とおまわりの記録番外編 | ナノ



『吉井、おはよう!』

『おはよう〜』

一年生の頃。ひらひらと手を振ると、東堂もわたしに手を振りかえしたあと、男友達の群れの中に入っていった。わたしは再び読書に戻る。別のクラスから遊びに来ていた子が吃驚したようにわたしと東堂を見比べていた。そして、わたしと同じクラスの女の子にこそっと話しかけていた。

『吉井さんと東堂くんって仲良いの?』

『うん』

『えーっ、意外!東堂くんってああいう子と仲良いんだー!』

『よく本の貸し借りとかしてるよ、あの二人』

『へえー、意外〜』

不思議そうな声は、わたしのところまで届いていた。純粋に驚いている声。まあ、そうだよねえと納得する。東堂はものすごくモテる。ファンクラブまであるくらいにはモテている。いわゆるイケメンさんだ。性格も良いので男女問わず友達も多い。何故か彼女はいない。自転車が恋人だそうな。東堂が所属している自転車競技部では期待の星として名が挙がっているらしい。あいつは別格だ、と藤原くんが言っていた。でも、その才能は血のにじむような努力があってこそのものなのに、それを隠して涼しい顔で笑っている。叶わねえよ、と悔しそうに笑っていた。

対してわたしは。平凡極まりない顔立ちなので、当然、ファンクラブなんてない。というか告白を受けたこともない。男友達は東堂繋がりでできたものしかないし、女の子の友達はほどほどにいるけど、ものすごく多いというわけでもない。手芸部とかあったら入ろうかなと思ったけどなかったので帰宅部にした。家ではよく本を読んだり簡単なぬいぐるみとかを作っている。特技は…特技…。ないなあ…。特に何か頑張っているわけでもないし…。

そりゃあ、意外だって思うよね。

そう思いつつも、わかりつつも。寂しいと思うわたしが確かにいた。













「…う〜ん」

全身鏡の前に立つ。心配そうに眉を顰めるわたしが映っていた。ダークピンクのチェックシャツの上に紺色のパーカーを羽織り、カーキ色のキュロットを合わせた。靴下をはいて、ハイカットスニーカーを合わせるつもりだ。昨日、寝ぼけ眼で散々コーディネートした結果、この服が一番遊園地に適していると思った。普段ワンピースとかスカートばかり着ているので、遊園地に行けるような服がなくて、頭をかなり使った。遊園地に行けるような服は中学の時に買ったものが多くて、はっきり言ってダサい。今の恰好が一番マシだとは思う。

今日は東堂と遊園地に行く。部活は午前中までらしい。遊園地に行かないか、と誘われた時。本当に嬉しかった。付き合う前から行きたかった。東堂と行けたら楽しいだろうなあ、って。せめて夢でもいいから一緒に行きたいと思うくらいには、行きたかった。

楽しみすぎて、楽しみすぎて。

「ふへ、へへ、ふへへ」

うーん。我ながら気持ち悪い笑い声。でも楽しみすぎてこんな笑い声が出てしまう。

「幸子〜、まだ出なくていいの〜?」

お母さんがわたしを呼ぶ声が聞こえた。はっと我に返って時計を見ると、待ち合わせ時間が迫っていた。わたしは慌ててリュックを背負って、部屋を出て行った。








「お待たせ〜」

ひらひらと手を振ると、腕時計を覗き込んでいた東堂が顔を上げた。わたしを見ると、笑顔になった。小走りで東堂の元へ近づいていく。

「待った?」

「いいや、待ってないぞ」

…ん?なんか似たような会話を前したことが…あっ!

「東堂、今の、ラブプラスの時もこんな会話してたよ〜!」

「…ん?ラブプラス…?」

「ほら、わたしが東堂の彼女役をやっていた時、自転車に乗せてくれた時、待ち合わせ場所で」

「…ああ〜!そういえば、したなあ」

「すごいね。ほんとに自然にやれるようになったんだね。あの時子猫ちゃんって」

「それ黒歴史だからできればいますぐ忘れてほしい」

「あはは」

頬に赤みが差す東堂を見て、けらけら笑うと、笑うなと軽く睨まれた。ごめんごめん、と笑いながら謝る。

「どれ乗る〜?」

「絶叫系いけるか?」

そう問われて、言葉に詰まった。

しまった。わたし、苦手だったんだ。東堂の今の言い方から察すると、東堂は絶叫系が好きなのだろう。

…ちょっとくらい、平気平気。

そう思って笑顔を作って、東堂を見上げる。

「大丈夫だよ〜」

東堂は真顔でじっとわたしを二、三秒見つめる。そして、わたしの額をぺしりと軽くはたいた。

「そんな嘘つくな、馬鹿者」

じとっとした目でわたしを睨みながら、そう言う。わたしは目を見張った。え、ば、ばれていた。

「苦手なんだろう?」

「え、えっと…。うん…」

「ならばそう言えばいいだろう」

「…東堂、絶叫系すきでしょ?」

「好きだが、嫌がる吉井を無理矢理乗せてまで乗りたいというわけではない」

「わたし、別に、大丈夫だよ。あ、ほら!苦手克服のチャンスだし!」

ね?と首を傾げて諭すように言う。けど、東堂は頑なに首を振った。

「駄目だ。他のものにしよう。何になら乗れる?」

「でも、」

「俺は、お前の嫌がることしたくない」

優しく微笑まれて。何も言えなくなった。顔に熱が集まって俯く。

「…コーヒーカップに、乗りたい」

コーヒーカップなら、たくさんぐるぐる回せば絶叫系へ早変わりするし。そう思って小さな声で提案すると、東堂は楽しそうに声を上げた。

「おお、いいな!じゃあ行くぞ!」

そう言って、わたしの掌を掴んで、指をからめる。大きな手にあっというまに絡められて、心臓が飛び跳ねた。キスとか、それ以上だって、しちゃったけど、それでも、緊張してしまうものはしてしまう。わたしは「うん」と笑ってから、握り返した。




「お化け屋敷面白かった〜」

「ハ、ハハッ。そうだな。面白かったな、ハ、ハハハッ」

「もしかして、怖かったの?」

「断じて怖くなかったぞー!ワッハッハッ!」

そう、なのかなあ…。訝しがりながら東堂を見ると、目を逸らされた。そしてまた高笑いをする東堂。

「俺の考えでは吉井がきゃーっと俺にくっついて俺が優しく抱き留めて大丈夫だ俺がいるから…と言って感動させる予定が…んん…?」

「? 何?」

「何にもないぞー!わっはっはっ!それよりも喉が渇かないか?」

「そうだねえ、東堂ギャーッて叫んでたし喉渇いただろうねえ」

「…ハッハッハ!よし、俺が買って来るから、ここで待ってろ」

そう言うと、東堂は去って行った。わたしが買いに行くのに…と言おうとしたんだけど、東堂の姿はもう既にないので、大人しくベンチに座って待つことにする。でも、何分経っても東堂は帰ってこなかった。心配になって、メールをいれてみる。けど、メールの返事も返ってこない。

…なにかあったのかな。

わたしはそろりと席を立って、東堂を探しに歩いた。ジュースが売られているのはこっちだった。きょろきょろと辺りを見渡すと、視界の中に東堂が入った。声をかけようとする。けど、声は出なかった。

「ケータイ持ってんじゃん〜」

「いいじゃん、メアドくらい〜」

「ね、お願い!」

「…悪い。そういうのは無理だ」

可愛い女の子達に囲まれている東堂がいた。困ったように眉を八の字にしている。

東堂が可愛い女の子に囲まれているのはいつものこと。だけど、知らない人ということもあって足がすくんでしまう。

「付き合っている女子が俺にはいるから、あ、」

東堂と目が合った。びくっと肩が震えてしまう。東堂は、わたしに優しく笑いかけた。

「吉井」

女の子を振り切って、わたしの元に駆け寄ってきてくれた。優しい笑顔でわたしを見る。

「すまない、ちょっと、捕まっていた」

「モ、モテモテだねえ」

「そうなんだ…。ったく、美形すぎるのも罪だな…」

前髪をちょいちょいといじりながら、得意げに言う東堂。そうだねえ、と曖昧に笑いながら頷くわたし。さっきから、女の子達の視線がわたしに集まっていて、居心地が悪い。

「…え。あれ、彼女?」

信じられない、と言うように女の子のうちの一人が言った。

「いや、それはないでしょ。妹…にしては顔が違うか。いとことか、近所で仲良くしてる子じゃないの?服とか顔中学生っぽいし」

わたしをじろじろと品定めしながら繰り広げられる会話に、恥ずかしくなってくる。視線が下に向く。

「…彼女だが」

東堂がくるっと振り向いて、低い声でそう言う。怒っている声だ。女の子には優しいのに。

「え、マジで?」

けど、女の子達は東堂の静かな怒りに気付かないで、素っ頓狂な声を上げる。

「うっそー…」

「えー…」

無遠慮な視線が体中に突き刺さっていく。こういうのは今までも何回もあったことだ。これほど無遠慮ではなかったけど、『え、あの子と東堂くん仲いいの?』『へえ〜』という、驚きの声。仕方ない事。いつでも真ん中にいて、大勢の拍手を受けているような東堂と、教室の隅っこで読書をしたり空をぼうっと眺めているわたしが仲良い。不思議だ。それが、付き合っているというのだから、もっと不思議だ。

「彼女、レベルに合ってなくない?」

嘲笑を含んだ声は、ただの真実で。真実だからこそ、わたしの胸に鋭く刺さった。

「…言っている意味がわからないんだが」

「あ、ごめん。聞こえてた?や、えっと〜、君レベル高いのに、なんていうか、彼女ちゃん素朴だなあって」

「ってか、幼い?」

「地味…あ、違う違う。そう、穏やか〜な感じ、だよね?」

リュックを持つ手に力が入る。恥ずかしい。恥ずかしくてたまらない。東堂が怒っているのがわかる。優しいから、わたしがこういう風に言われているのが単純に不快なのだろう。

「吉井は、どこをどう見ても、すごく可愛いが」

カーッと顔に羞恥からの熱が集まった。そんなことを言ったら、絶対。

ちょっと間が空いてから、ブーッと噴出す音が聞こえた。

「…っ、え、マジで、それ、言ってる…!?」

「大マジだ。うちの学校で一番可愛い」

「ちょ…っ、ウケる…!」

恥ずかしい、恥ずかしい、恥ずかしい。

東堂の袖を引っ張る。

「いい、から。もう、やめて」

蚊の鳴くような声で必死に止める。

わかっている。自分がどれくらいの女の子っていうことかは。東堂が言うほど可愛くない。そこそこと言ったところだ。調子が悪い時は、そこそことも言えないだろう。

東堂は前を向いたまま、わたしの言うことに耳を貸さない。

「笑った顔とか、見ているだけで、」

「やめてってば!!」

吃驚するような大声が出た。はっと我に返ると、周りの人がみんなわたしを驚いたように見ていた。

「…吉井?」

東堂がわたしに手を伸ばそうとしてきた。けど、わたしはそれから逃げるようにして、踵を返して、走り出す。わたしを呼ぶ声が背中に届いた。けど、振り向かないで走る。涙が溢れて、前がよく見えない。

学校の周りの人たちがたまたま優しいだけで、世間の目はこういうものだ。なんであの子?と目が言っている。東堂ならもっと可愛い子と付き合えるのにもったいないって、言っている。知っている。わかっている。ちゃんと、わかっている。そのつもりだったのに。可愛い、と何度も言ってくれるから、嬉しくなって、舞い上がって。少しでも近づけたらいいな、と思って、雑誌とか買ってみたけど。駄目だ。

もっと目が大きかったら、睫が長かったら、鼻が高かったら、細かったら。なにか一つでも特技があったら。

人気がない角を曲がった時だった。

「吉井!!」

強い力で腕を掴まれた。無理矢理、東堂の方を向かせられる。ひどい顔を見せたくなくて、とっさに俯いた。

「なんで逃げる!!」

「だって、あんなの、恥ずかしい」

「なにが恥ずかしい!!」

「だって、わたし、ほんとに東堂が言うほどの子じゃない…!」

涙声で小さく叫んだ。

「可愛くないって、言ってるじゃん、おかしいよ、なんで。東堂自分のことかっこいいってことはわかっているのに、わたしのこと可愛いとか言っちゃうの。わたしみたいなの、学校で一番可愛いとか言うなんて笑われて当然だよ」

あ、駄目だ。これ、言ったらいけないことも言っちゃうパターンだ。

危険信号が点滅しているのに、口はとまらない。

「綺麗なものが好きって言っているくせに、こんなわたしなんか可愛いとか好きとか言っちゃうのおかしい、なにが可愛いの、どこが。ファンクラブの子達に可愛い子たくさんいるじゃん。顔と顔比べてみなよ。性格だって良い子ばかりだし、はきはきしてるし、絶叫系だって一緒に楽しんでくれる子いると思うし、東堂のお喋りに聞くだけじゃなくて一緒のスピードで話していけるようなおしゃべり上手な子いるし、おしゃれだし、細いし、」

「わたし、は、」

そこまで言って、何も出てこなくなった。今までぽんぽんと言葉が出てきた口が、やっと閉じた。

わたしは、なんにも、持っていない。

唇をぎゅうっと噛んだ。そうじゃないと、嗚咽が漏れてしまいそうだったから。絶対に顔を上げない。もともと大したことのない顔なのに、さらにひどくなっている。

東堂がいなかったらクラスに馴染むことさえのできなかったわたしと、いつでも輪の中心にいる東堂が付き合うなんて夢みたいな話だったんだ。友達になるということすら、夢みたいなものなのに。

こんな風にまくし立てて、もう、絶対に、嫌われた。

唇を噛む力をさらに強めると、掴まれていた方の手をぐいっと引き寄せられた。驚いて目を開いた拍子に涙がこぼれた。あっという間に背中に手を回されて、わたしは東堂の腕の中に押し込まれていた。

「へっ、はっ、離して」

逃れようと東堂の胸板を押すけど、全く動かない。抱きしめる力がどんどん強くなっていく。東堂の匂いがする。良い匂いで、心臓がどくんと動く。この匂いに包まれたことは何回かある。あたたかくてとろけてしまいそうだった。痛かったけど、嬉しかった。何もしなかったけど、気持ちよかったと言ってくれて、本当に嬉しかった。こんなわたしでも、できることがあるんだと思うと、嬉しかった。

「一年の頃、俺はお前のこと眼中に入ってなかった」

静かな声が降ってきた。いつもの騒がしい声とは全然違う。落ち着いた声だった。

「大人しくて地味な子だという認識だった。吉井があの時あの作家の本を読んでいなかったら、声をかけていなかった。喋りかけても、吉井はおどおどしているし、話はぽつぽつとしか進まない。けど、頑張って、俺の話に耳を傾けて、おずおずと笑っている様子が、」

ぎゅうっと、少しだけ力がまた強まった。

「可愛いって思ったんだ」

落ち着いた声に暖かみが帯びた。

「そういう女子、周りにいなかったから、というのもあったんだろうが。吉井に話しかけるのが楽しくなってな。ちょっとずつ反応が良くなっていくのが面白かったし。笑顔が少しずつ柔らかくなっていくのとか、面白くて、可愛かった。本当に打ち解けた時、どんなふうに笑うのかなんて、考えた」

「ロードの話を聞きたがる女子はいたが、たいていほんの十分話しただけで皆嫌がったなのに、吉井だけずっと話を聞いてくれた。用語混じりでわからない話なのに、うんうんって頷いて笑顔で聞いてくれて、本当に、嬉しかった。いつだって、人のことばっか気遣って、自分のことを後回しにしている吉井がいじらしくて、俺が守ってやらねばって思った」

彼氏でもないのに、なにが『守ってやらねば』なんだろうな、と、東堂は苦笑した。

「彼女役やってくれなんて頼んだの、あれ今思えば遠回しな告白だったんだろうな。彼女いない歴イコール年齢って気付いて、なんとかせねばと思って、どういう彼女が欲しいかと考えて真っ先に思い浮かんだのが吉井だった時にさっさと気付いとけよって話だ。荒北がイラつくのも今となってはわかる。あんなふうに、可愛いって思っていることの、何が友情だ。下心丸出しだ」

「綺麗な景色を見せたいと思ったのも、吉井だからだ。サプライズしたくなったのも、吉井だったからだ。巻ちゃんに紹介したいのも吉井だからだ。俺が駄目になりそうな時俺が悲しむところを見たくないと、お前自身が悲しいから嫌だと涙声で言ってくれたことが、なあ、どれだけ、俺を救ったか、わかっていないだろ」

そんなの、わたしの台詞だ。

東堂の今の言葉で、今、わたしがどれだけ、救われたか、嬉しいか。

何にも、知らないくせに。

「他の奴にとってはどうか知らんが、俺は、お前が一番可愛いと思うよ」

腕の力が緩められて、頬に両手を添えられて、上げられた。

「おおっ、涙と鼻水でぐちゃぐちゃだな」

ハハッと快活に笑って、服の袖でわたしの顔を拭いていく。それ、お気に入りの服じゃないの、と言おうとして出てきた言葉は全く違うものだった。

「こんな顔も、可愛いとか、思えるの?」

東堂は優しく目を細めた。

「ああ、可愛い」

「…おかしいよ。東堂」

「恋は盲目と言うからな!」

「おかしい、女の子の趣味、おかしい、変」

「いーや、俺は女の趣味まで最高だ」

「変、変、変」

「俺に抱かれている時のお前とか、可愛すぎて気が狂いそうだった」

「…っ」

「ワ、ワッハッハッ!」

恥ずかしさを取り払うように高笑いしてから、「よし、綺麗になった」と言って、東堂は満足そうにわたしの顔を見る。

そして、宝物を触るような手つきで、わたしの頬に手を添えた。

「ああ、やっぱりお前、可愛いな」

その一言がきっかけとなって。わたしは、東堂に抱き着いた。思い切り抱き着いたのに、びくともしない。男の人の体。頑丈だ。固い。

「東堂、あのね」

もう泣かない。泣きそうだけど、泣かない。せっかく東堂が拭いてくれたんだから。

わたしは顔を上げた。目を細めて、東堂を真っ直ぐに見る。

「東堂のこと、すっごく、好き」

そう言って、恥ずかしいから、顔を隠すようにして東堂の胸板に頬をこすりつけた。

誇れるもの、見つけた。見つけたというか、わかった。

わたし、東堂のことが世界で一番好き。誰よりも、本当に。

東堂のこと好きな人世界選手権があったら、絶対、わたしが一位だ。

「あー、もう」

東堂がやりきれないという調子で呟く。その声が可愛かったから、わたしはさらに頬をこすりつけた。

「…吉井」

「なあに?」

「キス、したい」

「…もう」

「…駄目か?」

「…駄目じゃないよ」





いとしくてふれた

わたしも、したい

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