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「…アンタ、東洋の姫じゃないの?」

調整をしてると、そんな声がかかった

「…そう呼ばれてるみたいだね。」

「やっぱり…俺は越前リョーマっす。…負けないと思うけど頑張ってください。」

あ、どっか行った…。
うん、君のためにも…私のためにも…私をコーチにしてくれた跡部のためにも…

「頑張る。」

「試合を始めるぞ!」

ナイスタイミング…。そんじゃ、いっちょボッコボコしてやんよ。

「ふふ、逃げなかったんだね。」

「当たり前でしょ。」

「じゃ、フィッチ?」

「ラフ」

…こい!
カランッという音が響く。結果は…

「ラフか…早く選びな。」

…やっぱり、コートか…

「んじゃ、こっちのコートとるわ。」

「…俺にサーブ譲ったこと後悔させる暇もなく潰してあげるよ。」

おお、怖…
こんな感じで試合が始まった。
初めは、8分の1程度の力でラリー。これは、相手を油断させるため。
そして、どちらかが1ゲームとったら、風雷月華を使いながら、4分の1の力でゲームを進める。
幸村相手にもそれは変えない。

「ゲーム神崎、3‐0」

…うん、折り返し。なんだけど…

「はぁ…はぁ…」

…あれ、幸村息切れしてない?
まだ、風雷月華使ってないんだけど。
体力無さすぎじゃね?

「そろそろ技を出しますか。」

「「「「「「!!?」」」」」」

あれ?驚いてる人たちは、これが私の本気だと思ってたのかな?
私は、まだまだ余裕だよ?
返ってきたボールを確実にとらえつつ、技名を呟く。

「風雷月華…月姫!」

月姫は、バウンドせずに相手の周りを満月みたいに丸く回る…

「な…」

「ら…0ー15」

…弱い…
それから私は、幸村に1ゲーム取られるも、圧勝した。五感を奪われてなかったら、1ゲーム取られなかったのに…

「…やっぱり、跡部が選ぶものは正解だね。彼女、すごいよ…」

ま、幸村を見返せたからいいか。
最後に…言わなきゃ

「聞けー!」

「「「「…?」」」」

「今の試合を見ても、まだ文句があるやつ、ボッコボコにしてやるから出てこい

さて、これからが合宿だ。

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