10.初めてや
「え、私が2人のお笑いライブのゲスト?」
ユウコに事情を説明すると二つ返事でOKがでた。
…あっさりすぎやろ。
「でも…私、なにもできへんよ?」
「何言うとるん、ユウコちゃんにはユウ君に匹敵するほどのモノマネがあるやない!!」
「え、あれでええん?」
…それでもええやろうけど…
「設定が足りひん」
「設定?」
「ただモノマネが上手いだけやったらダメや。インパクト狙わなあかん…」
「せやったら、ええ考えがあるわよ♪」
「ホンマか小春!?」
「ええ♪
ユウコちゃんは、テニス部の誰かに片想い、アタシはユウコちゃんに片想いって設定にしたらええやん」
ズキッ…
ん…?今の胸の痛みなんや…?ま、ええか。
それにしても、小春ナイスアイディアや。
「面白そうやん。」
「え、ちょ…そんなら、私はテニス部の誰かを好きにならなあかんの!?」
「設定だけやから安心しとき♪」
…ユウコは、誰を片想いの相手に選ぶんやろな…
「…ほな、片想いの相手は4日以内に決めてや」
あ、いつもよりちょっと声が低くなってしもうた。
「お、おん。」
「決まるまでテニス部の見学きてええで♪」
…え、嘘やろ?
「ほんま?なら、行かせてもらうわ。」
…他のやつらに見られたない…って、何を見られたないんやろか?
「ユウコちゃんが来るんなら、張り切って笑かすでぇ!なぁ、ユウ君?」
「お、おん。せやな!」
…さっきからある謎の気持ち…なんやろ…
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