群青の海戦の同人誌を描く腐男子


俺は生粋のアニメオタク。
部屋にはポスターやフィギュアを飾りまくっている。
どちらかと言えば美少女アニメが好きだったのだが、ある日妹の部屋で見つけてしまったBLの同人誌を読んでからは腐男子になってしまった。
決して俺自体はホモではないが、アニメに出てくるかっこいいキャラクター達が愛し合いセックスをして乱れる姿に萌えを感じてしまったのだ。

妹が持っていた同人誌は、最近話題のアニメ『群青の海戦』の二次創作もの。
男前な戎脇大佐×可愛いドジっ子佐仲一等兵。
見つけた瞬間、俺は「腐女子キモッ!」と心の中で叫んだ。
しかし興味本位で俺はページを捲った。
その内容は以下の通りである。



「たっ、大佐…っ!なんですかこれっ!?」
ベッドの上に手錠で拘束された佐仲一等兵。手首を動かしジャラジャラと手錠をアピールする。
ベッドの前に立っている戎脇大佐。
「いつまでもドジを踏む罰だ一等兵。お仕置きしてやる」
「おっ、お仕置きって…!?はぅっ」
ブーツのままベッドに上がった戎脇大佐は佐仲一等兵の股間をぐりぐり踏みつける。
顔を歪ませる佐仲一等兵。
「あっ…大佐ぁっ…!いっ痛い…っ!」
「軍人が弱音を吐くな」
「あっ…んぅ…っだっ、だって…!くぅ…っ」
痛がる佐仲一等兵。顔を上げて悲痛な声を出す口から涎が垂れた。
「ふん」
戎脇大佐は鼻で笑い、足をどけた。
「本当に痛いのか…?踏まれただけでこんなにかたくしやがって…」
戎脇大佐が佐仲一等兵の下半身を脱がせる。現れたのは勃起したぺニス。
「やっ…あっ違っ…!」
「なにが違うんだ?このエロガキ」
「ふぁ…っ」
戎脇大佐が手袋をはめたまま佐仲一等兵のぺニスを握る。先端をくりくり撫で回すと佐仲一等兵が体をビクビクさせる。
「あっやぁっ大佐っ!だめっダメですっ」
クチクチックチュックチュッ
だらだら溢れ出す我慢汁が戎脇大佐の手袋を汚す。
「あっ…あぅっ大…、佐ぁ…っだめぇ…っ」
涙目になりながら訴える佐仲一等兵。
戎脇大佐は容赦なく擦り続けた。
「やっ、もっだめ……っ!イッちゃ…、あぁあっ!」
佐仲一等兵は目をぎゅっと瞑りながら、戎脇大佐の手の中で射精した。
はぁ、はぁと息を荒くする佐仲一等兵。
戎脇大佐は精液まみれの手袋を見つめた。
「お前の汁でぐちょぐちょだ」
戎脇大佐が口にくわえて手袋を外す。
濡れた手袋を見て佐仲一等兵は顔を真っ赤に染めた。
「す、いませ…っ、ぃあっ!」
戎脇大佐の舌が佐仲一等兵のアナルを這う。
驚いた佐仲一等兵が目を見開きながら自分の股の間に顔を潜り込ませている戎脇大佐を見た。
「たっ、大佐…っそんなとこ…っき、汚いです…っ!」
クチュックチュッヌポッヌポックリッグリッ
「あっ…ぁっ!大佐…っだめっダメぇ…っ!」
「ダメ、ダメ…。そればっかだなお前は」
「っ大佐…!」
「腑抜けが…」
戎脇大佐はそう言って舌の代わりにぺニスを挿入した。


そのあとはもうハートが飛びまくりの喘ぎ声とともに佐仲一等兵がぺニスでぐちゃぐちゃにされていた。
そしてなぜかこんな強姦チックでも恋に落ちる都合の良さに、もはや感動すら覚えた。

しかしだ。
腐男子になった今いろんなBLものを漁っているが、やはり好みってもんがある。
『群青の海戦』ではやはり戎脇×佐仲が人気のようだが、この二人は典型的なイケメンと可愛い男。
俺は可愛い男が受けなのも好きだが、出来たらやさぐれているような奴が受けている方が良い。しかも下剋上とかだとなおのこと良い!
だから俺は佐仲一等兵×飛鳥少尉のカップリングを推している。
この飛鳥少尉、少尉よりも体格ある瀧川中尉とセットのような形なので瀧川×飛鳥の方が主流になっているが、俺はあえてたまに絡みのある佐仲×飛鳥に多大なる萌えを感じている。
しかし少ない。
『群青の海戦』の同人誌が今市場を騒がせているとは言え、カップリングには偏りがある。
もっぱら戎佐か滝飛の同人誌ばかり。
佐飛はごくわずか。
どれも素晴らしい出来の同人誌だが、数が少なくて物足りない。
そこで俺はついに、自分で描くことに決めた。


以下が俺の描いた薄い本である。


「飛鳥少尉!」
廊下で見かけた飛鳥少尉の名を呼びながら駆け寄る佐仲一等兵。
笑顔の佐仲一等兵とは違い無愛想な顔で振り返る飛鳥少尉。
「少尉…っ、あの、ちょっといいですか…っ!」
人通りの少ない場所に連れてこられた飛鳥少尉は、後ろから自分に触れようとした佐仲一等兵に蹴りを入れた。
「なんだ」
「や…、抱き付こうとしただけなんですけど…っ」
「一等兵の分際で俺に触るな」
「無理です…っ」
飛鳥少尉のきつい一言にも怯まず、佐仲一等兵は後ろから抱き付いた。
そして耳元でぼそっと呟いた。
「俺、我慢できません…。もうダメです…っ」
「…またそれかよ」
呆れる飛鳥少尉。
しかし飛鳥少尉は許可を出し、佐仲一等兵に抱かれることにした。
「ほ、本当に良いんですか…っ!?」
顔を真っ赤にしながら興奮している佐仲一等兵。
「勘違いするんじゃねぇ。てめーが肝心な時に発情したら困るからな」
「少尉…っ」
佐仲一等兵は飛鳥少尉の言葉が頭に入らないくらい気持ちが昂っていた。
早速飛鳥少尉を脱がして、飛鳥少尉の乳首をこねくりまわした。
「ぁっ、てめっ、そんなとこ触るな…っ!んぁ…っ!」
「はぁ、少尉…っ少尉…!」
首や鎖骨にキスを落としながら指先でくりくりする佐仲一等兵。
飛鳥少尉は指を噛んで声が出ないよう耐えた。
「もっ、クソ仲ぁ…っそこ、もういいから…っ!早くシろ…っ!」
飛鳥少尉の言葉を無視して佐仲一等兵はだんだん主張してきている飛鳥少尉のぺニスを握った。
「少尉のおちんちん、濡れてる」
くち、といやらしい音を立てながら佐仲一等兵は飛鳥少尉のぺニスを擦った。
「あっや、やめろ…っ俺のはいいから…っ!はぁ…んっ」
「少尉…、すごく美味しそうです」
佐仲一等兵はそう言うなりぱくりと飛鳥少尉のぺニスを口にくわえた。
じゅぷじゅぷ、くち、にゅくっちゅっぢゅるるっ
「はっ、あぁ…っ!くっ、ぁぁ…っ!やめ、ろ…ぉ」
飛鳥少尉は息を荒くする。
絶対にこいつなんかにしゃぶられたくらいでイクもんか、そう思いながらも本能のまま夢中でしゃぶる佐仲一等兵の口内はたまらなかった。
「は、ぁ…、も、やめ…っ佐仲…っ!」
飛鳥少尉はびくびくしながら、自分の股間に顔を埋めている佐仲一等兵の髪の毛を力なく掴んだ。
「そ、んな…っしたら…っ!あぁ…っ」
じゅぷじゅぷぢゅるっじゅぽちゅぽっ
「く、そ…っ、出、る…っあぁぁ…っ!」
ぎゅっと目を瞑った飛鳥少尉のぺニスから精液が飛び出す。佐仲一等兵はそれを躊躇いもなくごくんと飲み込んだ。
「この、エロガキ…っ!人の話を聞け…っ、んぁっ!」
飛鳥少尉が文句を垂れている合間に、佐仲一等兵は自らのぺニスを晒し、飛鳥少尉のアナルへ擦り付けた。
「少尉、少尉…っ!」
全く話を聞いていない佐仲一等兵の様子に唖然となる飛鳥少尉。
「おい…っ、しゃぶったくせにこっちは慣らさねぇつもりかよ…っ!?」
早速挿入しようとする佐仲一等兵。
止める飛鳥少尉の声はもはや届かぬほど興奮していた。
「佐仲…っ!んあぁっ!」
飛鳥少尉のアナルへ侵入する佐仲一等兵のぺニス。
飛鳥少尉に痛みが走るが、さすがに一等兵には痛がる姿を見せることが出来なかった。
プライドと見栄で飛鳥少尉は佐仲一等兵の侵入に耐えた。
「は…っ、このっ、バカ一等兵…っ!うっ…!」
絞り出した文句ももはや佐仲一等兵は聞いていない。
息を荒くして、早速腰を振る。
ぐちゅっぬぽっくぽっぐちゅっぐちゅんっぱちゅっぬぢゅっぐちゅっ
「あっあっあっ佐仲っあっあうっちょ、待っ…!」
「はっ、はぁ…っ、少尉っ少尉…っ!」
ぬぽっぐちゅっぬちゅっぱんっぱちゅんっぱちゅんっぬぢゅっ
「あんっあっあっコラぁ…っあっあぁん…っ!」
痛みを掻き分けるように快感が押し寄せる。
若い佐仲一等兵の腰使いは荒々しく、しかし野生のようなそれに、飛鳥少尉は淫らさを感じた。
悪態をつきながらも、飛鳥少尉は脚で佐仲一等兵の体を挟んだ。
「あんっあっあぁ〜っ!そこっ、あっんぁあっ!」
「少尉…っダメ、そんなっ締めたら…っ!はぁ、俺っイッちゃいます…っ!」
「あっはぁっんっんっんぁあっ!はぁっ、んんっあぁっ!あぁんっ」
「中っ、中出していいですか…っ!?
はぁ…っ、くっ、はぁ…っ!」
飛鳥少尉のアナルの良さに耐えきれず、佐仲一等兵は中で射精した。
「あっあぁんっ…!っ〜〜〜…!!」
飛鳥少尉も体をぞくぞくさせながらまた射精する。鍛えられた腹筋の上に、精液がぱたぱたとかかっていった。



そのあとはもちろん文句を言いながらも少しデレる飛鳥少尉と佐仲一等兵のラブラブ具合を書いて締める…というお話だ。
驚くことにこの同人誌、なかなか売れた。
一番ウケるのが、妹の部屋に新しい同人誌がないか漁りに行ったら俺が描いたこの本が出てきたことだ。


佐飛、流行りだしてきて俺は嬉しい。
もっと頑張ろう。


back

×
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -