4.久しぶりに見たわ


※『』はユウジの物真似、《》はユウコの物真似。

「あらん、そこの子誰なん?」

小春が白石たちに聞く。
それ、俺も思ってん。

「それ、俺も思ってん。誰や?」

…なんや、エスパーかいな。

「あぁ、この子?俺の彼女の白井クララや。」

「よろしく…お願いします!」

…今は、名前が似とるのが流行っとんのか?
一氏に二氏…白石に白井…

「クララちゃんよろしくねん♪」

「ま、あまり会わへんと思うけどな。」

…また、疎外感。なんや、寂しいな。

「…おい。」

聞こえてきたのは、自分が聞いとったのとは、ちょっと違てる俺の声。

「なん?」

「そろそろバラそうや。」

…物真似のことか…。

「そやな、小春ちゃん!」

「あら?もうバラすの?」

「せや。小春、ええやろ?」

「お願いや小春ちゃん!」

スカートとか耐えきれん!

「しゃあないなぁ…バラすんやったら、笑かすんやで!」

…え…笑かすんかいな。

「…何をバラすんすか。」

…しゃあないなぁ…。

『んーっ!エクスタシー!』

「白石!?いきなりどうしたんや!?」

…ユウコ、気づけよ…

『蔵リン、らぁぶ!』

…はよせぇ…

《はは、小春ありがとな。俺も好きやで。》

…通じた!

『いやん、小春嬉しいー!』

《はは、小春は可愛えなぁ。》

くくっ…あいつら、俺…やない、ユウコの口元見よるわ…って口動いてへん!?
腹話術かいな…

『そこ2人!ラブラブすんのは浪速のスピードスターが許さんっちゅー話や!』

…ユウコ、こいつらをよく知らんお前はどうかえす?

《なぁ、ラブラブってなんなんー?》

…そうきよったか!

『…ラブラブも知らんとか…ダサ…』

《そこが、良いところばい。》

千歳まで…!コイツ…気に入った!!

「あ、分かった!ユウジの物真似や!」

「半分正解ってところねー。」

「半分?」

「わい、見とったで!ユウジの口動いてへんかった!」

はぁ…正解を導くか。

「いや、俺の口はうごいとった。」

………あいつらのマヌケ顔、久しぶりに見たわ


[ 4/13 ]

[*prev] [next#]
[目次]
[しおりを挟む]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -