唖然


幼なじみの金ちゃんに誘われて、今日は彼の試合を見に来た。
ワイめっちゃパワーあってめっちゃ強いねんと太陽のような笑顔で言う金ちゃんに、すごいなあと褒めてやると、でへへーおおきにと頬を赤らめて言うからもう可愛くて可愛くて以下略。
金ちゃんは私にとって弟のような存在。どんな時もかわい「どおりゃああああああ!!」

物凄い爆発音が響く。
「40ー0!!」と審判の人が高らかに済まし顔で宣言する。
ねえなんで済まし顔なん。今爆発が起こったんやけど。テニスの試合中に爆発が起こったんやけどおおおおお!!

つーかなんでみんな普通の顔なん!?なんか今金ちゃんくるくる回りながら技の名前を叫んでスマッシュ決めたんやけど!?長時間ジャンプ、いや飛んでたんやけど!?あれ頭痛くなってきた。なんかもうわたしゃどっから突っ込んでいいのかわからんわ。

「ねーちゃああああん!!」

あっという間に試合を片付けた金ちゃんが私に猛ダッシュで駆け着けた。

「試合見てた!?」

「え、ああ、まあ、うん」

「ワイ凄かったやろ!?」

「うん凄かった」

めっちゃ思うてます。

「へへっ」

照れ臭そうに鼻の頭を擦る金ちゃん。めっちゃ可愛いむっちゃ可愛い。

「これがあの凶器テニスをやる人とは思えん…」

「へ?なんか言うた?」

「ううん。なんでもない」


テニスって、なんやっけ?





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