とおまわりの記録番外編 | ナノ



たくさん人がいるのに、一瞬で見つけることができてしまう。見慣れたカチューシャを目にしただけで、嬉しい気持ちで心が包まれる。尽八はマフラーを直している途中で動きをとめた。わたしの視線に気付いたようだ。笑顔でひらひらと手を振る。嬉しそうに、笑い返してくれた。鈍臭いわたしは人をかき分けることが苦手で、なかなか進めないで困っていると、手首を掴まれて引っ張り出されることで、ようやく人の中から脱出することができた。そうしてくれたのは、もちろん。

「ありがとう、尽八」

「礼には及ばん」

尽八は悠然と笑っていた。本当に格好いい。去年もかっこよかったけど、ますますかっこよくなった。去年に比べて身長も伸びたし、顔つきも大人っぽくなった。そんな尽八のことをかっこいいと思っているのは当然わたしだけではない。周りの女の子達がちらちらと視線を投げかけている。尽八が逆ナンされるの嫌だから待ち合わせよりはやく来たのに、尽八はわたしよりもっとはやくに着ていた。わたし二十分前にきたのに。

「何分くらい待ってた?」

尽八は顎に手をあてながら考え込んだ後「十分、というところだな」と答えた。十分。三十分前にきたんだ。頬に手を伸ばすと、少しひんやりとしていた。

「ごめんね。寒かったでしょ」

眉をさげて謝ると、尽八は口元をゆるませた。尽八の頬を触っているわたしの手をとって、自分の手に絡ませる。指の間に指をいれられて、鼓動がはやくなる。尽八はずっと部活漬けだったし、受験勉強もあったし、わたし達は実はあまりデートというものをしたことがない。だから、手を繋いだこともあまりない。なので、こういうことにいまだに慣れなくてドキドキする。…これ以上のこともしてるのに、ドキドキするなんて。こういうのがカマトトって言われる所以なのだろう。

「オレが勝手にはやく来ただけだ。謝る必要はない」

優しい声色で言われて、優しく微笑まれて。嬉しい。嬉しくて苦しい。でもやっぱり嬉しい。幸せだなあ、と口元がだらしなく緩んでしまった。



『クリスマス、行きたいところとか、あるか?』

三週間前、会話の途中で少しぎこちなく質問が挟まれた。尽八は少しわたしから視線を逸らした後、また真っ直ぐ見据えてきた。クリスマス。そうか。わたしたち、付き合っているから、クリスマス一緒に過ごすことが普通なんだ。

『どこでも、いいよ』

嬉しくて仕方ない気持ちを隠すことなく浮かべながら言うと『やっぱりお前は、そう言うか』と、少し呆れながら、でも、嬉しそうに微笑まれた。

手を繋ぎながら、目的地まで歩く。その間も、すれ違う女の子たちがチラチラと尽八に視線を寄越す。尽八はもうそんな視線に慣れきっているのだろう。平然としている。それでその時荒北がな、といつもの調子で話している。当の本人は気にしてないのに、わたしだけが気にしている。変な話だ。

気にしないようにしなきゃ。尽八がモテモテなのは、出会った時からだ。すごいなあ、あの男の子…と、感心していた。どんどんかっこよくなっていくから、さらにモテるようになるだろう。どうしよう、これ以上かっこよくなられたら。は…っ、ま、眩しくて見られなくなるとか…?サングラスとかかけなきゃいけな「幸子ー」

耳が呆れ返った声音を捕えた。へ、と声の先に顔を向けると声音と同じく呆れ返った表情を浮かべている尽八がわたしを見下ろしていた。

「幸子は本当にぼーっとするな」

「へ、へへへ…」

「この分だと、いつか電柱にぶつかりそうだな」

「あ、それもうやってる。小学生の時に」

「…既にやらかしていたか…」

あははーと笑うと「笑いごとじゃないだろ」と、とても軽く額を叩かれた。全然痛くないけど、反射的に瞼を軽く閉じる。目を開けたら、これだからお前は目が離せないとか傷がついたらどうするんだとかお説教された。

…尽八はかっこよくなっていっているのに。わたしは小学生の時から、なんにも変らないんだなあ。

「だいじょうぶだよ、心配性なんだから」

心に落ちた影から目を背けて、笑顔を浮かべながら、明るい声でわざと茶化すように言った。


「わあ、美味しそう〜!」

綺麗に盛りつけられた美味しそうなごはん(料理の名前がわからない)を見て、わたしは目を輝かせて歓声をあげた。尽八はそんなわたしを見てご満悦気味だ。そうかそうか、と優しく目を細めている。

「ありがとう、連れてきてくれて」

「礼には及ばん。洒落た店なんてたくさん知っている」

尽八は得意げにワッハッハッと笑った。

「え、そうなの?すごい」

「ワッハッハッ!…調べてきて良かった…」

「ん?」

「気にするな!さあ思う存分に食え!」

「うん、いっただきまあす」

よくわからないけど美味しそうなものにフォークを突き刺す。しばらくとりとめのない会話をしていると、ガッシャーンとお皿が割れる音が後ろから聞こえた。振り向くと、齢がわたしとあまり変わらなさそうな女の子の店員さんが、顔を真っ青にしてスミマセンを小さく連呼しながら、割れたお皿を素手でかき集めていた。

あ、指先から血が。

それに気が付いたら、体が勝手に動いていた。

「あの、血が出てます…!」

「…え、あ、ほんとだ…」

ポケットからハンカチを取り出して、傷口にあてる。すると、店員さんは「え、そ、そんな」と狼狽えた。

「よ、汚し、」

「だいじょうぶです、わたし血とか気にしませんし」

「す、すみませ…」

店員さんはぐすっと鼻をすすった。研修中というプレートが胸元のポケットに刺さっていた。そうかあ。新人さんかあ。忙しい中、頑張っていたんだろう。なんだか可愛く思えてよしよしと頭を撫でてしまった。

ちょっとしたら、他の店員さんがやってきて、すみませんとひたすら謝られた。いやこちらこそお節介働いてしまってすみません、と謝ってから席に戻る。

「…えっと、わたしもファミレスで働いてるから、なんかその、お節介しちゃった…」

あはは…と乾いた笑い声をあげる。冷静に考えたら、やりすぎな行動だったようにも思える。頭撫でちゃったし。わたしがでたことによって、お客様にご迷惑をかけて〜とあとであの店員さん怒られてしまうかもしれない。でしゃばり、って思われちゃったかも。不安になるのと同時に、視線も下がる。

「オレは好きだぞ、お前のそういうお節介」

優しい声が聞こえてきて、反射的に顔を上げた。尽八は暖かい眼差しでわたしを慈しむように見ていた。

「…好きだ」

確かめるように、噛みしめるように、言葉を紡がれて。恥ずかしくて嬉しくて、心がいっぱいになる。溢れだした想いは唇にはみ出して、自然に口元が緩んだ。

「…そ、っか」

「そうだ、これ、いるか。幸子これ好きだろ」

「え、いいの?でも、よくわかったね」

「顔を見ればわかる」

尽八はフォークにパスタを巻きつけて、わたしに向ける。何も考えず、ありがとう〜と呑気に言ってから、かぶりついた。




「寒いねえ」

「寒いな」

ビュオーッと一陣の冷たい風が体の熱を奪っていく。色々と歩いているうちに、気付いたら、すっかり日が暮れていた。もうじきライトアップされるだろう。

「幸子、今日八時までなんだよな?」

「…うん」

「じゃあ、あと一時間半か」

腕時計を見ながら、尽八はそう言う。あと一時間半しかいっしょにいられない。お母さんに、お父さんが帰ってくるから、クリスマスは夜からはお父さんといっしょに過ごしてあげて、と頼まれたのだ。お父さんのことは大好きだ。でも、尽八と、もっといっしょにいたい。お父さんといっしょにいたくない、というわけではなく。尽八は実家に帰ってしまうから、冬休み会えるのは今日が最後だ。初詣に誘おうかな、と思ったけど、わたしがお参りする神社と尽八がお参りする神社は違うだろうし、福富くん達と行くかもしれないし。

…一時間半じゃ足りない。

ぎゅうっと、繋がれている手を握りしめた。

でも、そんな我が儘言っちゃいけない。見た目が釣り合ってないんだから、中身は釣り合えるような女の子になりたい。我が儘言わなくて、頭良くて、優しくて、明るい子になりたい。見た目も、釣り合えるようになれるように頑張っているけど、尽八の顔立ちはものすごく整っているので、平凡な顔立ちが完璧に釣り合えるようになるには整形しか道がない。…ほんと、もうちょっと、鼻とか高かったらなあ。

「幸子」

名前を呼ばれて、はっと我に返った。尽八が何か言いたげな眼差しでじいっとわたしを見ていた。

「…どうした?」

「ううん。なんもない。ごめんね、ちょっとぼうっとしてた。ライトアップまであと三十分ぐらいかなあ」

「この話は終わり、と言うように、話題を変える。尽八はしばらくわたしをじいっと見ていけど、無理に聞きだしても仕方ないと悟ったのか、「すごく綺麗らしいぞ」と話を合わせてきてくれた。話はどんどん変わっていく。時間もどんどん流れていく。

「ちょっとオレ、トイレに行ってくる」

「いってらっしゃい」

手を離される。掌が名残惜しい、と言っていた。背中を見送ったあと、尽八の熱が残っている掌を頬にあてる。あたたかくて、瞼を閉じる。

尽八はなかなか戻ってこなかった。もしかしたら、また女の子につかまっているのかもしれない。そうだったら、どうしよう。…、こ、今度は何言われても、堂々としてよう。あんな泣いて八つ当たりまがいなこと、絶対もうしない。どんなに不釣り合いだって、似合わないって思われていたって、わたしを彼女として尽八が認めてくれているんだから。

手を拳に丸めて、気合を入れる。それにしても遅いなあ、と、もう一度思うと「すみません」と男の子に肩を叩かれた。道を聞きたいのかな?と思いながら「はい」と答える。

「あの、えーっと…」

けど、男の子は視線を泳がせながら言葉を濁して、なかなか本題にうつらない。首を傾げて頭にハテナマークを浮かべる。男の子は意を決したように口を開いた。

「あ、姉のクリスマスプレゼントを買うのに付き合ってくれませんか…!?」

…へ?

驚きすぎて目を点にしてしまった。お、お姉さんのクリスマスプレゼント…?お姉さんのクリスマスプレゼントを買いに来たんだけど、どれがいいかわからなくなって、それでちょうどそこらへんにいたわたしに声をかけた、ってうことなのかな…?良い弟さんだなあ…。感心しながら、顔が真っ赤な男の子を見つめる。

ひとりで買い物に来ていたなら付き合ったんだけど、尽八待っているし。

「えっと、付き合うのは無理ですけど…。ここで軽くアドバイスとかなら…。や、アドバイスっていうほど大層なこと言えないですけど…」

「あ、え、は、はい!それで!」

「お姉さんいくつですか?」

「…え!?えーっと、に、にじゅー…に…?」

「22歳ですかあ、うーん…。可愛くて良い匂いのするハンドクリームとか?」

首を傾げて考え込む。22歳。今から4年後。その頃も、尽八といたい、なんて思ってしまう。人のプレゼント選びに協力している時に何思っているんだか。

「あ、な、なるほど…」

「こんなに必死に考えてくれる弟さんがいて、お姉さんは幸せですね」

にこっと笑いかけると、男の子の頬がますます赤くなった。寒いもんなあ…。多分わたしの頬も今赤い…。

「あ、の」

「はい」

「その、良かったら、メアドこうか―――、」

言葉の続きは聞こえなかった。ぐいっと腕を掴まれて引き寄せられた後、嗅ぎなれた良い匂いが鼻孔を擽った。首を持ち上げて、視線を上にずらすと、無表情の尽八がいた。

「え…、あ、彼氏持ち…?」

ぽかんと口を開けた男の子から、ぽろりと落ちてきた言葉に、心臓がどきんと鳴った。彼氏。一瞬で、尽八がわたしの彼氏だって見抜いてくれた。友達とか従兄弟じゃなくて、彼氏。口元が緩みそうになるわたしの隣で尽八が「そうだが」とつっけんどんに言い放てから、口角を上げた。慇懃無礼な笑みに、冷たい空気。あ、れ。これ、怒ってる…?

「…あーえっと、すみません…」

男の子は軽く頭を下げてから、踵を返し、重い足取りで帰っていった。男の子の友達だろうか。二、三人、わらわらと集まってきて「ドンマイ」と言うように背中を叩いている。

肩を掴まれていた手は、わたしの手に移動した。また、指の間に指を入れられて、ぎゅうっと握りしめられる。

「…悪い。待たせた」

尽八はわたしに頭を下げた。いいよいいよ、と手を振る。女の子につかまってたの?と茶化すように訊いたら、尽八は少し歯切れ悪く肯定した。気にしなくていいのに。逆ナンなんて、いつもされているんだから。

「尽八はモテモテだねえ。ほんとに。モテなかった時期とかあるの?」

「…そういえば…ないな…」

「あはは、そっかあ」

尽八は、逆ナンされてわたしを待たせたという罪悪感でも持っているのだろうか。なんだかずっと申し訳なさそうに、眉間に皺を少し寄せている。別に待っている間危ない目にあった訳でもないのだから。そんなに待たされたわけでもないし。しょうがないことだし。尽八の重い気分を払うように、わたしは茶化しながら言った。

「わたしも、一回くらいモテてみたいなあ、なんちゃって」

あははーと笑う。笑ったあと、静寂が広がった。尽八が目を見開かせて、わたしを凝視していた。え、あれ、今の、言っちゃいけないことだった?焦りが生じて、わたしは「え、あ、違うよ?冗談だよ?」と慌てて口にする。

尽八は結構なヤキモチ妬きなのに、こんなこと言って。ああもう気分を悪くさせちゃったかもしれない、バカバカバカ。

「や、わたしモテたことないから、可愛いとか言われたこと、ないし、中学の時とか男の子に名前覚えられてなかったし、だから、モテるって、どんな感じなのかなあ、って、その」

違うの、気分を悪くさせたかった、とか、そういうことじゃなくて。

「モテたいっていうか、可愛くなりたいとは、ずっと思ってるけど。尽八の横にいてもおかしくないっていうか、そりゃあ、尽八くらい顔を整えさせるのは、無理だけど、なんていうか、可愛いって、客観的に思われるようになりたいっていうか、そんな、大それたことわたしが思うなって感じだろうけど」

頭の中で色んな言葉が行きかって、もつれた言葉たちが口から吐き出されていく。冷や汗がじんわりと滲む。

「えっと、ね、その、モテたいっていうか、モテちゃうぐらい可愛くなって、その、」

さらに何か言おうとすると、呆れたようなため息が覆いかぶさってきた。体が強張る。幻滅されちゃったのかもしれない、分不相応なこと言ってごめんと謝ろうとするよりもはやく、尽八が口を開いた。

「…あまり言いたくなかったんだが。お前がそんなに自分を卑下してるのなら、仕方ない」

そんな前置きをしてから、わたしを真っ直ぐに見据えて、真っ直ぐに、言った。

「幸子、お前、最近モテてるぞ」

…。

……。

………。

「…へ…?」

何言ってるの…?

「モテてるんだ。というか、オレが普段話さない男子の層では、地味に二年の時からモテていたらしいぞ」

「う、うそだあ」

「これが嘘を言っている目に見えるか?」

尽八は自分の目を人差し指で指す。その目は、すがすがしいほどに綺麗だった。少しのやましさも潜んでなかった。

「オレと付き合い始めてから、オレが付き合う女子なんだから…というのもあって、隠れ人気が上昇したらしい。騒がしくしないし、穏やかだし、女子らしいし、昼間みたいな気遣いを男にも平気でするだろう。紙を指で切った男に絆創膏をあげたりとか」

「え、お、男の子だからしてるってわけじゃないよ」

「わかってる。…それに、」

尽八は、わたしの髪の毛を耳にかけた。露になった頬を冷たい風が撫でる。でも、すぐに、暖かい掌に覆われたから、頬は熱くなった。外からも、内からも。

「…綺麗になった。一年の頃よりも、二年の頃よりも、綺麗になった」

噛みしめるように、感情をこめて、言われて。綺麗な瞳に、とらえられて。親指で頬を撫でられて。くすぐったい。鼓動がはやくなる。

「ま、またまた。そんな、」

軽く笑って受け流そうとするんだけど、尽八はじいっと真剣な瞳をわたしに向けたまま。

「本当だ。綺麗になった。垢抜けた。どんどん、綺麗になっていっている。その証拠に、さっき軽いナンパじゃなくて、なんというか…本気で声かけられていただろう」「

「へ、え、ど、どういうこと?」

綺麗になった、なんて言われて、頭がこんがらがっているわたしは、後半の言葉の意味をまったく理解できなかった。ナンパってなに。どういうこと。わたしがいつナンパされてた?

尽八はふうっと短く息を吐いてから「お前、さっきナンパされてたぞ」と面白くなさそうに言った。

「え、違うよ。お姉さんのプレゼント選び」

「それがナンパだ。見知らぬ女子にプレゼント選び付き合ってもらうってなんだ。アイツに姉がいるかどうかも疑わしい」

苛立った様子で、憎々しげに言う尽八を、ぼうっとしながら見る。わたしがこっそりモテていたとか、ナンパとか、やっぱり実感わかない。でも、尽八は嘘を吐くような人じゃないから、嘘じゃなくて、本当のことなんだろう。

ちょっとは、釣り合えるようになったのかな。

「…じんぱち」

袖を引っ張って、顔を見上げる。尽八はやっぱりかっこいいなあ、なんて思いながら、恥ずかしいことを口にした。

「ほんとに、綺麗になった、って思ってくれてるの?」

そういえば、綺麗だって初めて言ってくれた、尽八だったなあ。そんなことを思っていると、尽八の頬に朱が差した。少し視線を泳がしてから、焦点をわたしに向けて、言った。

「すっげえ、綺麗になった」

声色に僅かな羞恥が含まれていた。わたしも恥ずかしい。そして、嬉しい。嬉しくてたまらない。うへへ、とだらしない笑い声が漏れた。

「嬉しくて、どうにかなっちゃいそう」

そう呟くが否や、がばっと覆い隠すようにして、抱きしめられた。ぱちぱちと瞬きをした後、状況を理解して、熱があがる。抱きしめられてものすごく嬉しいけど、こ、公共の場でこれは…!

「じ、じんぱ、」

「大勢の男がいる前でそんな風に笑うな!!またお前にほだされる男が出てくる!!」

「え、えええ」

「だいたいなんなんだあいつら一年の時は幸子に全然興味なかったくせになんなんだふざけんな…!!」

「お、おーい」

尽八はぶつぶつ早口で何かをまくし立てている。さ、流石トークが切れると自負するだけのことはある口の回転の速さ…。…これトークが切れるっていうのかな…?

尽八の匂い。尽八の熱。ゼロ距離で感じる。気持ち良くて、とろけてしまいそう。ずっと感じていたい。

「…帰りたくないなあ」

「…。……。………。なあ、頼むからそういうこと軽々しく言わないでくれ…」







可憐なひと


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