佐倉



「佐倉、乃木さんがお呼びだ」
久遠の言葉に、佐倉は青い顔をした。
いつも指名されるとルンルン気分で処理課を出ていく佐倉のその珍しい反応に、新穂は首をかしげる。
「どーしたんッスか、佐倉さん」
新穂の問いかけに久遠はくくっと笑う。
「乃木さんはなぁー佐倉のことえらく気に入っててな」
久遠はそう言いながら思わず吹き出して笑う。
佐倉は他人事のように笑っている久遠をじろりと睨み付けてから、処理課をあとにした。

乃木は、五十代の温厚な男である。
既婚しているが子どもがいない。
そのため、容姿が幼い佐倉のことを自分の子どものように可愛がっている。
今日のように時間を見つけては処理をさせないで、ひたすら佐倉にお菓子を与えたり一緒に遊んだりしているのだ。
佐倉もはじめのうちはきちんと相手をしていたが、これがずっと続くとだんだん面倒になり、最近では乃木の姿を見つけると思わず隠れてしまうほど苦手な相手となった。
「早く終わるといいけど…」
そう呟きながら、佐倉は乃木がいつも呼び出す応接室の扉を開けた。
「おー春吉くん!よく来たねぇー!」
「乃木さぁーん!」
にこやかに手を広げて待つ乃木に、佐倉は満面の笑みでテトテトと走り飛び付いた。
このスイッチの切り替えよう、さすがプロだな…と佐倉は自分で思った。
「ほら、春吉くんが好きなチョコレートだよ!」
「わぁい!嬉しいなぁっ」
佐倉は小さな手でそれを受け取る。
「食べていい?」
「もちろんだ。いっぱい食べなさい」
「ありがとー!」
佐倉は銀紙をはずしてチョコレートを嬉しそうに食べた。
実際チョコレートは嬉しいのだが、乃木の膝の上に座らされながらなのが佐倉は嫌だった。
そんな佐倉の気持ちも知らず、乃木はにこにことチョコレートを食べる様子を見ている。
「春吉くん」
「なーに?」
佐倉はにっこり笑いながら首をかしげる。
乃木も微笑む。
「君さえ良ければなんだが…私の子どもになってくれないかな」
乃木の言葉に佐倉は固まる。
「どういう意味…?」
「養子縁組を」
乃木の言葉を最後まで聞かずして、佐倉の精一杯の笑顔は引きつった。
乃木だけが希望に満ちた顔付きである。
「私には子どもがいない。だが君と出会ってつまらないと思っていた人生が今とても明るくて楽しい。君を養子にして本当の親子になりたいんだ。仕事とは言え、君がいたいけな体で社員たちの性欲の捌け口にされているのも、胸が痛む…。私の子どもになってくれたら、君はずっと家で穏やかに暮らせるだろう」
佐倉はとにかく、言葉が出なかった。
ゆっくり考えてみてくれないかな、と乃木が言ってその話は終わった。
佐倉は悩んだ。
何と言って断るかを悩んだ。
それも一回で諦めてくれる言葉でないと意味がない。
なにかないだろうか。
佐倉は夢中でチョコレートを食べる振りをして考えた。

「さ、春吉くん。なにして遊ぼうか」
いろいろなおもちゃを出してきてにこやかに笑う乃木。
積み木や機関車のおもちゃを見て、佐倉はやっぱりこれ以上付き合うのは無理だ、と実感した。
「乃木さん…」
佐倉は意を決して乃木の名を呼ぶ。
今度は乃木が首をかしげた。
「もっと違う遊びがしたい…」
「いいとも。なにがしいんだい?」
微笑む乃木に、佐倉は現実を突きつけた。
「おちんぽしゃぶりたいの」
「なっ」
乃木は驚いた。
息子のように可愛がっていた佐倉からこんなことを言われるとは思ってもみなかったのだ。
「何を言っているんだ!君はそんなことをしなくていい!」
「さくらがしたいの!」
佐倉はそう言って乃木から下りると、乃木のペニスをまさぐった。
取り出した乃木のペニスはなんの反応も見せていなかった。
「春吉くん!やめるんだ!」
「いただきまーす」
佐倉は無邪気にそう言って乃木のペニスをくわえた。
「うぅっ!」
乃木が呻く。
佐倉は手で擦りながら先端をちゅぷちゅぷとしゃぶった。
くちゅっちゅぷっくちっちゅっちゅぷっちゅっれろぉっぺろっれろっじゅっじゅるるっ
刺激しまくるとだんだんかたくなっていくペニス。
「やめなさい…っ」
佐倉はある程度勃起したところで、根本までくわえこんだ。
頭を上下に動かすと、喉奥まで乃木のペニスが当たった。
じゅぷっじゅぽっじゅるっにゅちゅっくちっくちゅっじゅぽっじゅぽぉっ
「あっ…や、やめるんだ…っ!春吉くん…っ!」
「はぁ…っ乃木さんのおちんぽもうカチカチだよ…?」
口から抜くと、乃木のペニスは天を向き汁と唾液でテラテラ光っていた。
「これは、」
「奥さんとずっとしてないんだよね?
一人でも?」
「君にそんなことを言う必要はない…っ」
いいからやめなさい、と続ける乃木に構わず佐倉はペニスを小さな手で擦り上げながら睾丸を優しくくわえた。
乃木が声を上げる。
「おひんぽ、ビクビクひてる…っ」
佐倉は乃木のペニスの先端を指でちょんちょんとつついた。我慢汁が糸を引く。
「あっ、あぁ…っ!」
乃木は体を震わせて射精した。
佐倉に言われた通り久しぶりだった乃木の精液は溜まりに溜まって大量に噴き出した。
佐倉の顔にも精液が飛ぶ。
「乃木さん、気持ちよかった?」
自分の精液を顔につけて笑顔を向ける佐倉を、乃木は複雑な気持ちで見た。
佐倉が処理課で、普段どういう仕事をしているのかきちんと理解をしているつもりではあった。
しかしいざ自分の身でそれを体験すると、複雑である。
子どものように可愛がっていた佐倉に処理をされるなんて。
乃木は乱れた息を整えようと呼吸した。
「まだ終わりじゃないよ」
それを佐倉が邪魔をする。
佐倉は後ろに手を回してアナルを広げた。
「ここに乃木さんのおちんぽ入れて…っ」
乃木の体を跨ぐ佐倉。また乃木が慌てる。
「春吉くん、だめだ…!」
「お願い、おちんぽでショタマンコぐちゅぐちゅしたいのっ乃木さんのおちんぽで遊んでぇ」
「春吉くん…っ」
言葉では抵抗しているのに、佐倉とこんなことはしたくないという気持ちもちゃんとあるのに、乃木はなぜか乱暴に振り払うことが出来なかった。
小さな佐倉に力で負けるはずがないのに、行動に移せなかった。
佐倉は腰を下ろして朝から解してあるアナルへ乃木のペニスをハメていった。
「くぁあっ」
ペニスがあたたかいものに包まれていく感覚に乃木は呻く。
「ぃっあぁっおちんぽきたぁ…っ」
佐倉はずぶずぶ進めて根本までぴっちりくわえこんだ。
こんな小さな体なのに、と乃木は思った。
「はっあぁっ乃木さんっ動くよぉ…?

佐倉はそう言って跳ねるように腰を動かした。
「ふぁあっあぁっあはっあはっあはっ」
じゅぷじゅぷっぐちゅっぬぢゅぅっぱちゅっぱちゅっにゅぷっじゅぷじゅぷっ
いやらしい音が応接室に満たされる。
「あんっあんっ乃木さぁんっあんっショタマンコいいよぉっ!あぁんっおちんぽいいっ!」
「春吉、くん…っ」
本当の親子関係になりたかった佐倉が自分のペニスをくわえこんで喜んでいる姿に、乃木は心を痛めた。
しかしなぜだか絶望はしていない。
本当ならばショックなはずなのに、なぜだかペニスは萎えることなく、むしろ今までにないくらいカチカチになりそそり立っている。
背徳感というやつだろうか、と乃木はぼんやり思った。
「あんっあぁんっおちんぽぉっあぁんあひっあひっあひぃんっ」
佐倉が顔を火照らせて喘ぐ。
実際の年齢は大人だが、見た目は完全に子ども。
テクニックも知識もあるのは当然だが、やはり見た目だけに目を向けると、こんないたいけな子どもがペニスによがる姿は異様だった。
「あぁんっ乃木さっ乃木さぁんっ」
佐倉が乃木を呼ぶ。視線で答える乃木。
「あんっさくらのっあぁんさくらのおちんぽ触ってぇっくちゅくちゅいじってぇ!」
そう言われ乃木は目線を佐倉のペニスに移す。
小さなペニスが反動でぷるんぷるんっと跳ねている。我慢汁もぴゅっぴゅっと飛んでいた。
「乃木さんっあはぁんっお願いぃっ」
乃木は唾を飲んだ。
躊躇いながら、乃木は佐倉のペニスに手を伸ばした。
「ひゃぁあんっ」
先端を指の腹で撫でただけで佐倉は声を上げた。乃木は中がきゅんっと締まったのが分かった。
ぱちゅっぱちゅっくちっくちっぬぢゅっじゅぷじゅぷっぬちっぬちぃっくちゅくちゅっぱんっぱちゅっぬちゅっくちゅぅっ
ペニスを扱く音とペニスが出入りする音がうるさく鳴る。
「あぁんっ乃木さっ乃木さんっイッちゃうっミルク出ちゃうっ!ひゃあぁんっ」
きゅうぅっと中を締め付けながら佐倉は射精した。
びゅるっと勢いよく出た精液は乃木の手を汚した。
「春吉くん…!」
乃木はぎゅっと目を瞑った。
佐倉の中に乃木の精液が注がれる。
射精した瞬間、二人の間の何かが壊れたが、乃木は不思議と気持ちがすっきりしていた。

「私が間違っていたみたいだ」
身なりを整え気持ちも落ち着いた頃に、乃木は言った。
佐倉は乃木を見つめる。
乃木は佐倉を見なかったが表情はどこか爽やかだった。
「君はきちんと仕事を楽しんでいるんだね。そこから遠ざけようなんて、私は君のことを全然わかっていなかった。そんな私が君の親になろうとしていたなんて、本当、恥ずかしい話だ。さっきの話は、忘れてくれ」
「乃木さん…」
「ただ、やっぱり君は私の希望なんだ。たまにでいいから、会ってくれないかな」
乃木は佐倉の方を向いて微笑んだ。
佐倉も笑う。作り笑顔ではなかった。



二週間後、佐倉はまた乃木に呼ばれた。
以前よりは足取りも軽い。
応接室の扉を開けると、乃木が笑顔で待っている。
「やぁ、春吉くん。今日はどれで遊ぶ?」
乃木は箱をひっくり返した。
中から大人のおもちゃがじゃらじゃら出てくる。
佐倉は一気に顔を青くした。
「今まで子どもっぽいおもちゃを用意していて悪かったね。君も見た目は幼いが年齢は聞いたところなかなからしいから、こっちのおもちゃを用意してみたよ」
乃木のどこかすっきりとした笑顔に佐倉も笑顔を向けたが、今までにないくらい引きつっていた。

back

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -