今孔明とクリスマス(2014)

「くーりすますが今年もやーってくるー。あ、メリークリスマス、官兵衛殿!」



「郷は仏教徒だろう」



官兵衛殿から冷たい視線と共に厳しい一言をいただきましたありがとうございます






「うぃーうぃっしゅあめりくりーすます!うぃーうぃっしゅあめりくりーすます!」



(官兵衛殿の)部屋でクリスマス時期恒例の歌を歌っていく
あれ、店の中でもCMでも流れるから耳に付くんだよねー。そして気付いたら口遊んでるっていうね


…俺もだけど現代ではキリスト教徒じゃない人でも知らない人いないと思う
クリスマスも日本じゃもう恒例行事の一つだからなぁ。まあそれも今の世から少なくとも200年後、特に昭和後期辺りから盛り上がってきたイベントだった…はずだから、今の時代で祝うのって切支丹しかいないよね。で、切支丹といえばそういや官兵衛殿もそうだよねってことでメリクリしに来たんだけど



「クリスマスって言えば贈り物だよね。てことで下さいな!」


「意味が分からぬ。それに私は切支丹ではあるが郷は違うだろう。あと年下に集るな」


「えー…」



何か色々と言われたけど…ねえ?



「別に俺、切支丹じゃないけど仏教徒でもないし」


仏教なのは実家であって俺じゃない
俺、宗教興味ないよ


「でもお祭りなら楽しければ良いじゃん。異教を信じずとも祭りを楽しむ、これもある意味笑って暮らせる世の一つだと思うんだよね」


「ほう…なるほど。そういう考えをするか」


感心したように顎に手を添えた官兵衛殿。ふふん、現代人の考え舐めんなよ
今の世では仏教がベースだけど平成にもなれば宗教に興味ない人がごろごろいる
いろんな宗教の祭事でも利益があるから、楽しければ良いという考えだし
まあ楽しむだけで正しい意味を知らない人が多いっていうのが現実でもあるんだけどね
だがまあいろんな宗教の祭りを受け入れられる現代の日本ってほんとに平和な国だよなぁ…今の世というか世界でもそうなれば無駄な戦争とか無くなんのに…まあやっぱり宗教上仕方ないのかなぁ


…と、話逸れた


「まー、だから楽しみたいんだって。ね?」




だから贈り物ちょーだい!


そう叫ぶと官兵衛殿は溜め息を吐きながらも仕方ない、と言って机の下をごそごそと漁った


「ならば郷にはこれをやろう。有り難く受けとれ」



「え、本当?!官兵衛殿ありがと…う…?」



差し出した手の上にどっさりと紙の束…いや、紙の山を積まれた

えーっと?これは?



「知っているか、半兵衛。贈り物とは、良い子にしていた童にしか与えられぬそうだ」



残念だったなという官兵衛に蹴りをかまして物を投げた俺は悪くないと思う









(官兵衛殿のばーか!ワーカホリック!)


(…半兵衛、蹴るな。物を投げるな)


(ばかばかばか!もう知らない!仕事してくる!)


((何か投げられた…)…これは…贈り物、か?…後日、何か見繕うべきか)
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