綾瀬


飯倉が出席した会議にも、いつもように処理課の人間がテーブルの下に潜り込んで社員の処理をしていた。
しばらくすると飯倉の股間がそっと撫でられた。
どうやら順番が回ってきたらしい。
そして拒まないでいるとスラックスのチャックがおろされる。
ペニスをまさぐられ露わにされると、その処理課員は熱く濡れた口内で包んだ。
「ん……、」
吸いつくような、貪るようなフェラに飯倉は眉間に皺を寄せた。
会議中にこんなフェラをされたのでは意識は全てそっちに移ってしまう。それくらい気持ちが良く、飯倉は必死でしゃぶっているその処理課員の口の中へ思い切り射精した。
最近抜いていなかった飯倉の精液は濃く、口内射精された処理課員は咳き込んだ。
「…………」
飯倉は少し椅子を引き、机の下に誰がいるのか周りから目立たないようにこっそり目を向けた。
「けほ……っ」
飯倉の股の間にいたのは、以前同じ部署でライバルだった綾瀬だった。


飯倉は会議のあとすぐに綾瀬を仮眠室まで呼び出した。
ベッドの上で待っていたのが飯倉だとわかった途端、綾瀬は露骨に嫌な顔をした。
「なんでわざわざ俺を呼ぶんだよ、」
処理課には何人もの男がいるというのに、同じ部署だった男に頼むなんて悪趣味だと、綾瀬は思った。
「お前ってさぁ、なんで処理課に行かされたのに辞めねぇの?」
「早速ちんこ出してる男が訊いてくることじゃねぇよな」
飯倉はペニスを出すと、綾瀬に会議の時のように口でするように指示した。
「…………、」
渋って行動出来ず突っ立ったままの綾瀬を見かねた飯倉は、手を引っ張り無理矢理ベッドの上に乗せた。
「なにすんだよ…っ」
「お前がちんたらしてるからだろ。ほら」
飯倉は綾瀬の頬にぐりぐりとペニスを擦り付けた。
「っ、離せ…、自分でやる…っ」
綾瀬は飯倉を睨みつけながら髪を耳に掛けると、飯倉のペニスの先をそっと口に咥えた。
「……」
飯倉はネクタイを外し、ワイシャツを脱ぎながら、自分のペニスをじゅぽじゅぽとしゃぶっている綾瀬の顔をじっと見つめた。
「お前嫌じゃねぇの?」
元々飯倉と綾瀬は前の部署で啀み合っていた。
そんな男のペニスを少し文句を言う程度で咥えるなんて、飯倉は自分で頼みながらも綾瀬の行動が不思議でならなかった。
「嫌に決まってんだろ」
「ふぅん…」
飯倉はふと、綾瀬がもじもじしているのに気付いた。
足の先で綾瀬のペニスをぐりっと弄る。
「あんっ」
綾瀬の体がびくんっと跳ねた。
「そう言いつつもうガチガチじゃねぇか」
「あっあっや、めっ…あっ」
綾瀬のペニスはすでに勃起していた。
飯倉は硬くなった綾瀬のペニスを足で弄る。
「て、め…、このまま噛み切るぞ…っ」
綾瀬は飯倉を睨みつけた。
しかしその表情は既に快楽を求めてとろりと溶け始めていた。
「美味しそうにしゃぶってるくせによ、」
飯倉は自分のペニスを掴むと、綾瀬の唇に先端を擦りつけた。我慢汁が唇を濡らす。
綾瀬は嫌がり唇をかたく閉じたが、飯倉を見る目は熱っぽかった。
「…お前そんなエロい顔してたっけ…?」
口の端を上げて笑った飯倉の表情には余裕が少しなくなりつつあった。
飯倉は体勢を変えて、綾瀬を仰向けに寝るように無理矢理押し倒した。
「ちょっ、」
いきなりのことに綾瀬が戸惑っているのを飯倉は無視して、綾瀬の脚を大きく開かせる。
「処理課に左遷されて結構経つけど…やっぱりすげぇエロくなってんなぁここ」
飯倉はそう言いながら綾瀬のアナルに指を挿入した。
事前に解されているアナルは飯倉の指を簡単に飲み込む。
「あっあっやめっ、掻き回すなぁ…ぁんっ!」
ぐちゅぐちゅといやらしい水音がする。
「まんこみてぇにヒクつかせてるくせに抵抗してんじゃねぇよ」
飯倉は指を抜くと、すっかり硬くなったペニスを綾瀬のアナルへずぶっと挿入した。
「んぁあっ」
綾瀬は声を上げると同時に射精した。
飯倉にとっては早いように思えたが、ここに来る直前にアナルを弄くり回していた綾瀬からすればようやくの射精だった。
「ちんこ挿れられてイくとか…とんだ淫乱だなお前」
「あっあっうる、さ…っあぁんっ!」
まだ飯倉の言葉に反抗は見せるが、綾瀬の顔はもう快感に負けていた。
飯倉は腰を振り綾瀬の中を抉るように突く。
内壁をごりごり擦るように抜き差しをされると、綾瀬は腹をきゅんきゅんさせてしまう。
「ぁぁぁ…っあっ、あんんっあぁんっ」
綾瀬は射精したというのにまたすぐに勃起していた。
飯倉は元ライバルのいやらしい姿を見て体が熱くなる。
「あぁっいっ、い、くらぁ…っあぁんっ!あっあっあんんっ!」
「は、ぁ…、すげーうねってる…っ」
「あぁんっ」
色のある喘ぎ声を出す綾瀬の口の中から、赤い舌が濡れているのが見える。
飯倉は身を倒すと綾瀬の唇に吸いつき、そしてその赤い舌を求めて自分の舌を侵入させた。
綾瀬の喘ぎ声は聞こえなくなるが、変わりにとでも言うように綾瀬の手が飯倉の肩から背を撫でていく。
漏れる息に飯倉は眉間に皺を寄せた。
綾瀬は何も考えられなくなっていた。
ライバルだった男に口の中もアナルの中もぐちょぐちょに犯されているのに、悔しさなどはもうなかった。
飯倉が与えてくる刺激にだけ綾瀬は反応を見せる。
「ん、は…っ、」
口が離され酸素を求める綾瀬の顔を見ながら、飯倉は綾瀬の肌に手を滑らせて乳首をそっと撫でる。
「あっ、あんっ」
気持ちよさに目を瞑る綾瀬を見て、飯倉は心の中をもやもやさせた。
「お前さぁ…。本当に、なんで辞めねぇんだよ」
腰の動きをゆっくりしつつ中を攻めると、綾瀬は悩ましげな表情で飯倉を見上げた。
「普通辞めるだろ、処理課に左遷なんてよ。嫌がらせじゃねぇか」
「っ、あっ…、し、かた、ないだろ…っ、あっんっ、」
「なにがだよ、」
「だ、って、疼くんだよ…っ、嫌なのに…っ穴の中…っ切なくなって…っ、あっ、欲しくなっちまう…っ」
綾瀬に蕩けた顔で、快感に震えながらそう言われて、煽りと受け取った飯倉は中を思い切り突き上げた。
「んぁあっ!あっあん!」
「そんなんだから…っ、柏本たちに嫌がらせされるんだぜ、」
苛立ちをぶつけるように飯倉は腰を振る。
綾瀬は激しく揺さぶられながら中を抉られることに興奮していた。
「あぁっ飯倉っあっあっそこっあぁっそこっ気持ちいいっあぁあんっ」
「なぁ…っ、辞めろよ、処理課なんて…っ、」
「あっあっむりっあんっあぁんっちんこっ欲しいからぁっあっあんっ」
「…ちっ、」
飯倉は舌打ちすると、綾瀬の腕を引っ張り起き上がらせた。
座位に変えて、途中で抜けたペニスを挿入し直す。
「んんっ…」
奥まで入り込んできた飯倉のペニスに綾瀬は声を漏らす。
快感に震える体をごまかすように、綾瀬は飯倉の肩に腕を回した。
「お前の辞められない理由とかどーでもいいんだよ、綾瀬」
頬に息がかかるほどの距離で綾瀬を見つめながら飯倉は言う。
「…、な、に…っ、」
「俺が見たくねぇんだよ、お前が他の奴に、触られてるとこ」
いつもの憎たらしい笑みを消して真面目な顔でそう言う飯倉を、綾瀬は見つめ返す。
「…、っ、どういう意味……、」
飯倉は次の言葉を言う前に綾瀬の中を突き上げた。
「あっあぁんっ!あぁっ!」
「っ…、」
「んぁっあっ奥っ奥っあぁんっ!突くのいいっあぁっ!」
疑問をすぐに吹っ飛ばして綾瀬は中を擦られる快感に酔いしれる。
「んひっひぁっあぁんっあんっ飯倉っあっあっ飯倉ぁっ!」
綾瀬はぎゅっと飯倉に抱き付いた。
お互いの体温は熱く、汗でしっとりと濡れていた。汗と汗が混じり合うのを感じながら、二人は重なり繋がりを深くする。
「あんっあっもっイッちゃ…っ、あんっイク…っイクぅ…っ!」
「はえーよ、」
「き、もちい…っあっあっれちゃ…っあっあぁっ」
飯倉に力強く抱き付きながら、綾瀬は二回目の射精をした。
「……、」
飯倉は腕の中で震える綾瀬の肩に噛みついた。
「いっ!」
驚いた綾瀬は、さらに飯倉がそのまま中で射精をしたことにさらに驚いて、飯倉の後ろにある壁を熱い息をしながらぼんやりした目でじっと見ていた。


「先、行くから」
「…おー」
「………」
ベッドに寝転んだままの飯倉を見ながら、綾瀬は仮眠室の扉を開けた。
飯倉は綾瀬の後ろ姿を見ずに、出て行く音だけを聞いていた。
「あっ綾瀬いるぜ」
「おっ、ほんとだー」
綾瀬が扉を閉める音がまだしないうちに、外から社員たちの声が聞こえてくる。
「今処理課誰もいねぇんだよなぁ、処理してくれよー」
渋る綾瀬に社員たちが軽い口調で頼み込む。
「な、お願ーい、口だけでいいから」
「ほんとかよー」
社員たちがにやにやしながら笑っているのを、綾瀬は不満げに見ていると、突然後ろからぐいっと腕を引っ張られた。
「わっ」
扉の向こうに消えていく綾瀬を見て社員たちも驚く。
そしてそのまま扉は勢いよく音を立てて閉まっていった。
「…中、誰かいたのかな?」
「さあ……」

社員たちが首を傾げながら見つめる扉の向こうでは、自分の手を強く掴んでいる飯倉を、綾瀬が見つめていた。
「な、んだよ、」
「…やっぱまだする」
「はあ?」
綾瀬は嘘かと疑ったが飯倉は真剣な顔をしていた。
「足腰立たなくしてやる」
「え?ちょっ…」
手を引っ張られまたベッドに連れ込まれて、綾瀬はわけがわからなくなった。
「他の奴相手するなよ、」
「だ、から…っ、さっきからどういう…っ」
綾瀬の言葉は、飯倉が唇を塞いだために続かなかった。


back

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -