私は雑兵の攻撃を避けながら、ミツナリが、イエヤスがいる場所へと向かう
少しでも、少しでも早く行かなければ
いつもよりもずっとずっと速く脚を動かす
早く行ってこの戦を止めなければ_______
しかし、そこへ着いたときには全てが遅かった
金色の鎧を纏った青年___イエヤスの足下には横たわったミツナリ
彼は、もう虫の息だった
「__ミツナリ…!!」
「…!?名前…ぐぁ?!」
イエヤスを押し退け、ミツナリを抱き締める
まだ、まだ死なないで
貴方にはまだ、世界の素晴らしさを教えてないの
「___、_____」
小さな声
まるで呟くような、そんな声量で歌う
彼だけに、ミツナリだけに聞こえるように
歌に合わせてしとり、しとりと雨が降る
まるで泣いているような、そんな雨
「…名前?」
蚊の鳴くような声で名前を呼ばれた
「ミツ、ナリ…」
名前を呼び返すと、彼は今まで見たことのない顔…穏やかな笑みを浮かべた
なんで、どうして
貴方は負けたのに、死にそうなのに
「ミツナリはさ、なんで、そうっ…」
ミツナリの瞼が閉じられる
「やだ、眠らないで…私はまだ、貴方に世界の美しさを見せていないのに…!」
まだ、貴方と共にいたいのに…
降り頻る雨に混じって、私の涙もまた、地面に染みていった
セキガハラの戦い
日ノ本全てを巻き込んだ戦いが始まり、そして終った
ミツナリの、西軍の敗北によって
ねえ、ミツナリ。世界はとっても美しいよ
ううん、美しかったはずなのに
貴方を失ってからは歌えない
世界が、こんなにも嫌なものだとは思わなかった
______________
それせかのアニメ観た時から書きたかった話
しかし意味不な文になってしまった…
←