2023/01/13(Fri)


 もうすぐハロウィンだからふと気になって質問してみた。
 
「青宗君ってコスプレしたことある?」
「ねぇ」

 やっぱりな。一応訊いてみたけど予想通りの答えだった。青宗君は中三まで少年院に入っていたしイベントごとに盛り上がるタイプでもない。だろうなーと納得するけど勿体ないとも思う。せっかく綺麗な顔してんのに。

「そっか。私はあるよ! 去年悪魔した! 今年もするよー。青宗君もしない?」
「ダリぃ。ヤダ。つーか悪魔とかよくやるな。クソむずそう」
「ムズい……? そんなことないよ! ほら、こんな感じ!」

 隙あらば写真を撮る私は当然去年のコスプレもデータに残している。「見て見てー!」と青宗君の目の前にケータイを翳した。

 すると。それまで興味ゼロと言いたげな青宗君の目が突如カッと見開かれた。えっなに!?

「これ悪魔じゃねえだろ」
「え、い、いや悪魔じゃん!? 後ろに羽とか尻尾ついてるし!」
「ちげぇ。悪魔ってのはデーモン小暮だろ。デーモン小暮はこんな短いスカートはかねぇ」
「青宗君は私がデーモン小暮したと思ってたの!? だからよくやるとかムズそうって言ってたんか! はー! やっと意味わかったわ!! でもおもしろそうだねデーモン小暮! 青宗君も蝋人形にしてやろうかー!」
「今年もやんのか」
「あのボケ殺さないでくれる? 超絶今はずいんだけど?」
「やんのか」
「目ぇ怖!? 圧強!? まぁうん、やるよー。今年は魔女やろうって思っててさー。ユカリはシスターやるんだよ! あの子清楚系だから超絶似合うよねー!
 ミホはキョンシー! あっキョンシーって言ってもガチのキョンシーじゃなくて可愛いやつね! ロリータ入ってる感じの! 三人でミホのお兄ちゃんの友達がやってるイベントに参加してきまーす!」
「オレも行く」
「……え?」
「オレも行く」









「え! 陽子の彼氏もきたの!?」
「え……っ」
「え〜〜やばいじゃん!! ドラキュラとかしてほし〜〜! てかユカリなんでそんな顔してんの〜〜? 超引きつってんじゃん!!」
「いや、その……コスプレっていうか……本職の格好してて……」
「待たせた」
「あ、せいしゅ……だからーーー! 血の付いた鉄パイプはおいてきてってばーーー!!」
「ヤバいヤンキーのコスプレじゃん〜〜!! 再現度高すぎてウケる〜〜〜!!」
「ミホちゃん再現とかじゃないの本物なの……」
「オマエがマホか。ユカコは久しぶり」
「息をするようにボケるなーーー!!」


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