2014/07/02(Wed)
付き合う前のお話。
「お〜う、姫さん」
「…なんでおまえが一緒にいるんだよ」
「そら姫さん。俺とこの子はホクロの数も知り合って…うおっ、あっぶな」
「ちっ、しくった」
「つ、翼さん…!暴力は駄目ですよ…!あ、あと、その、お疲れさま、です」
「サンキュ」
「つ…翼さん!」
「? なに?」
「私、サッカーのことほとんど知らないんですけど、それでも、すごいなって思いました…!あのパスとかお互い目を合わせていないのに、あとあの踵でシュートとか…!本当に、本当に、感動しました…!」
「…ま、まあ。当然だろ」
「おっ、姫さんが照れとる」
「お前マジで余計なことしか言わないね」
「うわ〜目が笑っとらん〜こわ〜」
「今日は、すごいプレーを見せてくれて、私にサッカーのすごさを見せてくれて、ありがとうございます!」
「…何いってんの?」
「え?」
「サッカーってのは、こんなもんじゃないよ。こんなのまだまだ序の口。知ったかぶりすんな」
「す、すみません」
「もっと、見せてやるから。もっと、すごいの。世界中があっと驚くようなサッカーを、お前の目の前で見せてやるよ」
「…はい!」
「(これで付き合ってないとか嘘やろ〜…ま、おもろいからいっか)」
君に見せたいと思ったんだ、
この素晴らしい景色を、きみに。
さようならのあとでSS - more