になっている特定の人物はいないということを差していた。
「やったね、彼方!」
「頑張ろう、彼方くん!真木も応援するよ!」
「う、うぅ……っ」
周りの盛り上がりに少し怖じ気づく柊。
そんなところに処理課の電話が鳴る。
電話を取った久遠はやり取りをしながら、ちらりと柊に目を向けた。
「お?」
「もしや…?」
皆が期待する中、電話を終えた久遠はにやりと笑う。
「ちょうど上地から処理の依頼だ。彼方、お前行って来いよ」
久遠の言葉に柊は、顔を真っ赤にして立ち上がる。
「そっそんな!無理です!!に、新穂が行けば…!?」
「処理したいのは山々ですけど、さすがの俺もこの流れでは無理ッス」
新穂なら空気を読まずに喜んで処理に向かうかと思われたが、さすがの新穂も柊のことを思い気を遣った。
「俺…恥ずかしいです……」
羞恥しながら俯いてしまう柊。
「……彼方、」
そんな柊を見つめながら、久遠は名前を呼んだ。
柊は唇を噛み、ちらりと久遠を見る。
「会える時に会っておけよ。会いたくても会えない時だってあるんだからな」
「…課長……」
「そうそう、」
久遠の言葉を聞いて、真木も頷きながら柊の肩にそっと手を添えた。
「恋愛はタイミングが一番大事だからね」
「チャンスに挑まず逃げちゃだめだよ!」
佐倉にまで後押しされて、柊は上地の処理に行くことを決めた。

そしてその日から、上地の処理の依頼があれば、向こうから指名がなくとも、柊が処理へ行くこととなった。


上地は仮眠室で処理課を待ちながら、ふと今までの処理を振り返った。
恋人がいない上地は、週に二回ほど処理課に性欲処理を頼んでいる。
特に指名はせず、その時に来てくれた者に処理をしてもらっていた。
特定の処理課員に夢中になり、ただの性欲処理に恋愛じみた感情を向ける他の社員のようにはなりたくなかったのだ。
それだというのに最近は、指名をしていないにも関わらず、ずっと柊が処理にやって来る。
はじめは偶然かと思ったが、さすがに何度も来られるとそうでもない気がしてきた。
「失礼します……」
仮眠室の扉が開き少し控えめに顔を覗かせたのは、やはり柊だった。
なぜいつも柊なのか。
上地はそう思いながら、自分の元へ寄ってくる柊をじっと見つめていると、傍にくる程柊は顔を赤くした。
「そ…、そんなに見ないでください……」
「……」
不満か、と言えばそういうわけでもない。
柊は可愛い。
処理課は皆顔が整っているが、いつまで経っても処女のような恥じらう姿を見せるのは柊だけだ。
「きょ、今日は…、どうしますか……?」
「ん−、」
上地は悩むようにしながら、柊を押し倒した。
「か、上地さん…?」
上地の唇が首筋を擽る。
そしてワイシャツのボタンをゆっくり外し、肌を撫でていく。
今までは来てすぐに口や手で処理を任されていたが、自分に対して前戯に似たものをされるのは初めてだった。
柊は戸惑いを隠せなかった。
上地に触れられていると思うと体が熱くなっていく。
「どうしたんですか…?」
「べつに、どうもしないよ」
上地はそう言いながら柊の乳首にそっと吸いついた。
「あっ」
上地は吸ったり舌で舐めながら、もう片方を指で弄った。
「あ、っ、はぁ、上地さん…っ」
柊は可愛く小さな声で喘ぐ。
どうしたのか、という柊の戸惑いは上地自身にもある。
そしてそれの答えは出ていた、きっと情である。
こうも度々相手をされると、他の者とは違う目で見てしまう。
「あっ、あ…、あん…っ」
柊がもどかしそうに腰を揺らす。
目を向ければペニスが上を向いていた。
上地の目線に気付いた柊は、恥ずかしそうに身を捩る。
「乳首しか触ってないのに」
そう言って上地は柊のペニスの先を指で弄った。
「あっ、や、言わないで…っ」
体を晒し嬲られるのが本職であるくせに、柊は今でもそれを恥ずかしがる。
それを煩わしく思う男などいなかった。
上地も同じだ。そこを楽しむことに、柊と共に性欲処理をする意味がある。
「はっ、あっあん、上地さん…っ」
上地に想いを寄せる柊にとっては、上地に触れられているというその事実だけで恥ずかしさを感じた。
いつもより体が熱く、頭がぼおっとする。
何度も何度もしつこいくらいに上地の処理に赴いて良かったと、心の中で思った。
協力してくれた久遠や真木たちに感謝せずにはいられない。
「あっ!?やっ、上地さん…っ!?」
柊は驚いて声を上げた。
上地が柊のペニスを口に咥え、しゃぶりだしたのだ。
上地は処理課側に口でしてもらうことはよくあったが、自分がしてあげるのは初めてだった。
もちろんそこには、性欲処理が目的であって馴れ合いではないという考えがあったからだ。
散々男のアナルを使って性欲処理してきた上地だったが、可愛い子に限れば、口に咥えるのも案外平気だと内心思った。
じゅぽじゅぽとわざとらしく音を立ててしゃぶると、柊は耐えられないとでも言うように目を強く瞑る。
「あっあっ、やだっ、上地さんっ、俺がやりますからぁ…っ、あぁんっ」
少し抵抗してくるところが上地をそそる。
「あっ、あんっ、んんっ!」
そして嫌だとか言いつつ腰が揺れているところも興奮した。
「あっあっあんっ」
柊の脚はだんだん開いて、はしたなくよがっていった。
上地が口を離すと、唾液と我慢汁で濡れていやらしくペニスが光る。
そして視線を下ろしていくと、ピンク色のアナルが物欲しそうにひくついていた。
上地は思わずそのいやらしさに唾を飲んだ。
頬を染めぎゅっと目を強く瞑る処女のように恥じらう顔面とは裏腹に、下半身の方は快感を求めて貪欲に男根を求めて疼いている。
上地は柊のアナルを舐めようと両脚を掴み上げた。
「あっやっやだっ上地さん、こんな格好…っ、」
ちんぐり返しの体勢にされて柊はさらに赤面した。
もちろん恥ずかしがる柊だからこそ、こんな体勢をさせている。
上地は柊のアナルに舌を這わした。
「ひああっ」
想い人である上地が自分のアナルを舐めているところも、それに悦ぶ自分のペニスも丸見えになり、柊は心臓が飛び出そうなほどドキドキしていた。
恥ずかしい、それなのに興奮して息が上がる。
「上地さん…っあっあんっそんなとこ舐めちゃだめです…っ」
柊は、上地の舌がぺろぺろと行き来する度に、自分のアナルがひくひくするのがわかる。
これだけでも気持ちがいいのに、上地の手はそっと柊のペニスに触れ、シコシコと扱きだす。
「あっあっあっやんっ上地さんっあぁっだめっそんなにされたらっあっあっ」
上地に体中触られて、柊はとにかく感じまくり、そろそろイキそうになっていた。
未だ自分では上地の処理をするどころか触れてすらいない。
柊は焦った。
「上地さんっあっあんっ俺っ処理まだなのに…っあんっイッちゃうっあぁっイッちゃうぅっ」
上地はちらっと柊の顔を見た。
ばちっと涙目の柊と目が合う。
あ、可愛い。
上地がそう思っていると、柊はびくびくと痙攣した。
「あっあっやっイクッイクッごめんなさいっ俺…、イッちゃ…!」
柊はそう言いながら射精した。
自分の腹にピューピュー飛ぶ。
柊は恥ずかしい格好で、自分が先にイッてしまったことにまた羞恥した。
「あっ…、はぁ…っ、ご、ごめんなさい…、上地さん、まだなのに…、俺…っ」
上地は柊の脚を下ろすと、自分のベルトに手をかけた。
可愛らしい柊の淫らな姿に興奮した上地のペニスはがちがちになっていた。
「柊ちゃん」
「は、はい…」
「騎乗位で処理してくれる?」
「えっ」
上地はそう言うと仰向けに寝転がった。
起き上がった柊は戸惑いながら上地を見る。
「お願い」
「う……」
恥ずかしすぎる頼みも、上地が望むことならあまり抵抗する気にはなれなかった。
柊は声には出さず、こくんと頭を振って頷いた。


「んっ、はぁ…っ、あっ、」
柊は目を瞑り、ゆっくり腰を下ろして上地のペニスを飲み込んでいった。
「は、ぁ、入ったぁ…っ」
呼吸をして落ち着きながら、柊は目を開けた。
「うっ」
下から見上げる上地とまた目が合う。
ずっと見られていたかと思うとまた恥ずかしくなった。
「か、上地さんにそんなに見つめられたら…っ、おれ、動けません…っ」
頭から煙が出るのが見えるのでは、と思うほど柊は赤面していた。
「見ないわけにもいかないだろ。ほら、ちゃんと処理してくれよ」
「う…、はい…っ」
戸惑う柊の両手に、上地は自分の手を絡めた。
「ほら、握っててあげるから」
「ちょ、」
それは余計に恥ずかしいです、柊は咄嗟にそう言ってしまいそうだったが、頑張って堪えた。
もちろん恥ずかしいが、それ以上に幸せを感じたのだ。
「んっ」
柊は羞恥に耐えて腰を上下に動かしていった。
上地の硬いペニスを自分の意思で出し入れしているのかと思うと興奮する。
躊躇っていたくせに、繰り返していくうちにどんどんペースが速くなっていった。
「あっあんっ、あんっ、上地さんっ、気持ちいいですか…っ?ぁぁんっ」
「うん、最高」
上地に褒められて柊は照れた。
もっと喜んで欲しくて、いやらしく腰をくねらせる。
「はっ、ぁんっ、あんっ、あぁっ、俺っ頑張るからぁ…っいっぱい気持ち良くなってください…っ」
「……」
上地は潤んだ目で見つめてくる柊を見て、心の奥がきゅっと狭くなった。
上地は疎くない。
どちらかと言えば鋭い男である。
柊が処理に来る回数が多い理由は、この懸命な姿を見ていれば大体察してくるものだ。
「俺も動いて良い?柊ちゃん」
「え、」
上地は柊と手を握り合ったまま、下から柊の体を揺さぶるように突き上げた。
「あぁんっ!」
柊はペニスで中を抉られて目を見開いた。
悦ぶようにきゅんきゅん締まるので、上地も堪らない。
上地は腰を振りグチュグチュと音を立てて中を突きまくった。
「あぁんっあっあんっ上地さっあんっ激し…っ!あぁんっあっあぁんっ!」
繋がれた手は汗ばんでいた。
上地はぎゅっと握り直して腰を振る。
柊の揺れるペニスから透明の液体がぴゅっぴゅっと飛んだ。
「あんっあぁんっ上地しゃっあぁんっおちんぽすごいぃっ!あんっあぁんっお尻っ悦んじゃうよぉ…っ」
自分の上で跳ねている柊を見て、上地は口の端を上げて舌舐めずりをする。
「柊ちゃん、めちゃくちゃエロい顔してるよ。ちんこも穴もぐちょぐちょなの丸見えだし」
意地悪なことを言うと、さらに柊の中が締まる。
「あっあっやらっ見ないれっおちんぽされてる顔見ちゃらめれすっあぁんっだらしないとこっ、見ないれぇ…っ」
大好きな上地に醜態を晒していると思うと柊は泣きそうになったが頭の中も体も興奮しまくっていた。
「そんなに締めたらイッちゃうよ、」
上地は射精感に襲われて腰を速く動かした。
パンッパンッと肉がぶつかる音がする。
「あっあっイッてぇ、おれのっお尻の穴でイッてくらさいっ」
「うん、中出しされて感じる顔、見てあげるからね」
「えっあぁっだめぇっあっあっ雌顔見ちゃらめれすぅっ!あんっあんっあんっ!らめぇえっ!」
柊は手で顔を覆いたかったが、繋がれていてそれは叶わなかった。
上地のペニスから飛び出した精液が、どくどくと中に注がれて、柊はびくびくと痙攣した。
「あっあっ上地しゃっあはぁんっおちんぽせーし出てるぅっ、あぁんっ」
柊は中出しされ、それに感じている顔を見られ、羞恥心が高まり射精した。
上地の腹の上にぽたぽたと落ちていく。
「んっ、はぁ…っ、あっ、上地さん…っ」
上地は手を離すと、自分の上に倒れ込んできた柊をそっと抱きしめた。
「気持ち良かったですか……?」
柊の小さい言葉に、上地は頷きながら髪の毛を撫でた。


「上地さーん、例の資料出来ましたぁ」
廊下を歩いていると、後輩の吉川が後ろから呼び止めてきた。
「おー、おっせぇぞ」
「いやぁ、すいません」
上地は近頃頬が緩みっぱなしの吉川を睨んだ。
「へらへらとアホ面下げやがって…」
「ひどくないですか?」
上地は立ち止まり、資料に目を通す。
すると、どこからか喘ぎ声が聞こえてきた。
「あぁんっあっそこらめれすぅっ!」
この会社では日常茶飯事だが、やはり近くで聞こえると目を向けてしまう。
上地と吉川は、近くにあった会議室の中を覗く。

「ここ?柊ちゃんはちんこでここ突くと嬉しいの?」
「あっあっらめっらめっそこゴリゴリやめてぇっ」
「そんなこと言ってぇ、おちんちん喜んでるよぉ?」
「可愛いなぁ、柊ちゃん」
会議室の中では複数の社員が、柊の体を嬲っていた。
「あっあんっ見ないれっおちんぽ感じちゃうからぁっ」

「……………」
「柊さんって、いつも複数の人にああやって体中弄くり回されてますね」
黙る上地に、吉川は何も考えずに言った。
「処理課の人って、大変ですよね」
「…ま、それが仕事だからな」
上地はそう言って、吉川の資料にまた目を戻した。
上地はどこか強がっている。
おそらく自分に想いを寄せて献身的な性欲処理をしてくれる可愛い男は、違う時間には、違う者に可愛がられている。
それに対して嫉妬はしないが、上地の中にもやもやとした複雑な気持ちが生まれる。

“処理課を好きになるのだけはやめとけよ”

上地は、いつか自分が吉川に言った言葉を、心の中で何回も唱えた。

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