昔から、変な夢を度々見ていた
教科書に出てくる…そう、縄文時代とか弥生時代の人みたいな服装や髪型をした人達と過ごす夢
知らないところなのに、懐かしく感じるんだ
学校友人に言ってみたら、もしかしたらそれは前世の記憶なんじゃないかって言われたけど、まさかそんな
ただの夢だよ
それと、いつも決まって出てくる小さな男の子
丁、と呼ばれていた
その子はいつも夢の中の私と一緒にいてくれて
2人で一緒に森へ動物を見に行ってたんだ
変なの。夢なのに、夢の中の人なのに愛しいと思っちゃうんだ
本当に、私ってば変
休日、私は公園のベンチで猫たちと戯れていた
可愛い、可愛いと戯れていると私の真上から影が差した
顔を上げみると、見えたのは…何て言うのかな、俳優レベルの長身で切れ長の目をしたイケメンさんだった
でも、どことなく見たことのある顔。夢に出てきた丁君に似ていて…て、今は関係ないか
「猫、好きなんですね」
「はい。動物は好きですよ」
ぽつり、と独り言のように呟かれた言葉に頷き、膝に乗せていた猫の一匹を抱え、差し出す
「お兄さんも、触られますか?」
一瞬、びっくりしたように目を見開いていたが、直ぐに元の表情に戻り猫を受け取り、丁寧に抱える
猫を撫でる時の表情が、本当にあの子に似ていると思った
(私、名前と言います。お兄さんの名前を伺ってもよろしいですか?)
(…加々知、です)