弱虫な僕らのABC やっぱり。 視界の隅で輝いた煌めきの元へ行くと、想像通りの人物がそこにいた。忍足くんは机でスヤスヤ寝息をたてて、気持よさそうに寝ている。 「おーい、忍足くーん」と何度も名前を呼ぶものの、返ってくるのは寝息ばかり。 どうやら本当に、起きてないみたいだ。そう確信した私は、あたりをきょろきょろ見てから、彼の耳元に顔を近づけ、口を開いた。 今はまだ、寝てる君にしか言えないけど。 いつかちゃんとまっすぐ顔を見て言うから。 「誕生日、おめでとう」 そしたらその時は、私の大好きなきらきらの笑顔を、私だけに向けてほしい。 (起きるタイミングわからん…!!) TOP |